結婚したら夫の実家のお墓に入らないといけないの?自分の遺骨のこと、考えていますか?『サンキュ!』読者の「実家や親にまつわるお悩み」に専門家がアドバイス。未来のために今からちょこっと考えておくと安心です。

<教えてくれた人>: 葬送・終活ソーシャルワーカー All About「葬儀・葬式・お墓」ガイド 吉川美津子
大手葬儀社や仏壇・墓石販売店勤務、専門学校で葬儀人材育成に携わるなど、葬送や終活のスペシャリスト。社会福祉士...
- 夫の実家と折り合いが悪く、義父母と一緒のお墓に入りたくない!
- ムリに入らなくてOK。でも自分の遺骨を「誰に託すか」決めて、伝えておこう
- 実家のお墓に入る場合は、そちらのお寺の許可と「管理規約」などの確認が必要です
- お墓の「名義人」の許可も絶対必要。次の継承者も含めて、今から相談しておこう
夫の実家と折り合いが悪く、義父母と一緒のお墓に入りたくない!
夫の両親とはいろいろあって、顔を見るのもストレスなほど。だから義父母と同じお墓に入るなんて考えられません。でもお嫁に行った以上、それは避けられないのでしょうか。実の両親と同じお墓に入るのはムリですか?
相談者R・Tさん(栃木県 49歳)
ムリに入らなくてOK。でも自分の遺骨を「誰に託すか」決めて、伝えておこう
実は「嫁いだら婚家のお墓に入らなければならない」という法律や決まりはありません。ただ「実家のお墓に入りたい」という自分の意思は、夫や子どもにきちんと伝えて理解を得ることが重要です。
実家のお墓に入る場合は、そちらのお寺の許可と「管理規約」などの確認が必要です
一般的な墓地や霊園の多くは、納骨できる範囲を「管理規約」で定めています。具体的には「お墓の名義人から見て六親等以内の血族、配偶者、または三親等以内の姻族まで」など、幅広い場合も。
それをクリアしたら、結婚後でも実家のお墓に入れるんですね!
●お墓の名義人って?
お墓を継いだ人(継承者)のこと。お墓や遺骨に関する全ての事柄を決定する権限を持つ。実家のお墓に入りたい場合は、その名義人が誰なのか、必ず確認を。
お墓の「名義人」の許可も絶対必要。次の継承者も含めて、今から相談しておこう
例えば、実家のお墓の名義人である自分の兄にお墓に入る許可をもらったとします。それを兄が遺言書に記しても、あくまで付言事項にあたるため法的拘束力はありません。兄の死後、お墓を継いだ甥(おい)が「ダメ」と言ったら、あなたは実家のお墓に入れないのです。だから「おばさんにはお世話になったからいいよ」とOKしてもらえるよう、お墓を守る次の世代の名義人と良い関係を築いておきましょう。
●遺言書の付言事項って?
遺言者の意向や気持ちを伝えるために、遺言書に記載する文章のこと。法的拘束力はないので、その内容が実現されるとは限らない。具体的な内容は、家族への感謝やお願いごと、遺産分配の理由など。
<教えてくれた人>
葬送·終活ソーシャルワーカーAll About「葬儀・葬式・お墓」ガイド 吉川美津子(きっかわみつこ)さん
大手葬儀社や仏壇・墓石販売店勤務、専門学校で葬儀人材育成に携わるなど、葬送や終活のスペシャリスト。社会福祉士、介護福祉士でもあり、「生き方」「逝き方」に寄り添う福祉職としても活躍中。著書に『葬儀業界の動向と仕組みがよ~くわかる本』(秀和システム)など。
参照:『サンキュ!』2025年4月号「どうしよう!実家と親のモンダイ」より。掲載している情報は2025年2月現在のものです。構成/竹下美穂子 取材・文/神坐陽子 編集/サンキュ!編集部