墓石の手入れ方法、必要な道具や手順、失礼ないようにキレイにするコツを解説
2018/07/29
「お墓や墓石の掃除は自分たちでするもの?」、「どうやったらいいの?」という疑問をお持ちの方のために、冠婚葬祭アドバイザーの中山みゆきさんにお墓の掃除について聞いてみました。
お墓の掃除はいつするべき?
基本的にいつでも構いませんが、親戚などが集まりやすいお盆の頃やお彼岸の頃に、お墓まいりを兼ねて掃除するのがいいでしょう。年末年始の大掃除に合わせてお墓の掃除をするご家庭もあります。各家庭の都合に合わせて掃除をするのがいいと思います。
お墓の掃除に必要なグッズ
お墓まわりと墓石の掃除グッズを紹介します。
【お墓まわりの掃除グッズ】
●ほうき・ちりとり……お墓の周辺を掃き掃除するため。
●鎌……雑草を手でむしり取るのが大変そうならぜひ。
●ゴミ袋……まわりの枯葉やゴミ、雑草などを入れるため。
●植木ばさみ……お墓の敷地内に植木がある場合のみ。
●軍手……雑草を取るときなど、あると便利。
【墓石の掃除グッズ】
●スポンジ……墓石を洗うため。
●歯ブラシ……墓石の名前が彫られているところをきれいにするため。
●たわし……スポンジで汚れが落ちないときに。金属たわしは石を傷つけるのでNG。昔ながらの普通のたわしで。
●雑巾(タオル) ……墓石の掃除の仕上げに、乾いた雑巾やタオルで拭くため。できれば、新品のものを使ってください。
●バケツ・ひしゃく……墓石を掃除するときに。お墓の管理事務所などで貸してもらえることが多いですが、事前にチェックして。貸し出しがなければ、自分で用意して行きましょう。
墓石の汚れが気になるようなら、墓石用の洗剤を使うのも手です。家庭用の台所洗剤などは墓石を傷めてしまうので、絶対に使わないように。また、花立を掃除するのに、水筒などを洗う柄の長いブラシがあると便利です。
お墓まわり、墓石の掃除の手順
まずは、お掃除を始める前にご挨拶。お墓に向かって「これからお墓の掃除をさせていただきます」などお声がけして一礼。このとき、ろうそくや線香をあげる必要はありません。
【掃除の手順】
1.お墓のまわりをほうきできれいに掃き、ゴミを拾う。
2.雑草を抜く。必要に応じて、軍手や鎌を使って。
3.墓石の汚れがひどかったり、コケが生えていたら、まず雑巾やタオルで汚れを落としておく。
4.墓石に水をかけながら、スボンジで洗ってきれいする。汚れがひどい場合はたわしを使っても。でも、強くゴシゴシするのは禁物です。
5.墓石の名前が刻まれたところの汚れを歯ブラシできれいにする。
6.線香台、水鉢、花立も歯ブラシや柄の長いブラシなどで丁寧に洗う。
7.墓石の水分を乾いたタオルや雑巾で拭いておく。水垢やコケが発生するのを防ぎます。
お墓を掃除するときのマナー、気をつけたいこと
お墓まいりに行った方全員で、手分けして効率よく掃除をするのがベストです。墓石を洗うときはゴム手袋などをしないで素手で洗いましょう。墓石はご先祖さまのお身体と同じです。人の手で優しく触れながらきれいにしましょう。掃除をする際、お隣りのお墓などに水がかかったりしないように注意を払うことを忘れずに。掃除が終わったら、お線香とお供え物をあげます。その後、掃除で出たゴミ、お供え物は持ち帰りましょう。
お盆の夏の時期に掃除に行くときは、長袖、長パンの方が無難。蚊取り線香、虫除けスプレー、帽子、日焼け止めなども持って行ったほうがいいですね。
どうしても墓石の汚れが落ちなかったら……
墓石の掃除をしたもののなかなか汚れが落ちなかったら、石材店や墓石クリーニング専門業者に依頼するとよいでしょう。自分で無理やり掃除をすると、墓石の欠けや傷の原因となるのでやめたほうが無難です。業者によって値段が変わりますので、何件か見積もりを取って比べてみましょう。
まとめ
これで、お墓の掃除に必要なグッズ、掃除の仕方がわかりましたね。頻繁にはできませんが、お墓まいりのときに感謝の心を込めてお墓をきれいに掃除したいものです。
教えてくれたのは・・・中山みゆきさん
冠婚葬祭アドバイザー。All Aboutで冠婚葬祭サイトの運営に携わる。現在は、その知識を生かして冠婚葬祭関連のアドバイス活動を重ね、「思いやり」の心を大切にした情報を発信中。
取材・文/有馬未央(KIRA KIRA)