スティッククリーナーが安く買える時期はいつ?買いどきと選び方、おすすめを家電の専門家が解説
2020/03/21
時期によって価格が大きく変動することもある生活家電。家計をやりくりする主婦としては、できればいちばん安いタイミングで買いたいものです。そこで、家電コーディネーターの戸井田園子さんに、家電の種類によって異なる、安く買える時期を解説してもらいます。
今回は「スティッククリーナー」が安く買える時期についてです。
スティッククリーナーのトレンドはパワーor手軽さ
掃除の時間をしっかり設けて一気にやる「まとめ家事」よりも、気がついたタイミングで小まめにする「チョイ家事」が支持されている昨今。そんな世の中の掃除スタイルにマッチしているのが、パッと取り出しサッと掃除ができるスティッククリーナーです。
以前は、集じん力が頼りなかったり、バッテリーのもちが短すぎたりといった理由からサブクリーナーとして扱われることが多かったですが、現在はその評価も一変。各社とも技術開発が進み、キャニスター型に並ぶほどの集じん力を実現し、バッテリーも長時間利用が可能となり、メインクリーナーとして活用されることも増えてきました。新商品も続々と登場しており、活気づいている家電ジャンルのひとつとなっています。
価格は数千円代~8万円台までと幅広いですが、低価格帯の多くはコードつきのタイプ。コードレスタイプになると1万円前後~という価格設定になっています。
そんなスティッククリーナーのトレンドは大きくわけて2つ。メインクリーナーとして使える吸引力、バッテリー持続を実現するパワータイプと、スティックの手軽さを追求した軽量タイプです。
パワータイプの特徴
メインクリーナーとして使いたい人向け。集塵力を高めるためにパワフルなモーターを搭載し、長時間使用も可能となっている。一方で、モーターや充電池をパワフルにするため、本体が大きく重めになっている。
軽量タイプの特徴
毎日手軽に使いたい人向けで、本体総重量1.5kg以下のもの。取り回しがよく手軽に使えるのがポイントです。メインクリーナーとしても使えますが、どちらかといえば日々のチョイ掃除向き。高いところや階段の掃除もしやすいと支持を集めています。
スティッククリーナーが安く買える時期はいつ?
家電製品は、新製品が発売になるタイミングで、前年度モデルの価格が底値になります。また、家電の新製品発売タイミングはジャンルによってある程度決まっているので、それを参考に底値のタイミングを予測することが可能です。
しかし、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどに比べるとスティッククリーナーは新しいジャンルの製品なので、新製品の発売時期はまちまち。ほぼ毎月のように、五月雨式で何かしらの新モデルが発売されているので、機種・メーカーによって底値になるタイミングは異なっています。
なので、いま販売されている最新モデルを底値で買いたい場合は、新モデルが登場する(可能性が高い)1年後が底値タイミングの目安。
また、スティッククリーナーは新しいジャンルだけに、今までにないタイプの商品が発売されることも少なくありません。「どうしても最新モデルを最新のタイミングで買いたい!」というかたは、せっかくなら新タイプのものを買ってみるのがいいかもしれません。
スティッククリーナーを選ぶ・購入する際にチェックすべきポイント
ここからは、スティッククリーナーを選ぶ・購入する際にチェックしておきたいポイントについて、詳しく解説していきましょう。
ポイント1:コードつき or コードレス(充電式)どっちにする?
スティッククリーナーには、コードつきと充電式のコードレスタイプの2種類があります。それぞれの特徴は以下のとおりですが、現状コードつきに関しては製品数が少なく、廉価モデルが中心。サッと使いたいなら、コードレスを選ぶのがおすすめでしょう。
コードつきタイプの特徴
コンセントから直接電源コードをつないで使用するタイプで、パワーがあり時間制限なく使用できる。また、価格が安いのもメリット。一方、コードがあるため移動範囲に制限があり、コンセントの差し替えが必要&コンセントがないところでは使用できないというデメリットも。
コードレス(充電式)タイプの特徴
現在、スティッククリーナーの大半はコードレス。充電台or本体の充電池を充電し作動するタイプで、コードがないのでどこでも使えて手軽なのが魅力。狭いところや階段などコードが邪魔になり掃除がしにくい場所には、コードレスが便利です。
一方、使用前に充電が必要で、連続使用の時間が限られるというデメリットもありますが、近年はメイン掃除機としての利用想定したハイパワーのコードレスタイプが増えていて、連続使用時間も40~60分程度と、デメリットを克服しているものも。
ポイント2:本体重量は購入前に必ずチェック!
