生理の微妙な不調。これって更年期の始まりですか?放っておいても大丈夫?

2022/11/24

『サンキュ!』世代は、更年期によるからだの変化をもっとも感じ、体調の波が激しい時期。生理と更年期のメカニズムを理解して、軽やかに乗りこえていきましょう!更年期診療のスペシャリストのアドバイスは必見です。

<教えてくれた人>
更年期診療のスペシャリスト
女性泌尿器科専門医 関口由紀さん
更年期以降も女性が元気できれいであることを全力でサポート。女性ホルモンや下半身トラブルに関する著書も多数『女性のからだの不調の治し方』(徳間書店)。

閉経までのロードマップ(女性ホルモンの減少イメージ)

頭痛に苦しむ中年女性
maruco/gettyimages

【35歳】ビフォア更年期
女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が少しずつ減少。

【42歳】プレ更年期
プレ更年期に突入!疲れ、白髪、シミなども症状の一つ。

【45歳】更年期(閉経の前後5年間のこと)
女性ホルモンの分泌が急減し、いろいろな不調が出始める。

更年期の主な症状
●腰痛、関節痛、肩こり
●不眠
●尿モレ、頻尿
●シミ、シワ、白髪、薄毛
●ほてり、のぼせ、動悸
●イライラなどメンタルの乱れ

【49歳~51歳~55歳】アフター更年期
閉経は51歳プラスマイナス5歳!閉経前後の2年間は絶不調になりがち。
アフター更年期はメンタルが安定!骨粗しょう症や動脈硬化に注意。

【36歳】生理前になるとイライラして、ちょっとしたことで子どもを怒ってしまい自己嫌悪。イライラを軽くできますか?

(サヨさん 岐阜県)

A.甘い物を食べすぎない&体を軽く動かして

屋外で運動する若い日本人女性
west/gettyimages

生理前は黄体ホルモンが増加するため、多くの人が体のだるさを感じます。また、代謝が下がり、むくみやすくなるので、甘い物や加工食品を控えて、野菜や果物などミネラル豊富な食品を食べて。散歩など軽い運動で心身の養生を。それでもつらいときは婦人科で相談を。

【38歳】生理の2日目、3日目の量が多く、1時間ごとにトイレに行かないと心配なほど。これって普通?

(じょるびさん 高知県)

A.量が多いのは悪いことではありません。ただ病気の可能性もあるので、気になったら婦人科へ

経血量には個人差があり、"量が多い=悪い"わけではなく、しっかりと排卵している証拠ともいえます。ただ貧血やめまいなど、日常生活に困る症状があるなら、いちど婦人科を受診しましょう。子宮筋腫や子宮内膜症といった病気が隠れている可能性があります。

【43歳】生理の量が多いときと少ないときがあって困ります。もしや更年期の始まり?

(メイさん 千葉県)

A.生理周期や量の乱れは、始まりのサイン

女性の健康、婦人科、生殖器系の概念。
Elena Nechaeva/gettyimages

更年期は閉経を挟んだ前後5年間を指し、閉経してみないといつが始まりだったか分かりません。一般的に量や周期の乱れは、卵巣機能の衰えによるもので、更年期スタートの大きな目安です。これまで以上にたっぷりの睡眠とバランスの良い食事を心がけて。

【44歳】人よりも初潮が早かったので、閉経も早くきますか?早く終わっちゃうのは何だかさみしい

(まりこんどるさん 埼玉県)

A.初潮と閉経の年齢に関連性はありません

昔の女性の初潮年齢は15、16歳でしたが、今はどんどん早くなっていて10歳くらい。それでいて今も昔も閉経年齢はほぼ変わりません。このことから、初潮と閉経の年齢は関係がないといわれています。出産経験の有無も関係なく、いつ閉経するかは個人差が大きいです。

【45歳】不眠、のぼせ、イライラと更年期症状のオンパレード。HRT(ホルモン補充療法)を勧められたけど、怖くないですか?

(桃色吐息さん 大阪府)

A.怖くないし、保険も適用されます。骨粗しょう症などの予防としても使えるんです

更年期になると女性ホルモンが乱高下しながら減っていき、最後に閉経を迎えます。その波を女性ホルモンで補って、なだらかに着地させるのがHRT。ホルモンの量は低用量ピルよりずっと少ないですし、保険診療が使えます。肌のツヤが良くなるなどのメリットも。

体質に合わせて付き合い方を考えよう!

●サプリ・アロマ
エストロゲンに似た働きをするエクオールのサプリや更年期症状を緩和するゼラニウムのアロマオイルなどを生活に取り入れるのも手。症状が軽めの人におすすめ。

●漢方薬
漢方治療はHRTと並ぶ代表的な治療法で、多くの婦人科で取り扱っています。イライラや頭痛、不眠などメンタル系の不調に特に効果を発揮すると言われ、保険が使えるのも魅力。

●ミレーナ
子宮に入れる約3cmのT字型のリング。避妊目的で使われることが多かったのですが、月経量を減らし、月経痛を軽減できるため、今は月経困難症の保険適用に。最長5年装着できます。

●HRT
(ホルモン補充療法)
エストロゲンをごく少量、服用や塗付により補充する方法。のぼせ、動悸、ホットフラッシュなどの症状に効果的。骨を強くする、血管を柔らかくするという働きもあります。

【48歳】更年期症状が重い人と軽い人の差って何?

(miwさん 東京都)

A.これまで無理してきた人は更年期症状が重い傾向が。体をいたわってあげましょう

本を読む魅力的なアジアの女性、
miya227/gettyimages

更年期は二度目の人生の始まり、リボーン(生まれ変わり)でもあります。これまで無理をした人は更年期症状が重い傾向があるので、自分をいたわって。とにかくストレスを溜めないことが肝心!頑張り屋は卒業し、好きなことをする時間をもちましょう。

【52歳】閉経すると、骨が弱くなったり悪いイメージ。いいことって何かあるんですか?

(るみさん 愛知県)

A.安心して!いいことも多いです

出産は大変ですし、毎月の生理も体には大きな負担に。閉経することでそれらの負担から解放されます。さらに思考はクリアになるし、メンタルも安定……心も体もぐっとラクになります。ただ、骨はもろく、血管は硬くなりやすいので、体のケアは欠かさずに。

閉経した先輩に聞いた"快適"という声!

●生理前のイライラがすべてなくなった
●夏、生理で蒸れる不快感から解放された
●生理痛がなくなり、体調も安定した
●着る服も自由、大の字で寝られて楽

参照:『サンキュ!』2022年12月号「体と見た目の悩み解決スペシャル」より。掲載している情報は2022年10月現在のものです。構成/岡部さつき(風讃社) 取材・文/宇野津暢子 編集/サンキュ!編集部

 
 

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