北斗晶さん「子育てひと段落。鬼嫁キャラの私が美容に目覚め、コスメをプロデュース。目指すは〈キレイなおばちゃん〉!」
2021/09/08
人気と実力を兼ね備えたヒール(悪役)女子プロレスラーとして活躍したのち、現在はテレビのバラエティ番組でおなじみのタレント北斗晶(ほくとあきら)さんは54歳。同じく元プロレスラーで現在はタレントの佐々木健介さんと昨年(2020年)結婚25周年を迎え、息子は22歳と18歳に。子育てがひと段落し、「心と時間を自分に使えるようになってきましたね」と話す北斗さんが、意外な分野に進出。それは、「コスメのプロデュース」! 「鬼嫁」のニックネームとは裏腹なプロジェクトを、しかも自らの「持ち込み企画」で実現した北斗さんに『サンキュ!』が独占インタビュー!
母はほぼ卒業だけど、私の人生はまだまだ続く。
――タレント活動と子育てを両立してきた北斗さん。ブログやインスタから伝わる、家族仲の良さも印象的です。今春、二男君が高校を卒業され、北斗さん自身に変化はありましたか?
【北斗さん】変化に次ぐ変化ですねーー。31歳で長男を授かって以降、息子たちに注いできた心と体と時間が20数年ぶりに自分に戻ってきた感じ。生活のサイクルが激変しましたね。息子たちが学校に行っていた頃は、PTAの役員活動なんかもガッツリやってましたし。
長男が高校を卒業してカナダに留学したときは「今生の別れ」みたいな気持ちになって、大泣きしたんです。長男を送り出してからは、心にぽっかり穴があいてね。子どもが高校を卒業したら、子育てはだいたい卒業なんだって思い知りました。
二男の高校卒業を前に、新しい家族が産まれたんです。ブルドッグのきょうだいで、男の子は田(でん)、女の子は鈴(りん)。もともといる2匹に加え、合計4匹に。息子の子育てが一段落するかしないかで、また1から子育てしてます!(笑)
コロナでさらに時間が出来た。鏡で自分をじっくり見たら、あ、老けた……
――息子さん2人が手を離れて、ワンちゃん2匹が新たに加わって。他にも変化が?
【北斗さん】さらなる変化は、コロナ禍で仕事が相次いでキャンセルになり、時間ができたことですね。1回目の緊急事態宣言の頃は、来る日も来る日もオフでしたから……。
そんなある日、ふと鏡で自分の顔をじっくり見たんですよ。54歳という年齢相応のたるみがあるのはわかっていましたが、いつのまにかシミが増えてて、そして何より、肌が水分を失って砂漠みたいにパサパサ。……年齢を痛感しましたね。
だけど私は人生折り返し地点で、母としてだけでなく、ひとりの女性としてもまだまだ生きていく。だからちょっとでもキレイに見せたい。若見えとかはどうでもよくて、「キレイなおばちゃん」になりたい!って思ったんです。
そこでまた考えて、「手間も時間もかけず、化粧の技術がなくても、おばちゃんをキレイに見せるコスメをプロデュースしてみたい!」とひらめきました。
――「キレイなおばちゃんになりたい!」の思いがコスメのプロデュースに繋がるとは、
すごい発想と行動力ですね
【北斗さん】職業柄メイクしていただく機会が多く、メイクさんが使っているファンデをあれこれ試してきたんですが、「これだ!」と思えるものがなかなかなかったんです。つけた直後はいい感じなのに、時間が経つと浮いてきたり、肌色が不自然だったり。いっぽうナチュラルすぎる仕上がりの物は50代の肌のシミは隠してくれないし。でも、「キレイなおばちゃん」になるには、とにかく肌が大事。今さら顔のパーツを変える気はないけど、肌さえ整っていればどうにかなる! それで、私が本当に使いたいと思えるファンデをイチから作ろうと。
私の理想はこんなファンデでした。
1.ナチュラルメイクじゃなくてシミやくすみをしっかり隠してくれるカバー力がある
2. テクニックがなくてもきれいに仕上がる
3.ササっとと短時間で化粧が完了
4. 化粧下地や日焼け止めやコンシーラーを使わなくても1つで完結する。
そして、
5 .時間が経ってもカサカサせず、潤いとツヤがある
そこで思い出したのが、女子プロレスラー時代、遠征先のメキシコで出会った「ウチワサボテン(現地語でノパール)」。メキシコの強い日差しや乾燥、寒暖差に負けず、葉の内側に水分やミネラルをたっぷり蓄えるサボテン。この生命力を借りて、砂漠化した肌にうるおいとツヤを取り戻すファンデを作れないかな?と考えました。
