【閲覧注意】夏休みは特に気を付けて!身近に潜む全国危険生物図鑑

2016/08/06


夏になると、スズメバチやらデング熱を媒介する蚊やら、怖い生き物のニュースが目立ちます。でも、何が危険なのなか? どこにいるのか? 出合ったり刺されたりしたらどう対処すればいいのか? 知らないことがいっぱいあって、怖くてたまりませんよね。そこで、特に気をつけたい危険生物の特徴と対処方法を、一挙にご紹介いたします! 被害の大半は“知らないこと”が原因。まずは知ることで、危険生物がいる場所を避けたり、目で確認してさわるのを防いだりすることができます!

【海岸・砂浜編】

「カツオノエボシ」
別名は「電気クラゲ」。(見た目は青いビニール袋。触手は最長20mにもなる)
触れた瞬間に毒針を発射。呼吸困難を起こすことも。
生息地:本州以南の海
見つけたら:海に入らない。浜辺に打ち上げられていても絶対に触らない。
刺されたら:タオルやゴム手袋をはめて触手を除去し、患部をこすらず海水で洗い流す(真水はNG)。その後幹部を50℃のお湯に浸すか冷水で冷やすかして、病院へ。

「アインボナ」
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きれいな見た目と違い、とても危険な巻貝。(体長10~13cm。灰色や赤褐色の模様がある)
刺されたら20分以内に歩行ができなくなるので、水中で刺されると溺死の原因にもなります。
生息地:紀伊半島以南の岩礁やサンゴ礁
見つけたら:猛毒の歯舌(しぜつ)をモリのように出してくるので、絶対にさわらない! マリンブーツなどで足を保護しましょう。
刺されたら:体が動かなくなり溺れるので、1人で泳がずすぐに助けをよぶ。歯舌を抜き取りすぐに陸へ上がり、患部と心臓の間を縛って即救急車で病院へ。


「アカエイ」
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踏んでしまう事故多発。(全長1~2m。細長い尾に毒のトゲがある)
尾が刺さると激しく痛み、発熱や下痢、失神なども。
生息地:本州中部以南の沿岸部
見つけたら:浅瀬の砂地に隠れていることが多いので、マリンブーツなどで足を保護。触らない。
刺されたら:患部を洗い流し、トゲをペンチやピンセットで抜き取る。患部を50℃のお湯に浸す。ショック症状が出たら病院へ。


「ヒョウモンダコ」
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生息域が拡大中。(10cmほど。危険を感じると体が鮮やかなヒョウ柄になる)
かまれると脱力感や嘔吐、呼吸困難に。
生息地:房総半島南の浅い海の岩礁、サンゴ礁
見つけたら:近づいたりさわったりするとかまれるので、絶対にさわらない
かまれたら:毒は危険なので、決して口で吸いだそうとしないこと。患部と心臓の間を圧迫し、すぐ病院へ。


「ガンガゼ」
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踏むとトゲがささって激痛。(紫黒色で長い針のようなトゲをもつウニの仲間)
刺さると傷口が晴れて化膿。トゲは体内の残りやすい。
生息地:房総半島以南の岩礁、サンゴ礁
見つけたら:気づかず踏みつけることのないようマリンブーツなどで足を保護。近づかない。
トゲが刺さったら:傷口を洗い消毒する。トゲは非常に細くて折れやすいので、自分で取らずに病院で処置してもらう。


「ゴンズイ」
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夜の磯釣りでよく釣れる。(体長20~30cm。茶褐色の体に2本の黄色い線がある)
生息地:本州中部以南の沿岸の浅い岩礁、港湾
見つけたら:タオルなどを使ってもトゲを通すので、どのようにも触らず、磯釣りで釣れてしまったら、釣り糸ごと切って逃がす。
刺されたら:トゲを取り除き傷口を洗い流す。たんぱく性の毒なので患部を50℃のお湯に浸すと毒性がやわらぎ痛みも軽減する。


「オニヒトデ」
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痛さはトップクラス!(15~50cm。多数の腕を持ち、全身がトゲに覆われている)
生息地:本州中部以南のサンゴ礁
見つけたら:サンゴの下や岩陰に潜んでいるので手を入れない。マリンブーツなどで足を保護する。
刺されたら:トゲを抜き、毒をしぼり出す。傷口を洗い流し、ゴンズイ同様50℃のお湯に浸す。呼吸困難などの症状がでたらすぐに病院へ。


