地球は毎年5万トン軽くなっていた!減り続けているのは一体なに?
2024/11/09
私たちが暮らす星、地球。世界中で人口が増え続け、巨大な建造物がいくつも建てられているため、地球の質量は日々増加しているイメージがあるかもしれません。人間の規模から考えると想像できないほどの莫大な大きさと質量の地球ですが、じつは「毎年軽くなっている」といいます。一体どういうことなのでしょうか?
軽くなり続けても大丈夫なの?
地球が軽くなっている原因のひとつは、水素とヘリウムが常に宇宙空間へ流失して失われているため。水素とヘリウムは非常に軽く、地球の重力では地表に引き止め続けることができないといわれています。毎年地球から失われる質量は、水素が約9万5,000トン、ヘリウムが約1,600トン。もはや数字だけでは想像がつかないレベルです。
そんなに減ってしまって大丈夫なのかと心配になる方もいるでしょう。しかし地球の水素量は十分なので、あと数兆年はなくならないとのこと。一方、ヘリウムは量が限られていて、将来的には希少価値の高い資源になる可能性があります。
地球から失われていく重さがある反面、じつは増えている重さもあります。それは宇宙空間に漂っている塵。1年間になんと4万トンもの塵が地球の重力に引き寄せられ、降り注いでいるそうです。ちなみに地上でどれだけ建造物が増えたとしても、もともと地球にある材料を使っているため重さは変わりません。
地球からは水素とヘリウム以外にも、地球の核が燃焼するエネルギーが毎年約16トン失われます。増えている分と減っている分を差し引いて、地球が軽くなる量は毎年約5万トン。さすがに「そんなに減って問題ないの?」と不安になってしまいます。
実際のところ毎年5万トン軽くなるといっても心配する必要はなく、5万トンという数字は地球の質量からすると10京分の1。しかしあまりにスケールの大きい話なので、SNSには「壮大すぎてむずかしい」「混乱する」といった声も見られました。自分の想像力を試す意味でも、ときには地球や宇宙のような広い世界に目を向けてみるのも面白いかもしれませんね。
■執筆/マツヤマ剛
ありとあらゆる面白情報を収集する雑食ライター。営業職で「トークのタネ」として雑学を集めていたことをきっかけにトリビアに目覚め、一念発起して編集プロダクションに転職。その後独立し、今に至る。特に、生活に関連するような知識には目がなく、日々情報収集に励んでいる。
編集/サンキュ!編集部