韓国の数ある授賞式の中でも、長い歴史と信頼ゆえに「韓国の演技者たちが最も受賞したい賞」と言われる、総合芸術賞「百想芸術大賞」。視聴率や話題性だけではなく“芸術性”の観点から、作品性と演技力を優先した選考がされるのが特徴で、高い評価を受けた選ばれし名作韓国ドラマをチェックできる、ファンにとっては見逃せない注目の賞なのです。
本記事では、今年も5月5日に授賞式を控える「百想芸術大賞」にノミネートされている、選ばれし韓国ドラマ(作品関連賞や演技関連賞など)を一挙ご紹介します。
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執筆: 韓国エンタメライターNana
韓国ドラマをこよなく愛する韓国エンタメライター。WEB媒体を中心に、ラジオ、雑誌等で韓ドラ愛を叫ぶ記事を執筆...
『おつかれさま』
■あらすじ
■見どころ
作品賞をはじめ、演出賞、脚本賞、男女最優秀演技賞(IU・パク・ボゴム)など、今回最多となる8部門でノミネートを果たし、放送部門の最高賞となる大賞候補として挙げられている『おつかれさま』。
本作は、強い意志を持ったエスン(IU)と、鉄のように忍耐強く一途なグァンシク(パク・ボゴム)。ふたりの人生の軌跡と、三世代にわたる家族の歴史を、済州島の鮮やかな四季を通して描くヒューマンドラマ。全16話で1960年代から2025年までの約70年にもわたる歳月を描き出します。
誰かの子供として、誰かの親として、誰かの妻、夫として、思わず誰もが自分を重ねてしまう感動のストーリーに、毎話胸がいっぱいになり、涙が溢れてしまいます。「韓国ドラマ歴史上最高のドラマ」、「最愛の人生ドラマ」と絶賛の声が相次いでいる一作です。
『こんなに親密な裏切り者』
■あらすじ
韓国最高のプロファイラーと呼ばれ、犯罪行動分析チームのチーム長であるチャン・テス(ハン・ソッキュ)は、一人娘のハビン(チェ・ウォンビン)にとって良い父親でいられるよう定時退勤を固守している。しかし、長いこと離れて暮らしていた父娘の関係の溝は深まるばかり。 ある日、自身が捜査している死体のない殺人事件にハビンが関わっているかもしれない疑惑が生まれ、娘を信じたい思いと、警察として疑わなければならない信頼と疑いの狭間の中、父として、警察として真実を見つけ出すため葛藤する。
■見どころ
作品賞、演出賞といった作品関連の賞をはじめ、男性最優秀演技賞(ハン・ソッキュ)など、『おつかれさま』に次ぐ、6部門でのノミネートを果たしているのが、ドラママニアたちから「2024年最高のドラマ」と高い評価を受けた『こんなに親密な裏切り者』です。
本作は、韓国最高のプロファイラーが、捜査している殺人事件に関与した娘の秘密を知り、深淵のなかの真実を追う心理スリラー。疑心と信頼の間で揺れる父親の心理に迫り、「家族とは何か」を問いかけたメッセージ性のある脚本でサスペンスオタクたちを魅了し、「2024 MBC演技大賞」では、ハン・ソッキュが大賞を受賞。韓国の映画誌CINE21が発表した2024年を輝かせたシリーズでは、見事1位に輝いた2024年の傑作です。
『ソンジェ背負って走れ』
■あらすじ
過去に不慮の事故に遭い、人生の希望を失ったイム・ソル。偶然つながったラジオでバンド「ECLIPSE」のボーカル、リュ・ソンジェの言葉に救われ、ソルは彼の熱狂的なファンになる。 2022年最後の日、コンサートで輝くソンジェを見るも、数時間後突然の彼の訃報に世間は騒然。悲しむソルは、運命に導かれるようにソンジェが生きている2008年にタイムスリップしていて…。
■見どころ
2024年上半期で絶大な人気を誇った『ソンジェ背負って走れ』。作品賞をはじめ、脚本賞、最優秀演技賞(ピョン・ウソク・キム・へユン)男性新人賞(ソン・ゴニ)など5部門でノミネートを果たしており、ジャンルの特性上なかなかノミネートしにくいロマンスコメディジャンルで、作品関連の賞までノミネートを果たす快挙を成し遂げています。
ある日突然生涯を終えてしまった有名アーティストの男性と、彼を愛してやまない大ファンの女性が彼を生かすために過去にタイムスリップするファンタジーロマンスです。キラキラとしたさわやかな青春ドラマでありながらも、回を重ねるごとに何層にも重なった奥深いストーリーに、笑って泣いてキュンとして、大人でもあっという間に沼ハマりしてしまうはず!
