親の介護のこと、イメージできてる?『サンキュ!』読者の「実家や親にまつわるお悩み」に専門家がアドバイス。未来のために今からちょこっと考えておくと安心です。

<教えてくれた人>: 介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子
30年以上にわたって老親介護の現場を取材。仕事と介護の両立や遠距離介護など、リアルで役立つ情報を各メディアで...
- 築50年以上の実家。いつか両親が転んでケガしないか心配!
- 親が元気なら、今すぐできることから対策を
- 親の足腰がもっと弱ったら、どうしよう
- 介護保険以外にも自治体独自のサービスが。内容は異なるので、今のうちから確認を
築50年以上の実家。いつか両親が転んでケガしないか心配!
昭和に建てられた実家は階段が急で段差も多く、両親が転んでケガをしないか心配です。今は2人とも元気ですが、家を改修したりして今から備えたほうがいいでしょうか?その場合、費用を抑える情報があれば知りたいです。
相談者 K・Tさん(長崎県 48歳)
親が元気なら、今すぐできることから対策を
まず見直したいのはスリッパです。一般的な物は意外と滑りやすく、つまずきや転倒の原因に。かかとつきで脱げにくいルームシューズに替えると安心です。階段や段差に滑り止めをつける、めくれやすいカーペットの端の裏側に固定シートを貼るなども転倒予防に有効。
親の足腰がもっと弱ったら、どうしよう
介護保険を使って、段差をなくしたり階段に手すりを取りつけたりもできます。
介護保険の要介護認定で要支援・要介護の場合に住宅改修費の支給サービスを利用することができます。要介護度に関係なく20万円が上限で、介護保険の自己負担割合によって、改修費の1~3割が自費となります。例えば20万円かかるリフォームで自己負担が1割なら、18万円が支給されます。
●要介護認定って?
高齢者などが介護保険サービスを利用するために、介護が必要な状態か、またどの程度必要かを、市区町村が調査・判定する制度。本人や家族などが役所に申請する。要介護度の認定結果は、要支援1・2と要介護1~5の7段階がある(非該当のケースもあり)。
●住宅改修費って?
介護保険の対象となる住宅改修工事は、手すりの取りつけや、段差の解消、滑りの防止や引き戸等への扉の取替えなど。改修時に住んでいる住民登録地の住居が対象。改修前に申請し、必要と認められた部分のみ対象となる。
介護保険以外にも自治体独自のサービスが。内容は異なるので、今のうちから確認を
介護保険のサービスの他、自治体が独自に行っている介護サービスもあります。要介護認定を受けていなくても「自立支援」としてケガ予防などを目的とした住宅改修をサポートしてくれることも。親御さんが住んでいる自治体や地域包括支援センターに問い合わせてみて。
<教えてくれた人>
介護·暮らしジャーナリスト 太田差惠子さん
30年以上にわたって老親介護の現場を取材。仕事と介護の両立や遠距離介護など、リアルで役立つ情報を各メディアでわかりやすく発信中。近著に、お笑いタレント・安藤なつさんとの共著『知ットク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門 第2版』(KADOKAWA)。
参照:『サンキュ!』2025年3月号「どうしよう!実家と親のモンダイ」より。掲載している情報は2025年1月現在のものです。構成/竹下美穂子 取材・文/神坐陽子 編集/サンキュ!編集部