今が変えどき! 年中さんの叱り方
2021/11/28
叱られても口答えしたり、何度叱られても言うことを聞かなかったり・・・。年中さんになっても、やはり叱り方には悩むものですね。今回は、年中さんならではの“叱り方”をご紹介します。
<監修者>高木紀子先生(たかぎのりこ)
●臨床心理士・公認心理師。中央大学非常勤講師。清泉女子大学非常勤講師。フォーレカウンセリングセンター所属。保育園の巡回相談なども行う。
あなたはふだん、どんなときに叱っている? 自分の“叱りポイント”をちょっと思い出してみましょう
自分の“叱りポイント”って知っていますか?「反抗するとき」「危険なことをしたとき」「乱暴なとき」・・・など、ご家庭によってさまざまですよね。でも、「とにかくいつも叱っているな」という人は、実は叱るポイントが多いのかも。「これは、本当に叱らなければいけないことだったのかな」と、ときどき振り返ってみるのも、大切なことですね。
ただ、ルールやマナーなどは、大人は当たり前と思っていても、子どもはわかっていない場合があります。そもそも子どもが理解しているかどうかを確認することも必要なことです。
みなさんは、「叱る」と「怒る」の違いを意識したことありますか? 一般的に、感情の入り方に違いがあると言われています。「叱る」は感情的にならずに冷静な言葉で注意すること。「怒る」は感情のままに言葉を発してしまうこと。わが子に対しては、ついつい感情的になってしまいがちですよね。でも、内容によっては子どもの言動を指摘して、「こうするんだよ」「○○してね」と伝えるだけで効果があるときもあります。
年中さんの今が実は変えどき! 叱り方のポイントとは?
お子さんの成長に合わせて、叱り方も変えていく必要があります。年中さんは言葉で説明されれば理解できる時期なので、おうちのかたから叱られたことを、頭では理解できているもの。でも、理解していることと実際の行動が結びつかないことが多いのです。「わかっているけれどやってしまう」という状態なのですね。そのため、一方的に叱るのではなく、まずは事情を聞いてから、必要があれば叱るということが大切です。
叱ってもお子さんが変わらないと、「どうして言うことを聞かないの?」と思ってしまったり、イライラしてしまうこともありますよね。でも、大丈夫。おうちのかたの言葉は、確実にお子さんの中に蓄積されています。「言っても聞かないから、もう叱らない」などとは思わずに、よくないと思ったことは、その都度叱ることが大切です。
年齢が上がるにつれて、自分をコントロールする力や、以前の出来事と結びつけて考える力が育っていくので、おうちのかたが叱る場面はこの先どんどん減っていきますよ。
一筋縄ではいかない年中さんの 叱り方のOK例とNG例
年少さん時代に比べて、一筋縄ではいかなくなるのが年中さん。いったい、どんな叱り方が心に届くのか、またどんなことに気をつけなければいけないのか、ご紹介していきますので参考にしてみてくださいね。
こんな叱り方がOK-1
どうすればよいかを具体的に指摘
例えば、「行儀よく食べなさい」という、漠然とした叱り方では年中さんには伝わりません。「背筋を真っすぐにしよう」「静かに食べよう」などと、具体的に言うと伝わります。
こんな叱り方がOK-2
事情を聞いてから必要があれば叱る
たとえお子さんがよくない行動をしたときでも、まずはどうしてそうしたのか事情を聞きましょう。自分の言い分を聞いてもらえると、叱られても素直に聞き入れられるようになります。
こんな叱り方がOK-3
言葉だけでなく、表情や声の強さに気をつける
「怒らないから」と言いつつ、怖い顔をしている、なんてことはありませんか? 年中さんは、表情や口調など、言葉以外のメッセージを敏感に感じ取るので気をつけてみて。
こんな叱り方がNG-1
どうすればよかったのかすぐ答えを教える
例えば「友だちに『バカ』って言われてもたたくのはよくないよ。『やめて』って言おうね」と、すぐに答えを教えていませんか? 友だちをたたいてしまった場合であれば、「どうしてたたいたの?」などと理由を尋ねて、お子さんの話を聞きましょう。すぐに答えを教えるのではなく、本当はどうすればよかったのか、お子さん自身が振り返るようにすることも大切です。
こんな叱り方がNG-2
つい必要のない言葉を言ってしまう
一度で言い聞かせようと思うと、強く叱りすぎてしまいがちです。また、「何度言ったらわかるの!」などと、子どもに聞かせる必要のない言葉を言いがち。つい出てしまう言葉を冷静なときに振り返って、必要のない言葉はなるべく言わないように心がけましょう。
こんな叱り方がNG-3
子どもの人格を責める
「たたくなんて意地悪な子ね」などとその子の人格を責めるようなことを言うと、子どもが「私は意地悪なんだ」と自分をマイナスに捉えてしまいます。お子さんがよくないことをしたときは、「たたくのはいけないよ」などと、行動だけを指摘するようにしましょう。人格を責めるような言葉は、決して言わないようにしてください。
参照:こどもちゃれんじ