もしかして認知症?気分を害さずに病院に連れ出すには?専門家がアドバイス
2024/11/29
もしかして認知症?物忘れがひどくなってきた義母が心配……気分を害さずに病院に連れ出すにはどうすればいい?『サンキュ!』読者のお悩みに専門家がアドバイス。未来のために今からちょこっと考えておくと安心です。
<教えてくれた人>: 介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子
30年以上にわたって老親介護の現場を取材。仕事と介護の両立や遠距離介護など、リアルで役立つ情報を各メディアで...
- 義母が認知症かも?でも本人に言い出せなくて……
- ご様子の変化は認知症以外の可能性も。なるべく早めに専門医を受診して
- かかりつけ医や長男など、本人が「助言を聞き入れそうな人」に頼むのも手
- 介護は「マネジメント」。親との関係性や性格に合わせて対策を練るとGOOD
義母が認知症かも?でも本人に言い出せなくて……
最近、義母の物忘れがひどく、認知症が始まったのかもと心配しています。認知症外来に連れて行きたいけれど、義母は自分はまだしっかりしていると思っているようなので切り出しづらくて……。義母の気分を害さずに病院に連れ出すにはどうすればいいですか?
相談者 T・Oさん(兵庫県 52歳)
ご様子の変化は認知症以外の可能性も。なるべく早めに専門医を受診して
高齢者特有のうつや脳の血管の病気、薬の飲み合わせが悪い場合でも認知症に似た症状が出ます。とはいえ高齢者の4人に1人以上が認知症とその予備軍の軽度認知障害(MCI)。早めに受診した方がいいでしょう。
でも、私が言っても病院に行ってくれなさそう(汗)
●軽度認知障害(MCI)って?
日常生活に支障が出るほどではないが、記憶力などが低下して正常とも認知症ともいえない状態のこと。MCIの人の約半数は5年以内に認知症に進む一方で、約4割が早期の対策により正常化したという報告も。
かかりつけ医や長男など、本人が「助言を聞き入れそうな人」に頼むのも手
「お義母さんもこの人の助言なら耳を貸す」という人はいませんか?例えばかかりつけ医などに相談して「何か病気が潜んでいるかもしれないから」と助言する役割を頼んでみてはどうでしょう。それでも難しいときは、自治体の認知症初期集中支援チームに力を借りる方法もありますよ。
●認知症初期集中支援チームって?
医療や介護の専門職が家族の要請などにより、認知症が疑われる人や認知症の人の自宅を訪問し、自立生活のための初期支援を集中的に行うチームのこと。適切な医療・介護サービスにつながっていない場合は早めに相談を。地域包括支援センターが窓口。
介護は「マネジメント」。親との関係性や性格に合わせて対策を練るとGOOD
仕事で厄介なお客さんっていますよね(笑)。そういう人に対応する気持ちで、程よい距離を取りつつ、親の性格や行動パターンに合わせて作戦を練るのがうまくいく秘訣。例えばお義母さまがお得情報がお好きなら、うそも方便で「来月まで認知症の検査が無料だって」と誘ってみるのも手ですよ。
<教えてくれた人>
介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子さん
30年以上にわたって老親介護の現場を取材。仕事と介護の両立や遠距離介護など、リアルで役立つ情報を各メディアでわかりやすく発信中。近著に、お笑いタレント・安藤なつさんとの共著『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門 第2版』(KADOKAWA)。
参照:『サンキュ!』2024年12月号「どうしよう!実家と親のモンダイ」より。掲載している情報は2024年10月現在のものです。構成/竹下美穂子 取材・文/神坐陽子 編集/サンキュ!編集部