スティッククリーナーの本体重量は500g~4kgまでと幅広く、「軽さ重視タイプ」と言われるものは1.5kg以下の製品が多め。この重量であれば、女性の力でも取り回しやすく、高いとこにも持ち上げられます。気がついたときにサッと使えることを重視するなら、本体重量2kg未満のものから選べば、利用時のストレスは少ないでしょう。
2kg以上になると、パワーを重視するタイプが増えてきます。吸引力や連続使用時間の長さをウリにしているので、メインクリーナーとして家中しっかり掃除をしたいなら、こちらが向いています。
ただし、2.5kgを超えると、男性でもかなり重く感じるので、本体重量は購入前に必ず体感しておくようにしましょう。
ポイント3:紙パック or サイクロンどっちにする?
集めたゴミをどう集約するのかもチェックポイントのひとつ。選択肢は紙パックとサイクロンの2択ですが、前者を採用しているスティッククリーナーは少ないです。
紙パック式の特徴
スティッククリーナーに紙パック式は少ないため、選べる機種は必然的に絞られてきますが、溜まったゴミを紙パックごと捨てられるのはとってもラク。また、手を汚すことなく細かなホコリの舞い上がりも少ないため衛生的です。ただしコスト面では、紙パックの費用が追加で必要になります。
サイクロン式の特徴
スティッククリーナーの主流はサイクロン式。ダストカップに直接ゴミがたまるので、紙パックの購入が不要で、ランニングコストはかからないのがメリット。また、ワンタッチでゴミ捨てができるタイプが大半で、捨てにくいということは少ないですが、機種によっては細かいホコリの舞い上がりがあることも。ただし、最近は溜まったゴミを圧縮するタイプも増えてきています。いずれにしても、ダストカップの構造により、ゴミ捨ての方法は異なるので、事前の確認を忘れずに。
直接ゴミがたまるため、ダストカップの掃除は必要。丸洗いできるタイプも増えてきていますが、お手入れは欠かせません。また、サイクロン式の構造上、排気をろ過するフィルターが設置されているなど、定期的に手入れの必要なパーツがどの程度あるのか、しっかり確認をしましょう。
メーカー別スティッククリーナーの特徴&おすすめ
ここからは、メーカー別にパワータイプと軽量タイプ、それぞれで人気の高い製品をご紹介(2020年3月時点)。なお、文中の重量や使用時間に関しては、すべて製品サイトの仕様情報を参考にしています。
また軽量タイプ、パワータイプの分類については、メーカーが公式に謳っているものではありません。それぞれのスペックを鑑みたうえで、筆者が独自に分類したものとなっています。
「ダイソン」のスティッククリーナー
【軽量タイプ】DysonV8 Slim Fluffy
・本体重量/2.15kg
・連続使用時間/最長40分
スティッククリーナーのブームを起こした、パワー重視の代表格でもある「ダイソン」。その「ダイソン」が、パワーを維持しつつコンパクトサイズに展開したのがこちらのモデル。従来モデルより40%小さくなったヘッドや短くなったパイプなど、日本人の体型にあった日本限定仕様で、非常に使いやすいです。「ダイソンは重い・大きい」と敬遠していた人に、ぜひ試して欲しい商品。
【パワータイプ】Dyson V11 Fluffy
・本体重量/2.72kg
・連続使用時間/最長60分
毎分12万5,000回転を実現し、新しい3段階ディフューザーを採用した、ダイソンのコードレスクリーナーの最上位モデル。前モデルより吸引力が25%向上した一方、運転音は11%低減しています。メインクリーナーとしての利用にも不安がありません。
吸引モードを選ぶと、あと何分使用できるかわかるインジケータが新たに追加されたのも便利。スタンド同梱になり、壁に釘打ちする必要がないのもうれしいポイントです。ただし、パワータイプの代表格だけあって、かなりボリュームがあるので購入前に置き場所をキープしておきましょう。
