郵便局員の多忙がきっかけ?年賀状制度が誕生した意外な歴史
2024/12/10
メールやSNSなどインターネットの普及に伴い、今では送る人も少しずつ減っている年賀状。その歴史はかなり古く、平安時代までさかのぼるそうです。今年もそろそろ年賀状を作成する季節。年賀状のルーツに思いを馳せてみませんか?
「年賀郵便」の制度は郵便局員の多忙がきっかけで生まれた!?
現存する最古の年賀状と言われている『庭訓往来』。平安時代の藤原明衡という人物が残した手紙の文例集であり、正月の文例が記されています。実はこの頃から「年始に親戚などの家を回って挨拶する」という風習が生まれたそうです。
しかし江戸時代になると、平安時代よりも人間関係が広くなり、直接挨拶に行くのがたいへんになりました。しだいに書状で年始の挨拶をするようになっていき、これが今の年賀状文化に繋がっていくことに。
明治4年になると郵便制度が始まり、年賀状文化はさらに広がりをみせます。しかも元旦の消印を押してもらうために年末ギリギリに投函する人たちが増え、郵便局員が忙しくなりすぎてしまう事態が発生。そこで年末の一定期間の内に年賀状を受けつけて元旦に配送するという、現在の「年賀郵便」の制度が誕生しました。
ちなみにお年玉つき年賀はがきは昭和24年に始まり、初回の景品はミシンだったそうです。その後は電気洗濯機、電子レンジ、国内外の旅行なども景品となり、今でも新年に楽しみを添えてくれています。
令和7年の1等の景品は、現金30万円もしくは電子マネーギフト31万円分、発行特殊切手集と現金20万円の組み合わせの3つ。景品が現金かつ選択制となり、個人のニーズの多様化に対応した時代の流れを感じますね。
年賀状の作成は時間も労力もかかり、忙しい現代にはそぐわないのかもしれません。しかしインターネットが発達した現代だからこそ、手書きの年賀状に込められた思いにより心が温まります。今年はメールやSNSではなくペンを手に取り、メッセージを添えた年賀状を送ってみてはいかがでしょうか。
■執筆/マツヤマ剛
ありとあらゆる面白情報を収集する雑食ライター。営業職で「トークのタネ」として雑学を集めていたことをきっかけにトリビアに目覚め、一念発起して編集プロダクションに転職。その後独立し、今に至る。特に、生活に関連するような知識には目がなく、日々情報収集に励んでいる。
編集/サンキュ!編集部