ヘルスリテラシーを高めれば、もっと心身ともに幸せになれる!~連載『はじめよう!フェムテック』

2024/06/17

2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀さんと東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。

<パーソナリティー>
●伊久美亜紀 Aki Ikumi
ライフスタイル・プロデューサー、企業コンサルタント。大学卒業後、『レタスクラブ』編集部、ハースト婦人画報社を経て、1995年~2022年までは、ベネッセコーポレーション発行のメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち・ねこのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務め、2023年に独立。31歳の長女一人。

●東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショーサタデー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった33歳。

<ゲスト> 
●北奈央子 Naoko Kita
愛知県出身。早稲田大学、大学院で人工骨の研究に携わり、医療機器メーカーに就職。主に外資系医療機器メーカーのマーケティングとして新製品や新治療の開発に携わる。「医療・健康」「女性」「自分らしく」をキーワードに、医療者と一般の人々をつなぐ役割をしたいと考え、2016年4月より女性のヘルスリテラシーの研究をスタート。研究する中で、「言いづらい」、「行動しづらい」といった女性の健康に関する悩みを実感し、それらを解決するために株式会社「ジョコネ。」を設立。「徹底的に女性目線」でサービスを提供している。 NPO法人 女性医療ネットワークの理事も務める。著書に『女性がイキイキと働き続けるためのヘルスリテラシー」(セルバ出版)がある。プライベートでは一児の母である。 https://joconne.com/

認知が広がりつつある「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートしたこの番組。今回のゲストも、株式会社ジョコネ。代表の北 奈央子さんです。「不調や病気に直面して初めて、その課題について情報を集め始めるという人も、少なくないはず。今回は、ヘルスリテラシーを高める意義について、北さんにじっくり伺いました」(伊久美)

この先に体に起こりうる症状への準備と予習が必要

■東島アナ「北さんは、女性のヘルスリテラシーの研究をされていて、『女性がイキイキと働き続けるためのヘルスリテラシー』という本も出版されています。このヘルスリテラシー、北さんはどのようにお考えですか」

■北「女性のヘルスリテラシーの研究に取り組む中で、私が生み出したのは“自分力”という言葉です。私が師事していた大学院の教授は“健康を決める力”というふうに名付けていました。家族のことなどを優先して、自分のことを置き去りにしている女性が多いので、自分を大事にすることを、最初に考えていただきたいという思いを込めて執筆しました。ヘルスリテラシーは、情報を入手し理解をする→それが正しいかどうか、自分に必要かどうかを判断する→取り入れる決断をして行動する、というかなり広い概念になっています。行動までを含むので、一筋縄ではいかないのです」

■伊久美「一筋縄ではいかないと思うのですが、リスナーのかたが、ヘルスリテラシーについて考えてみたいと思った時、まずなにから取り掛かればよいですか」

■北「そうですね。まずは、1日10分でもよいので、自分の体や状況と向き合う時間を、物理的に確保することですね。そうすると自分が気になっていることがわかるのでアンテナが立ち、いろいろな情報を収集できるようになると思います」

■伊久美「まず自分と向き合い、時間を確保する。大事ですね~。ヘルスリテラシーの入り口ですよ、東島さん(笑)」

■東島アナ「承知いたしました(笑)。その入り口に立った先には、ヘルスリテラシーを高めるための壁がいくつか存在するのですよね…」

■北「はい、そうです。女性のヘルスリテラシーに関していえるのは、生理や更年期の捉え方ですね。いまだに社会の捉え方がネガティブなので、隠すべきものだから、公に相談しにくいと感じてしまいがちなことが壁になっていると思います。生理も更年期も女性なら当たり前に経験することですから、科学的に捉えて情報収集し、必要な行動をとっていっていただければと思います」

■伊久美「確かに! 普通に語れば、全然恥ずかしくもないですよね」

■北「はい。ナプキンを買う時に、不透明な袋に入れられますが、恥ずかしいことではないのです。当たり前に起きることですから」

■東島アナ「私たちが最初に向き合ってきた感情が“恥ずかしい”だったので、今もその考えがなんとなく続いているというのがあるのでしょうね。その他には、どのようなことが壁になっているのでしょう」

■北「日本の職場環境が、弱音を吐きにくいことです。不調を理由に休むことが、あまりよしとされていません。家庭でもそうかもしれません。風邪で調子が悪いと言えないなら、生理痛はなおさら言えなくなってしまうので、調子が悪い時には休むことが、当たり前になってほしいです」

■東島アナ「休むと言いづらいというのは、私たちの中に“こうでありたい”、“こうあるべき”という、世間からのプレッシャー、理想像、正しい姿というのがあるのでしょうか」

■北「日本では“女性はこうあるべき”みたいものが根強く残っていますよね。女性は“よき母や妻であるべき”ということに縛られていて、自分の本心を言えない女性が多いのだろうなぁと思います」

■伊久美「北さんは、そんな女性たちに“そんなに頑張り過ぎないで”と伝えたいそうですね」

■北「はい。“あなたはあなたのままでよいのよ“と言いたいのです」

■東島アナ「ヘルスリテラシーが高い人というのは、どういう特徴があるのでしょう」

■北「いろいろなかたと話していて感じるのは、健康のことだけでなく、ご自身の人生に対して主体的だということです。やりたいことが明確で、周りに合わせるのではなくて、ご自身がどうしたいかという意志をもっていらっしゃる。人生や健康に対して、どういう状態にもっていきたいかがはっきりしてきて、前向きに対策されているのが共通点ですね」

■東島アナ「ヘルスリテラシーを上げて、女性がイキイキと生活していくためには、なにが必要だと思われますか」

■北「一つは、自分の体に今後起きるであろうことに関する知識をもっておいていただくことですね。女性は女性ホルモンの影響を受けやすいので、毎月、そして一生の変化について、自分の人生のどのようなタイミングでどのようなことが起きるのかを見通していただきたいです。いざ症状が出てからだとうろたえてえてしまい、なかなかよい選択ができなかったりするので、あらかじめ対策の選択肢を知っておいていただくことが大事だと思います」

■伊久美「その場になるまで、なにも予習をしないというかたも少なくないと思いますが、健康維持には準備が大事ですね」

■北「はい。女性は皆さん更年期に突入しますがネガティブに捉えず、あらかじめ情報をチェックしておいていただいて、どういう対策があるかどうか、相談しやすい婦人科の先生を見つけておくなど、準備をしておいてください。また、一歩外に出てだれかに話してみたら、よい選択肢が見つかるかもしれないので、我慢せずに相談をし、情報収集をしてほしいです」

■伊久美「ネガティブマインドに陥らないためにも、情報を集め人に相談することは、ハッピーな毎日に繋がりそうですね!」

合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」

●次回は、産業医の大室正志さんをゲストにお迎えします。

【番組インフォメーション】 『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは28年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/

●撮影/寿 友紀 

 
 

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