水色のテーブルの背景に赤ちゃんにカラフルな木製の数字を示す若い大人の母親の手。パステルカラー。学ぶ時間。視点ショット。クローズ アップ。トップダウンビュー。

専門家が教える「全部でいくつ?」がわかるまでのステップ

2022/02/27

1から10までの数に親しんで、日常の場面からお子さんの成長を発見するポイントをご紹介します。

<お話をうかがった先生>
沢井佳子先生
さわい・よしこ/チャイルド・ラボ所長。認知発達支援と視聴覚教育メディア設計を専門とする。教育番組『ひらけ!ポンキッキ』の心理学スタッフ、静岡大学客員教授等を歴任。〈こどもちゃれんじ〉の「考える力」プログラム監修、幼児教育番組『しまじろうのわお!』監修。

「全部でいくつ?」がわかるまでには順を追った理解が必要です

数字と木製白地にカラフルなグッズ レンガと木製キューブと遊ぶ子供。幼児学習番号。おもちゃを取って子供の手。
goodmoments/gettyimages

2・3歳の今、数への興味や理解は始まったばかり。例えば、「1から30までの数を言える」というお子さんであっても、目の前にあめを置いて「何個ある?」と個数を尋ねられたとき、正しく答えられるとは限りません。
「全部でいくつあるか」がわかるには、数字の正しい並び順を覚えるほか、「いち・に・さん…」という数の名前と、目の前にあるものの個数とを対応させるなど、順を追った理解が必要です。

1から10までの数に親しむ

●1から10までの数をとばさずに数えられる
●数字と音との対応ができる

「全部でいくつ?」がわかるまでのステップ

【2・3歳】1から10までの数をとばさずに数えられる(数唱)

ホームスクーリングのための若い女の子のプレイ番号スティック
M-image/gettyimages

「1・2・3…」と、数を順番に唱えることを「数唱」と言います。数をとばさず、正しい順で言うこと(数唱)が、やがてものの順番を数えたり(順序数)、「全部でいくつ?」(集合数)がわかることにつながります。

【3・4歳】見かけにだまされず数の多少を判断する(一対一対応)

クローズアップの活気あふれる飴のボウル
Martin Barraud/gettyimages

2組の5個のあめを片方は広げて、片方はぎゅっと集めて置くと、広げた方が「多い」と思ってしまうのが3・4歳頃。手を動かして1個と1個をペアにして並べ替えることで、見かけに惑わされずに判断できるようになります。

【4歳頃~】「全部でいくつ?」がわかるようになる(集合数)

子供は、数字とアカウントに勉強しています。指定された番号に色のブロックを配置します。子供のための数学
Tatyana Abramovich/gettyimages

目の前のものを指差しながら、「1・2・3・4・5」と順番に数えた数(順序数)の最後の数「5」が、全体の個数「5個」(集合数)であることを理解します。4歳頃までに、5個までの集合数がわかっていれば十分です。

「数を理解する」ってどういうこと?

さまざまな数の概念を正確に理解することが不可欠です。

数の中にはさまざまな概念が含まれています。一番目、二番目というふうに、順番を表す数は「順序数」と言います。一方、「あめが全部で5個」といったときの「5」は「集合数」と言います。数の概念は単純ではないため、意味を正確に理解するには時間がかかるのです。

ターコイズの木製のテーブルの背景にカラフルなレンガのトップビュー。数字と算術記号。教育コンセプト
Hazal Ak/gettyimages

多くの数を言えることが数の理解ではありません。

例えば7個のあめを数えるときでも「1・2・3・4・5・6・7・8・9・10、10個!」と、10まで言ってしまうことはありませんか。それは単に「長い言葉を覚えた」だけ。多くの数を言えるからといって、数を理解しているとは言えないのです。

数に親しむためのおうちのかたの関わりって?

質問を持っている若いアジアの女性。
metamorworks/gettyimages

日常の中で数に親しみましょう

2・3歳の今は、遊ぶことで数に親しむ年齢です。かくれんぼうの鬼になったときに10まで数える、エレベーターで階数表示を見ながら数えるなど、実感を伴った体験を増やすことで、数の名前や並び方についての理解が深まります。

手を動かして理解する実感を大切に

フラットレイ、明るい色の木製レンガとそろばんのおもちゃの背景のトップビューは、テキスト、子供の開発、初期の数学のスキルの概念のためのコピースペースを持っています
yaoinlove/gettyimages

「一対一対応」や「集合数」の理解において必要なのは、具体物にふれること。「バラバラに置いても、ぎゅっと集めて置いても、数は変わらないんだ」など、実体験の中で数の仕組みを理解します。この実感をもっているかどうかが、小学校以降に算数の文章題を読むときの大きな助けとなります。

※取材時の情報です。

参照:〈こどもちゃれんじ〉

 
 

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