「お布施」の金額相場を法要別に解説:渡し方、包み方・書き方も解説
2019/02/14
通夜やお葬式、法事などのときに僧侶に支払う「お布施」と呼ばれるもの。はっきりとした料金表などが無いため、払うほうからすると悩んでしまいます。そこで今回は、冠婚葬祭アドバイザーの中山みゆきさんに「お布施」のことを聞いてみました。
「お布施」とは?なぜ金額が決まってないの?
「お布施」は、お葬式や法事などの仏事で、僧侶へ読経や戒名をいただいた謝礼としてお渡しするものです。お布施は住む地域やそれぞれのお寺の考え方、お付き合いの関係によって変わってきます。価値観が人によってさまざまなこともあり、はっきりとは金額が決められないのです。
「お布施」の大まかな相場
通夜、お葬式、法要の際のお布施の目安は下記のようになります。地域やお寺などにもよりますので、あくまでも一般的な相場としてください。なお、法要の際のお布施には、お車代とお膳料(ぜんりょう)も含まれます。
【通夜、お葬式に僧侶を呼んで読経をお願いした場合】
お通夜、葬式の2日間で一般的な費用(戒名と読経)は、全国的に15万円~50万円。関東(東京中心)は、20万円~35万円。関西(大阪中心)は20万円前後になります。
【お墓や納骨堂にお骨を納骨するとき、僧侶を呼んで読経をお願いした場合】
1万円~5万円
【四十九日法要に僧侶を呼んで読経をお願いした場合】
3万円~5万円
【初盆に僧侶を呼んで読経をお願いした場合】
3万円〜(戒名料が入らない場合)
【1回忌法要に僧侶を呼んで読経をお願いした場合】
3万円~5万円
【3回忌法要に僧侶を呼んで読経をお願いした場合】
1万円~5万円
【7回忌法要に僧侶を呼んで読経をお願いした場合】
1万円~5万円
【命日に僧侶を呼んで読経をお願いした場合】
3千円~1万円
【お彼岸に僧侶を呼んで読経をお願いした場合】
5千円~1万円
【お盆に僧侶を呼んで読経をお願いした場合】
3万円〜5万円
お布施を渡すタイミングと渡し方
お布施を渡す際には直接手渡すのではなく、お盆(切手盆・きってぼん)にのせて渡します。葬儀屋さんが用意してくれる場合があるので事前に聞いてみるとよいでしょう。お盆の代わりにふくさを使っても大丈夫です。渡すタイミングは通夜・お葬式の場合と法事では少し異なるので、以下を参考にしてください。
【通夜、お葬式の場合】
お通夜が始まる前、お坊さんにご挨拶する時にお布施を渡します。「本日はどうぞよろしくお願いいたします」という言葉とともに。もしくはお通夜が終了して、僧侶が一休みされているタイミングを見計らって「本日はありがとうございました。どうぞお納めくださいませ」とお礼とともに渡しましょう。
【法事の場合】
法事が始まる前に控えの間などがある場合は、そのときに挨拶をするタイミングで「本日はどうぞよろしくお願いいたします」という言葉とともに渡します。あとは、法事が終わった後に僧侶が帰る前に「本日はありがとうございました。どうぞお納めくださいませ」というお礼をのべながら渡します。
「お布施」の包み方と表書き
「お布施」の現金は、中袋にお金を入れて「奉書紙」(ほうしょし、ほうしょがみ)という袋で包みます。無ければ、市販の白い封筒でも大丈夫です。ただし、郵便番号を書く欄の無い白い無地のものに限ります。
一般的に「水引」は不要ですが、地域によるので前もって調べておきましょう。表書きの上段には「お布施」「御布施」が一般的。あとは「御車代」「御戒名料」「御法名料」「御経料」「読経御礼」など。下段には「●●家」または、施主のフルネームを。封筒の裏には住所と金額を書きます。筆は薄墨ではなく、黒い墨を使います。
まとめ
先祖代々の菩提寺があれば、そこの僧侶と付き合い方があるかと思うので、聞ける人がいる間に聞いておくといいでしょう。日本の仏式ならではお布施、そのマナーなども覚えておきたいものです。
教えてくれたのは・・・中山みゆきさん
冠婚葬祭アドバイザー。All Aboutで冠婚葬祭サイトの運営に携わる。現在は、その知識を生かして冠婚葬祭関連のアドバイス活動を重ね、「思いやり」の心を大切にした情報を発信中。
取材・文/有馬未央(KIRA KIRA)