車椅子の介護者と高齢者の手

【専門家が回答】遠くに住む老いてきた両親、こちらに呼び寄せるのが正解?

2024/09/07

老いてきた親の今後の生活が心配。親と離れて暮らしているので、何かあってもすぐには帰れない……そんなお悩みに専門家がアドバイス。遠距離介護や地域包括支援センターなど、知っておくと安心の情報をお届けします。

30年以上にわたって老親介護の現場を取材。仕事と介護の両立や遠距離介護など、リアルで役立つ情報を各メディアで...

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老いてきた親を呼び寄せたいけど、田舎を離れたがらなくて……

初夏の田園風景「田園風景」
Takatoshi/gettyimages

四国で暮らす両親は、今は2人ともピンピンしていますが、70代半ばで今後の生活が心配。何かあっても私がすぐに帰れる距離ではなく、ほかに頼れるきょうだいもいません。いずれは私の家の近くに呼び寄せたいけど父も母も気乗りしない様子。どうしたらいい?
相談者 I・Tさん(東京都 44歳)

イヤがっているなら、無理は禁物です

旧カップルのお客様の笑顔
byryo/gettyimages

今の70代はまだまだ元気!渋っている親を無理に呼び寄せても後々もめることになるかもしれません。親には親の、子どもには子どもの人生があります。それぞれの暮らしを尊重する選択をしましょう。

もし将来、介護が必要になっても、近くに住むことがベストとは限りません

エプロン姿の若い女性と家で会話をする年配の女性
maruco/gettyimages

もし親を呼び寄せたとしても、子どもは日中仕事があって、親は不慣れな土地でさみしい思いをするケースも多いです。今や遠距離介護は普通のこと。訪問介護や食事を届けてくれるなど、サービスのメニューも豊富です。だから「近くに住まなきゃ」とか「同居」とか気負わなくても大丈夫ですよ。


●遠距離介護って?
親子が同居せず別々の家に暮らしながら親の生活をサポートすること。地域の介護サービスなどを活用しつつ、必要に応じて子どもが親の元を訪れ、ケアを行う。

親が元気なうちにできることはありますか?

ヘルプとサポート画像、子供の手で覆われた心臓オブジェクト
takasuu/gettyimages

帰省した際、相談窓口に立ち寄って、介護に関する冊子などを集めてみるのもいいですよ。
介護に関する最初の相談窓口は地域包括支援センターと知っておきましょう。そして今のうちから親に将来どこでどう暮らしたいかを聞いて、その地域の相談窓口で介護サービスの情報を集めておくと安心。転倒や認知症の予防教室など、元気なうちから使えるサービスを教えてもらえることも。


●地域包括支援センターって?
65歳以上の地域住民が安心して暮らすための支援を行い、介護全般の相談を受けつける公的機関。中学校区に1カ所程度ある。先々、介護が必要になったときのことも事前に相談可能。


<教えてくれた人>
介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子さん
30年以上にわたって老親介護の現場を取材。仕事と介護の両立や遠距離介護など、リアルで役立つ情報を各メディアでわかりやすく発信中。近著に、お笑いタレント・安藤なつさんとの共著『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門 第2版』(KADOKAWA)。

参照:『サンキュ!』2024年9月号「どうしよう!実家と親のモンダイ」より。掲載している情報は2024年7月現在のものです。構成/竹下美穂子 取材・文/神坐陽子 編集/サンキュ!編集部

 
 

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