【家・公園編】

「セアカコケグモ」
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人家のそばにも潜む危険なクモ。(小指の先大程度。黒色で球形の腹部に鮮やかな赤い斑紋がある)
かまれると激痛。胸部の圧迫感や嘔吐も。
生息地:本州~沖縄。日当たりのよい建物の溝やすき間、排水溝の裏側。
見つけたら:直接手で触れない。巣がありそうな場所で作業するときには肌を露出せず軍手を着用する。見かけたら自治体へ連絡。
かまれたら:すぐに流水や氷水でしっかり冷やし、速やかに病院へ。


「ヒトスジシマカ(ヤブカ)」
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デング熱を媒介することもあるので注意。(黒い体に白いしま模様がある。吸血行動はメスが行う)
刺されるとかゆみ、赤みが発生。デング熱ウイルスを媒介している場合は感染すると高熱や悪寒、筋肉痛などの症状が出る。
生息地:本州以南のやぶ、墓地、公園、人家
見つけたら:肌を露出しない。防虫スプレーを使用する。
刺されたら:抗ヒスタミン剤の入ったステロイド軟膏を塗る。


「キイロスズメバチ」
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軒先や屋根裏など人家のそばに巣を作ることが多い。(体長2cm前後)
刺されると時間が経つほど痛み、重症の場合は震えや嘔吐なども。
生息地:本州~大隈諸島の平地から低山地。軒先、壁の中、床下、土の中など、どこでも巣を作る
見つけたら:巣の近くには近寄らない。香水をつけない。黒い服は着ない。見かけたら慌てて走って逃げず、ゆっくり立ち去る。巣の駆除は専門業者に依頼する。
刺されたら:指でつまむなどして毒をしぼり出し、流水で洗い、抗ヒスタミン剤の入ったステロイド軟膏を塗る。


「ムカデ」
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室内にも侵入。(体長は10~15cm。たくさんの肢と長い触覚をもつ)
触るとかまれる。激痛とはれ、リンパ節炎などを引き起こす。
生息地:本州以南の落ち葉や朽ち木、石の下など、暗く湿った場所
見つけたら:素手ではさわらず、割りばしやタオルで捕まえて外に逃がす
かまれたら:毒をしぼり出し、流水で洗い、抗ヒスタミン剤の入ったステロイド軟膏を塗る。腫れがひどければ患部を冷やす。


「イラガ」
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桜の木などに出現。(体長2~4cm。鮮やかな黄緑色のガの幼虫)
刺されると激痛が走り、患部は赤くはれる
生息地:日本全国あらゆる樹木で繁殖。バラ科やヤナギ科の葉の裏に群れて生息
見つけたら:全身のトゲから毒液を出すので、木の多いところでは肌は露出せず、見かけてもさわらない。
刺されたら:すぐに流水で洗い、トゲだ残っているなら粘着テープで取り除く。公費つた眠剤の入ったステロイド軟膏を塗る。


「チャドクガ」
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4~9月に発生。(体長25mm程度の幼虫。葉の裏にびっしりとつく)
ツバキの木につく幼虫。直接触れたり、浮遊した毒針に当たると強いかゆみや湿疹が。
生息地:本州、四国、九州のツバキやサザンカのある公園、庭。
見つけたら:毒針毛を飛ばすこともあるので、ツバキやサザンカのある植え込みには近づかない。肌を露出しない。
刺されたら:毒針毛はこすらずセロハンテープなどで取り除き、刺されたところを流水で洗い流し、冷やす。抗ヒスタミン剤の入ったステロイド軟膏を塗る。


以上!
身近な虫は家に巣を作ったり侵入してくることもあるので、ふだんからよく観察を! 磯遊びをするときは素足で歩かず、マリンブーツやスニーカーでしっかり足を守りましょう!

参照:『サンキュ!』8月号「全国危険生物図鑑」より一部抜粋 監修/横溝了一、イラスト/酒井マオリ、取材/秋山由紀、文/田谷峰子
『サンキュ!』最新号の詳細はこちら! https://39.benesse.ne.jp/library/?tkid=39news

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