認知症の母も自分の人生も大切に。「好き」に囲まれた私らしい暮らし

2025/03/27

自分らしく“今”を楽しみながら、心豊かに過ごす50歳のひとり暮らしとは?認知症の母のことも、自分の人生も両方大切にしています。「好き」に囲まれた私らしい過ごし方を教えてもらいました。


<教えてくれた人>
ヤノミサエさん live in大阪 age50歳
保護猫のウズラ(14歳)、モナカ(4歳)、チョコ(4歳)と暮らす。母(80歳)とは近居。仕事はフリーランスのフォトスタイリング(R)講師。Instagram@misaeyanoで「無印良品」で整える暮らしや母の介護について発信中。著書に「猫がよろこぶインテリア」(タツミムック)など。

今すぐできる素敵なくらしのアイデアを毎日発信中。お金の貯め方から、時短掃除、洗濯、料理作りなどの家事の知恵、...

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認知症の母のことも、自分の人生も両方大切に。「好き」に囲まれた私らしい暮らし

20代のころ両親が離婚し、パート生活を送る母の近くに住んで暮らしを支えてきたヤノさん。36歳で雑貨や暮らしなどを魅力的に撮影するフォトスタイリング(R)に興味を持ち、働きながら学びました。その後、講師として独立し、バリバリ働いていましたが、8年前に母の認知症に気づきます。「物忘れがひどくなってるのに自分の病気を認めたがらない母に寄り添い、支えるのは大変でした。私も精神的にまいって一時は心療内科に通うことに。それで1人で背負いすぎてもダメだと気づいて……。ムリして頑張るのはやめよう、自分の暮らしを大事にして、自分を慈しんであげないとつぶれてしまう、と思ったんです」。
今は行政の介護サービスを利用して母を見守りながら、心地いい部屋、好きな仕事、かわいい猫たちを大切にしてマイペースに暮らしています。昨年から写真や動画の知識を活かし、学校のオンライン授業をサポートする仕事もスタート。「『50歳の新人、ヤノです!』のスタンスで、わからないことは臆せず聞いちゃう。するとみんな親切に教えてくれるんですよね。年を重ねて、いい意味で図太くなりました。今後も自分らしくいるために、自分の生活と母の介護のバランスをうまく取っていきたいと考えています」。

●Life story
1974年 大阪で生まれる

1996年 服飾専門学校卒業後、22歳でアパレルメーカーに就職。同時期に両親が離婚。一時期、母と暮らすもその後、別居して近くに住むことに

2004年 30歳でネットショップに勤務

2009年 35歳で中古マンションを購入

2010年 36歳のとき、働きながら「フォトスタイリング(R)」の講座で学ぶ

2011年 37歳でフリーランスになり、フォトスタイリング(R)講師や暮らし関連のコンテンツ制作を開始

2016年 42歳のときに母(当時72歳)の認知症が発覚

2020年 46歳のときに、修繕リフォーム代のことなどを考え、中古マンションを買い手がついたタイミングで売却。賃貸マンションに引っ越し

2022年 48歳のときに母(当時78歳)の子宮頸(けい)がんが発覚。放射線治療のため週5の通院の付き添いで介護離職しかけるが、なんとか回避

2024年 50歳のときの春に母(当時80歳)が転んで恥骨骨折、自宅療養。夏に再び母が転び骨盤骨折、入院。10月から現在の賃貸マンションに住み替え

2025年 フォトスタイリング(R)講師のほか、写真や動画に関する仕事をフリーランスとして請け負い、活躍中

【住まいのこと】小さな部屋に住み替えることで、暮らしをダウンサイジング

「もともと、50代になったら出費や物量を見直そうと考えていました」。3LDKから1LDKの狭い賃貸マンションに越して、住居費からコストダウン。

キッチンも小さめ!だけど、「壁収納」を強化して使いやすさキープ

前は隠す収納派だったけど、今は調理道具やグラス類をつり下げるなど壁面を活用して収納の少なさをカバー。「出番が多い物はあえて出したまま。狭くても使いやすく工夫しています」。

母のヘルパーさんから「物が多いおうちでのケアは大変」と聞いて、自分も物を減らそうと決意

「家が物だらけだとケアする側もされる側もいいことないんだとハッとして」。引っ越しを機に、いつの間にか増えたキッチングッズなどを処分。手が届かない場所に物はしまいません。

一番上の棚は空っぽに

中学時代から好きな「無印良品」。家中で使い回せる収納や家具はコスパ良し

「デザインや機能がシンプルだから場所を選ばずに使えます。頻繁に買い替えるのは避けたいこれからの生活にぴったり」。リビングの棚には文房具やカメラ機材などよく使う物を収納。

ずっとユニットバスNGだったけど、意外と使いやすいし家賃も下がってGOOD

「トイレとお風呂は別がいいと思ってたけど、暮らしてみたらコンパクトで掃除がラク。ユニットバスは不人気みたいで家賃が相場より約1万円安く、思い込みを捨ててよかった!」。


※紹介した商品はすべて本人私物で、購入した当時の価格です。メーカー・店舗等へのお問い合わせはご遠慮ください。

参照:『サンキュ!』2025年4月号「シンプルで満ち足りた“50代の暮らし”」より。掲載している情報は2025年2月現在のものです。撮影/桑名晴香 構成/竹下美穂子 取材・文/神坐陽子 編集/サンキュ!編集部

 
 

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