メキシコ遠征時代に出会ったサボテンで、肌の砂漠化を食い止められたら
――サボテンの力を借りたファンデとは面白い着想! でも実際、商品化するのは難しそうですね。
そうなんですよ。実は私のなかには、サボテン化粧品のアイデア自体は10年前からあったんです。1人でいろんな化粧品を試したり、容器なんかも自己流でリサーチしていたのですが、化粧品の専門的な知識などないし、作れる「つて」だってない。それに子育ても忙しかったので、「いつかは形にできたらな~」と思いながら、胸に秘めていたんです。
そして今春、ついに子育ては一段落。しかもコロナ禍で時間はたくさんある! それで本気でサボテン化粧品に取り組むことにしました。私1人で化粧品を開発するなんて無理だとわかっていたので、化粧品のプロを集めたプロジェクトチームを作ろう!と思い立ちました。
そこで、化粧品メーカーで長年活躍するベテランの知人に、私の構想をプレゼン。サボテン化粧品のコンセプトやを面白がってくれた知人はプロジェクトメンバーを集めてくれ、「北斗さんの持ち込み企画」として「サボテン化粧品」の開発がスタートしました。ブランド名は「ウチワサボテン」の現地語「ノパール」を覚えやすく省略した「nopa(ノパ)」。このネーミングは「サボテン化粧品」を構想し始めた10年前に思い付き、心のなかでずっと温めていたものです。
――開発のエピソードを聞かせてください。
【北斗さん】大人の肌を潤わせるファンデにサボテンの力を借りる。この発想は画期的!と自信がありましたが、実際はほんとに難しくて……。サボテンの成分を劣化させず輸送に適した粉末にするのが最初の関門。サボテンのエキスを配合しながら、ファンデとして使いやすいテクスチャーや発色、もちの良さを実現するのも、険しい道のりでした。サボテンってアロエに似ていて、アロエを配合したコスメはたくさんあるのに、サボテン配合のコスメは見たことがない。その理由がわかった気がしましたね。
開発は難産でしたが、「サボテン化粧品」を面白がってくれたプロジェクト・メンバーの執念が実り、ついに今夏、「nopa マイベストカラーファンデーション」と「ルースパウダー」が誕生。私の「こんなファンデが欲しい!」の妄想が全部盛りの自信作です。7月からnopaの公式サイトや楽天で販売中。ゆくゆくはスーパーやドラッグストアなど、主婦の方に身近なリアル店舗でも売るのが目標です。
――ファンデーションの特徴は?
【北斗さん】肌に塗った瞬間にファンデーションに変身する生感覚ファンデーション。最大の特徴はツヤ感とカバー力です。
シミやくすみ、色ムラをカモフラージュする白色クリームに、赤・黄・黒のカラーカプセルが絶妙なバランスで配合されていて、肌になじませるとカプセルがはじけ、自然な肌色に変化します。コンシーラーやコントロールカラーを使わなくても、大人の肌の悩みがしっかりカバーできます。
サボテンエキスをはじめ19種の美容成分を配合しているのも自慢。備えた機能は「「保湿美容液」「日焼け止め」「化粧下地」「コントロールカラー」「コンシーラー」「ファンデーション」と1本で6役! 仕事や家事、子育てと忙しい朝も、これ1本でお肌が整いますよ。
――子育てほぼ卒業からの、コスメのプロデュース。北斗晶さんの挑戦は、まだまだ続きますね。
【北斗さん】はい、まだまだ挑戦しますよ~!
「nopa」のプロジェクトはほんとに、発見と勉強の連続。私1人で頑張るのではなく、いろいろな得意分野をもったプロたちとチームをつくって形にするというのも、私には初めての挑戦でしたしね。
今後はアイテムをもっと増やし、ゆくゆくは「北斗晶プロデュース」の看板もはずした「大人のための化粧品ブランド・nopa」として、日本中どこにでも目にする存在に育てていきたいんです。私の人生まだまだこれから。老け込んでいるヒマはありません!
Profile
北斗晶
1967年7月13日生、埼玉県出身。2002年女子プロレスを引退し、夫・佐々木健介のプロレスマネージャーとしてセコンドにつき活躍。その後、主婦タレントとして人気を博す。料理と裁縫が得意で、愛犬家としても知られる。