主演2人の抜群のケミストリーと、没入度の高いストーリーで、主演を務めたピョン・ウソクのファンミーティングのチケット販売日にはサイトに60万人以上が殺到し即完売するなど、シンドローム級の人気を誇りました。
『トラウマコード』
■あらすじ
一流の重症外傷センターを作るため、戦場に身を置いていた医師が大学病院に着任。歯に衣着せぬ物言いと確実な医療スキルで、部下たちを型破りな救命チームに育て上げていく。
■見どころ
作品賞をはじめ、演出賞や男性最優秀演技賞(チュ・ジフン)など、5部門でノミネートを果たしているのが、日本でも大きな話題となった『トラウマコード』。
本作は、戦場で活躍していた天才外傷外科専門医ペク・ガンヒョク(チュ・ジフン)が、有名無実化した重度外傷チームを立て直すために赴任することから繰り広げられる、痛快な物語を描くメディカルドラマ。ガンヒョクが病院の上層部を薙ぎ倒していく痛快さと、緊急重症者を救う緊迫感、そして仲間たちとのクスッと笑ってしまう人間ドラマと、見どころ盛りだくさん!なのに超スピーディーに物語が展開していくので、1話からハマってラストまで一気見してしまうこと間違いなしです!
『オク氏夫人伝-偽りの身分 真実の人生-』
■あらすじ
心ない主人に仕え、主人の娘に代わって読書や刺繍をこなしてきた奴婢・クドク。ここから逃げだすことを夢見ていた彼女の運命は、両班、ソン・ソインとの出会いによって大きく動きだす。ある事件から、クドクは両班のオク・テヨンとして生きることになり…。
■見どころ
作品賞をはじめ、脚本賞、男性新人賞(チュ・ヨンウ)など、4部門でノミネートを果たしている『オク氏夫人伝-偽りの身分 真実の人生-』。
本作は、名前も身分も、すべてが偽物だった女性の真実の物語であり、そんな彼女を守るために、すべてを捨て彼女を愛した男とのラブロマンス史劇。奴婢だったクドク(イム・ジヨン)が、両班のオク・テヨンとして、なぜ生きることになったか、どのように生きていくのかー彼女の壮大な人生ドラマと、彼女を愛した芸人チョン・スンフィ(チュ・ヨンウ)との運命の出会いと恋の行方を描きます。
速い展開に序盤からハマる視聴者が続出し、「史上最高レベルの傑作」と韓国ドラママニアたちから好評を得た一作です。
『ジョンニョン:スター誕生』
■あらすじ
1956年、韓国の港町で慎ましくも平凡な生活を送っていたジョンニョン。天性の美声と表現力を持つジョンニョンは、ある日町を訪れた人気劇団のスター団員に見出され、初めて女性だけが役を演じる女性国劇を鑑賞し、その幻想的な世界とオーラに心を奪われる。そして女性国劇のスターになることを夢見て上京し、劇団に研修生として入団するが、その道は辛く険しいものだった。 劇団で出会った仲間たちとともにジョンニョンは、スターへの道を懸命に駆け上がっていく。
■見どころ
演出賞や女性最優秀演技賞(キム・テリ)、女性助演賞(オ・ギョンファ・チョン・ウンチェ)など5部門でノミネートを果たした本作は、1950年代を舞台に、少女ジョンニョンがその天性の美声と表現力を武器にスターダムを駆け上がる感動のサクセスストーリー。
キム・テリをはじめとする俳優陣の努力がひしひしと伝わる美しい歌声とど迫力の熱演に、序盤から圧倒されてしまう本作。女性国劇というとっつきにくいジャンルではありますが、韓ドラ史に残ると言っても過言ではない名場面の連続で、観て絶対に後悔しないはず。
俳優たちの優れた演技力と国極シーンの高い再現度と美術などの高いクオリティに「観るべき大作がきた」と好評を得た一作です。
『グッド・パートナー~離婚のお悩み解決します~』
■あらすじ
新人弁護士ハン・ユリ(ナム・ジヒョン)は大手のテジョン法律事務所に入所する。そこには、離婚訴訟を専門とするスター弁護士チャ・ウンギョン(チャン・ナラ)がいた。興味のない離婚チームに配属されたユリは、いっときの我慢だと思って仕事を学びはじめるが、依頼人の利益を優先するウンギョンのやり方についていけない。ユリがとうとう限界を感じて退職を考えていたところに、ウンギョンの夫の不倫を目撃。世間が注目するスター弁護士の離婚訴訟にユリが代理人として選ばれる。
■見どころ
脚本賞をはじめ、女性最優秀演技賞(チャン・ナラ)、男性助演賞(キム・ジュンハン)の3部門でノミネートを果たしている本作は、離婚が"天職"のスター弁護士と、離婚が"初めて"の新人弁護士の熱く冷たい人間ドラマを描くリーガルヒューマンドラマ。
韓国では、2人の抜群の相性と、実際に離婚専門弁護士のチェ・ユナ弁護士が執筆したリアルかつ深みある脚本に魅了される視聴者が続出!結婚と離婚の現実的なエピソードは、視聴者の共感を集め、17.7%という高視聴率を記録しました。それぞれの夫婦の物語と、感情的な新人弁護士と冷徹なベテラン弁護士が、お互いに不足を補いながら成長していく物語に、胸がアツくなること間違いなし!
