知らないとマズイ!?お盆のお供え物マナー、価格相場、おすすめを解説
2018/07/23
お盆のお供え物は何がいいのか、NGなものや、お供えする時のマナーなど、お盆のお供えに関する注意点を冠婚葬祭アドバイザーの中山みゆきさんに教えてもらいました。
お盆にお供え物をする意味
お盆の時期、仏壇がある各家庭にはご先祖さまが帰ってきます。お供え物は、帰ってくるご先祖様の霊をおもてなしするもの。そして、お供え物の「供える」は共に供える、つまり、ご先祖さまと現世にいる私たちも一緒にいただくことで供養になるという意味があります。
お供えにふさわしい物
宗派によって異なりますが、仏壇に明かりを灯し、お線香を上げ、花などを添えることは供養の基本で「五供(ごく)」と言われています。仏壇の前に、「精霊棚(しょうりょうだな)」と呼ばれる棚を作り、これらを飾ります。
五供の意味を解説
1.香
お線香のことです。ご先祖さまに香りを感じてもらいます。お線香に火をつけるときは、火を口で息を吹きかけて消さないように。手か火消し用のうちわで消すようにしましょう。
2.花
故人の好きだった花があればそれを飾りましょう。お庭の花、野の花でも、喜んでもらえると思う花をお供えしましょう。お花を飾ったら、枯れないように水替えを忘れずに。
3.灯燭(とうしょく)
仏前を明るく照らすろうそくのこと。お線香をつける役目もあり、お参りするときは必ずろうそくをつけます。ろうそくを消すときは、息を吹きかけて消さないように。人間の息は不浄とされ、仏様に失礼であるとされています。
4.浄水(じょうすい)
清浄な水を供えることによって、お参りする人の心を清らかにする意味があります。コップなどに水道水を入れるだけで構いませんが、毎日取り替えて新鮮な水をキープしてください。
※浄土真宗では供えません。
5.飲食(おんじき)
毎日家族が食べるものと同じものを、家族の食事の前にお供えします。お盆の時期は「霊供膳(りょうぐぜん)」という一汁三菜の精進料理を必ず食べられる状態でお供えします。あまり長い時間お供えしっぱなしにしないで、早めに下げるようにしましょう。
各宗派、それぞれの家庭でしきたりが決まっていることもあるので、事前にチェックして確認しておく必要があります。
お供え物を現金で持って行くときの相場
お盆のお供え物を持ってうかがう側は、本来はお線香やろうそく、お菓子などの供物やお花を持参するものでした。しかし最近では、現金をお包みすることが一般的になってきています。お参りするお家との関係にもよりますが、3,000円から5,000円。初盆の場合は、5,000円から10,000円と少し多くなります。
現金を入れる袋の「水引き」「表書き」の書き方
お金を包む袋の表書きには「御仏前」「御佛前」「御供物料」と、下段に自分の名前を書きます。関東では一般的に黒白の水引きを使いますが、関西では黄色の水引を使う場合もあるので、事前に確認することが大事。できれば、ふくさなどに包んで持って行き、仏前でふくさから開いて出して「精霊棚」などの上に置きましょう。袋は、自分の方から字が読めるように置きます。
お供え物の「のし」「水引き」「表書き」の書き方
お菓子や果物などをお供えするときは、そのままだと失礼になるので、掛け紙や「のし」をつけて持って行きましょう。表書きは「御供」か「御供物」。掛け紙の「水引き」には一度きりという意味合いの「結び切り」を使います。こちらも地方によって色が違うので、確認しましょう。品物でお供えをするときは、誰が持ってきたかわかるように「内のし」より「外のし」にします。
食べ物をお供えするときの注意点
食べ物は包装紙に包んだままお供えしないように。親せきや知人があげてくれたときも、お家の方が必ず包装紙から出しましょう。包装したままだと、ご先祖さまは食べることができませんし、何をお供えしてもらったのかさえわかりません。食べ物のお供えの3つのポイントを紹介します。
1.お菓子などの箱入りのもの
プリンや羊羹などは、箱から出したらそのままお供えしてOK。クッキーやおせんべいなどは、小袋にとってすぐに食べられるように。
2.果物
ぶどうなどは洗って小鉢に入れます。梨やりんごなどは、皮をむいて食べられるようにして置きます。
3.そうめんなどの乾麺
必ず茹でて、おつゆもつけて食べられるようにして。もちろん、お箸も添えましょう。
お供え物を下げるときのタイミング
夏場の果物は傷みやすいので、お供えしたらその日のうちに下げて、みんなでいただくといいでしょう。水羊羹などの生菓子もお供えして合掌したらすぐに冷蔵庫に入れます。日もちのする焼き菓子は、仏壇などにそのままお供えして、お盆が終わった後に下げても良いですね。
まとめ
お供え物にはいろいろな意味があるんですね。基礎知識を頭に入れたところで、亡くなった方の好きだった物を思い巡らせて、さらにはご家族の方も喜ぶ物を持っていくのが大人のマナーと言えそうです。
教えてくれたのは・・・中山みゆきさん
冠婚葬祭アドバイザー。All Aboutで冠婚葬祭サイトの運営に携わる。現在は、その知識を生かして冠婚葬祭関連のアドバイス活動を重ね、「思いやり」の心を大切にした情報を発信中。
取材・文/有馬未央(KIRA KIRA)