「パナソニック」のスティッククリーナー
【軽量タイプ】POWER CORDLESS(パワーコードレス)<MC-SB30J>
・本体重量/1.6kg(標準質量)
・連続使用時間/最長約25分
新小型モーターの採用で、軽さとパワフルな吸引力を両立。持ち方によって持つ位置が変えられる「マルチグリップ」で、操作性がラクのもポイントです。すっきりとしたデザインも魅力的で、本当に軽くて使いやすい!「パナソニック」はスティッククリーナーのラインアップが豊富ですが、本モデルが筆者イチオシです。ダストボックスは水洗い可能なので、清潔性も問題なし。
【パワータイプ】POWER CORDLESS(パワーコードレス)<MC-SBU830J/MC-SBU630J>
・本体重量/2.4kg(標準質量)
・連続使用時間/最長約90分
「ハイパワーモーター」と「高電圧&大容量バッテリー」の搭載で高い吸引力を実現しています。パワー優先の「強」モードと、時間優先の「ロング」モードで、使い分けも可能。
ゴミの有無が見える「クリーンセンサー」や「パナソニック」の定番人気機能、ワンタッチで隙間ノズルになる「親子ノズル」搭載なども搭載していて、使い勝手も◎。ダストボックスも水洗い可能です。スタンドつきで、かなりのボリュームになるので事前に確認をしておきましょう。
「シャープ」のスティッククリーナー
【軽量タイプ】RACTIVE Air(ラクティブエア)<EC-VR3SX>
・本体重量/1.3kg(標準質量)
・連続使用時間/最長64分
とにかく軽量で、取り回しがしやすく、先端のヘッドも小さく持ち上げやすいので、高いところもラクに掃除できます。着脱式バッテリーで充電はどこでも可能。コンセントがないところでも本体を収納できます。プレミアムパッケージモデルの「EC-VR3SX」なら、充電池が2つ同梱しているので、ひとつ目の充電が切れても安心。ちなみに、スタンダードモデル「EC-VR3S」との違いは、付属品の数です。
T字ノズルを取り外しても垂直に立っていて着脱しやすい「スグトルブラシ」や、手を離すだけで運転オフになる機能など、細かい配慮もされていて使い勝手がよいスティッククリーナーとなっています。
【パワータイプ】RACTIVE Air(ラクティブエア)Power<EC-SR3SX>
・本体重量/1.9kg(標準質量)
・連続使用時間/最長120分
軽量タイプで人気となったラクティブエアの、パワーアップ版。大風量高圧3Dファンモーターと高電圧25.2Vバッテリーを装備し、ハイパワーに自走アシスト機能で、本体が重い分操作性を軽くしています。収納スタンドが同梱していて、そのほかの細かい使い勝手は、ラクティブエアといっしょ。こちらもプレミアムパッケージモデルと、スタンダードモデルがあります。
「日立」のスティッククリーナー
軽量タイプ:ラクかるスティック<PV-BFL1>
・本体重量/1.4kg(標準質量)
・連続使用時間/最長約45分
重量の軽さに加えて、ウリである「自走コンパクトヘッド」のおかげで、さらに軽快な操作性を実現。延長パイプ・ヘッドを外したハンディ使用時は、1kg未満の重量となっています。ダストボックスは丸洗い可能で、ヘッド内の毛ブラシも水洗いOK。ヘッド部分だけを格納する背の低いスタンドで自立できるので、収納もしやすいです。
【パワータイプ】パワーブーストサイクロン<PV-BH900G>
・本体重量/2.0kg(標準質量)
・連続使用時間/最長約60分