『良いが悪い、ドンジェ』
■あらすじ
検事長への昇進に失敗したチョンジュ地方検察庁のソ・ドンジェ検事は再開発の事件で悩むなか、ある女子高生の殺人事件を担当することに。検事としての鋭い勘と機会主義者としての本能に突き動かされ、危ない綱渡りをするドンジェだったが…。
■見どころ
男性最優秀演技賞(イ・ジュニョク)と、男性助演賞(ヒョン・ボンシク)でノミネートを果たしたのが、サスペンスの名作『秘密の森〜深い闇の向こうに〜』のスピンオフドラマ『良いが悪い、ドンジェ』。同作に登場した検事“ソ・ドンジェ”(イ・ジュニョク)が、“スポンサー検事”という不正のレッテルが張られた過去から抜け出し、検事として再起を図る物語を描きます。
建設会社の代表で冷徹な資産家でもあるナム・ワンソン(パク・ソンウン)がソ・ドンジェの前に現れ、彼の過去の過ちを暴き出そうと泥沼の戦いを繰り広げます。『秘密の森』ファンにはたまらない小ネタもアリの、緊迫感のあるストーリーに、「スピンオフにしておくにはもったいないほどの完成度」と、高い評価を受けました。
『家族計画』
■あらすじ
幸せな都市、クムス市に越してきた動物病院を営む一家。引っ越してくるなり“ケバル”の手口とみられる失踪事件が発生。意図せず容疑をかけられてクムス市の悪党らと出会い事件に巻き込まれる。今回も家族で力を合わせ、問題を解決できるだろうか。
■見どころ
脚本賞と女性助演賞(キム・グクヒ)にノミネートを果たしたのが、演技派俳優ぺ・ドゥナ、ドラマ『ムービング』での強烈な演技が記憶に新しい個性派俳優リュ・スンボム、さらに数々の名作に出演している大ベテランのペク・ユンシクと演技派たちが集結した『家族計画』。
本作は、生き残るため家族になりすました特殊な能力を持った者たちが、彼らを脅かす極悪非道な犯罪者らを制裁するスリラードラマ。韓国で、「今年最高のシリーズ」「ストーリー、演技、演出全て完璧」と絶賛を受け、歴代Coupang Play Seriesの初週視聴数等の記録を塗り替え、話題になった作品です。
『照明店の客人たち』
■あらすじ
どこかもわからない、暗い街をさまよう人々。一部の記憶を無くした彼らがいたのは、”生と死の境目”の世界だった。 なぜ彼らはこの場所に辿り着いたのか。そして、元の世界に戻ることはできるのか——。 やがて人々は、彼らの過去、現在、未来の鍵を握る、ある路地裏の照明店へと引き寄せられていく・・・
■見どころ
演出賞にノミネートを果たしたのは、百想芸術大賞をはじめとする数々の賞レースを席巻した『ムービング』の原作者で脚本を務めたカンフル、そして同作で俳優として出演していたキム・ヒウォンが監督として演出を担当した話題作!
本作は、暗い路地裏の照明店を訪れるどこか変わった客人たちをめぐる、切なくも温かい人間愛を描いた感動のヒューマンミステリー。誰もが共感できる人間愛はもちろん、ちりばめられた伏線が最後に回収されていく緻密で予想不可能なストーリー展開に、沼ハマり間違いなしです。
済州島に生きる自由奔放な少女と一途(いちず)な少年。挫折と成功を繰り返し生きていくふたりの人生の物語は、世代を超えても続いていく力が愛にはあると教えてくれる。