子育てもパリ式!フランス人の子育ての「サボり」方
2019/06/22
フランスのママたちは、毎日子育てや仕事に追われながらも、自分たちの疲れて乱れた心を「整える」のがとっても上手。いい意味で程よくサボって息抜きをするタイミングをみんなちゃんと知っています。忙しいはずなのに、髪を振り乱しキーッとなることもない、優雅な暮らしぶり。そんな彼女たちに前向きに暮らすコツを教えてもらいましょう。
「いつまでも恋人同士でいる」のが夫婦の条件
「仕事が入っちゃったから子どもを預かってもらってもいい?!」
などと友人の家、実家のおじいちゃん&おばあちゃん、お抱えのベビーシッターなどに子どもを見ていてもらうことがあるのはごくごく普通なパリの日常風景。預かってもらう理由も仕事だけにあらず、
「ちょっと来週のオペラのチケットが手に入ったから預かってもらってもいい?!」
とか
「結婚記念日でレストランの予約してるからお願い!」
などなど自分たちのプライベートなリフレッシュや楽しみのために自分の子どもを預けたりするのも、いたって普通です。
子どもが生まれると、旦那様との関係は恋人というよりは家族になってしまうのが典型的な日本スタイルですが、フランス人にとっては、子どもがいようがいまいが、「いつまでも恋人同士であること」が結婚の必須条件だそうで(簡単に言ってしまえば、男女の関係ではなく家族になってしまったらもう関係は終わり=離婚ということになるらしい!というわけで、文化が違う日仏カップル間で離婚問題に発展することも珍しくありません)、子どもが生まれた後も2人だけのデートは大切な時間らしいのです。
だからフランスでは子どもを友人やベビーシッターに預けて自分のための時間を過ごすということは決して「悪」ではないんです。例えば同じ家族内、パパとママの間でも、今日はパパが子どもの面倒を見て寝かしつけまでしてママが友達と飲みにいくなんていうのは定期的に、お互い様で楽しみます。
文化の違いや社会背景の違いもあるので、何もかもこのフランス風がいいというわけでは決してないのですが、フランスでは当たり前のママの心を「整える」ための上手なサボり方、ちょっぴりマネしてみてもいいのかな、なんて考えています。きっと真面目な日本人がマネしてみても、ハメを外しすぎることもなさそうなので、ちょうど良い具合になると思うのです。
サボリの子育てにおける効能
たまにこのちょっぴり「サボり」のリフレッシュを入れることで、「楽しかった〜!」というリフレッシュとともに、「ママだけ楽しい思いしてごめんね〜。」なんて罪悪感から子どもに対して余裕の大きな心を持ってうんと優しくできるようになっていることに気づいたりします。
ただし、これをするためには…。
おじいちゃん&おばあちゃん、友達、ベビーシッターさんと、ママがいなくても誰とでも過ごせるように慣れていることが必須条件!だから日頃からいろんなところに連れ出して、いろんな人と接する機会を作るというのもとっても重要な要素になります♪
朝から晩まで息つく間もない子育て。ママの心がいっぱいいっぱいになる前に、フランスママたちの上手なリフレッシュのための「サボり」をマネしてみてくださいね!
Have a try!
□サボるときに助けてくれる人は誰か考えてみる。
□夫に「デートしてみよう」と言ってみる。
□大人だけで行くレストランを予約してみる。
「国が変わるとこんなに違うの?!」とビックリするほど違うフランスの夫婦の関係や出産や子育て事情。どれが正しいということではないけれど、違う考え方の違う文化をちょっと知るだけで少しだけ気持ちが楽になったりするのでこれからもフランスのママンたち情報を色々お届けしたいと思っていますのでどうぞお楽しみに!
撮影・取材・文/とのまりこ
パリ在住16年フォトエッセイスト。『ほぼ日刊イトイ新聞』などウェブでの連載の他『パリのお散歩ガイド』(翔泳社)など著書多数。フランス雑貨のお店『ぼわっと』を構えパリと東京を行ったり来たりしながら2歳になる男の子「寝ないモンスター」の子育てに奮闘中。