豊富なアタッチメントで「立体おそうじ」を提案するスティッククリーナー。かゆいところに手が届くノズル類で、隅々までそうじがしやすく、自走式のパワフルスマートヘッドで、操作性の軽さも実現。T字ノズルの全面にはLEDがあるため、暗いところでもホコリが見えやすいのも魅力。ダストボックスのゴミが圧縮され、ワンタッチで飛び出す仕組みでゴミ捨てもラクです。スタンダードモデルの【PV-BH500G】は、付属品の数が異なります。
「東芝」のスティッククリーナー
【軽量タイプ】TORNEO V<VC-CL1600>
・本体重量/1.8kg(標準質量)
・連続使用時間/最長約35分
モーター、サイクロン部、バッテリーの配置を考慮した設計で、持ちやすく握りやすい重量バランスになっています。自走式ヘッドで操作性はかなりラク。吸い残しを減らすゴミセンサーの搭載や、ゴミ捨て時の舞い上がりを少なくするゴミ圧縮機能の搭載もうれしいポイントです。T字ノズルの回転ブラシやダストボックスなど、ほぼ水洗いできて清潔が維持がしやすいのも特徴。付属品が異なるスタンダードモデル【VC-CL600】もあります。
「三菱電機」のスティッククリーナー
【軽量タイプ】iNSTICK ZUBAQ<HC-JD1J>
・本体重量/1.9kg(標準質量)
・連続使用時間/最長約40分
ワンモーションでスティックにもハンディにもなる独自の機構。赤ちゃんを抱いていても片手でそうじができると好評です。スタンド一体型で見た目がよく、出したままでも生活感が出ないのも魅力のひとつ。豊富なノズル類で隅々まで掃除ができ、またモーターが上向きについているので、床にぴったりくっつけて低い家具の下もラクラク掃除できます。
風でホコリなどを吹き飛ばす「エアブロー」機能は、サッシの溝や外まわりのそうじに便利。T字ノズルの毛ブラシに絡んだ髪や糸くずが一発で取れる「毛がらみ除去機能」は秀逸のひと言!
「シャーク」のスティッククリーナー
【軽量タイプ】EVOPOWER Plus<W35P>
・本体重量/820g(標準質量)
・連続使用時間/最長約24分
メインクリーナーとして家中OK!というタイプではないですが、圧倒的な軽さで、ちょっと気になるホコリがあるときに使いやすいスティッククリーナー。吸引力もフローリングであれば問題なし。掃除機には見えないデザインも好評で、テレビの横でも出したままにできるほどキレイです。コードレスクリーナーを毎回しまうのが面倒で出しておきたいけど、生活感を出したくない……という人におすすめ。
「アイリスオーヤマ」のスティッククリーナー
【軽量タイプ】極細スティッククリーナー モップ付き<IC-SLDC11>
・本体重量/1.4kg(標準質量)
・連続使用時間/最長約30分
コードレススティッククリーナーでは珍しい紙パック式。静電モップ搭載で、掃除機をかけながらモップでホコリを取れるのがユニークです。モップは収納ケースから出すと静電気が起きて帯電し、ホコリが吸着しやすくなるという仕組み。モップについたホコリは、充電台で吸い取ることができるといった細かい仕掛けなど、アナログな印象もありますが、いろいろ配慮が行き届いていて、使い勝手のよい1台となっています。
「ツインバード」のスティッククリーナー
【軽量タイプ】サイクロンスティック型クリーナー<TC-E181W>
・本体重量/1.8kg(製品のみ)
・連続使用時間/ACコード式
「ツインバード」は給電タイプのスティッククリーナーが豊富にそろっています。給電タイプなので時間を気にせず使え、ハンディにもなる2Way仕様で、家中の掃除が可能です。5,500円(公式オンラインストア価格)と、お手頃価格なのも魅力です。
◆監修・執筆/戸井田 園子
性能・コスト・デザインなどを総合的に判断し、製品選びに役立つ情報を発信する家電コーディネーター。総合情報サイトAll Aboutの家電ガイドを始め、雑誌、テレビ、ラジオなど数多くのメディアで活躍中。