じめじめとした梅雨や夏の時期、気になるのが「カビ」。見た目の不快さだけでなく、健康面にも影響を与えるため、できる限り避けたいですよね。
じつは、そんなカビを防ぐために有効なのが片づけなのです。とくに、ものが詰め込まれた空間は湿気がこもりやすく、カビの温床になりがちです。
今回は、お悩みに寄り添った片づけが得意なこんまり(R)流片づけコンサルタントのいしかわひとみさんが、「ときめき」でものを選ぶこんまりメソッドを取り入れながら、家族みんなが快適にすごせる、風とおしのよい住まいづくりのヒントをご紹介します。

「カビ」の原因は“ものの詰まり”にあった
「カビ」が好む環境は、おもに以下の3つです。
・湿気が多い
・空気がこもっている
・ホコリや汚れがある
とくにクローゼットや押し入れの奥など、ものが詰まっている収納スペースは、空気の流れがよくなく、湿気もたまりがちです。気づかないうちに「カビ」が広がっていることもあります。
つまり、ものを減らし、空気が流れる空間をつくることが、「カビ」予防の第一歩です。
こんまりメソッドで叶える、風とおしのよい暮らし
「ときめくものだけを残す」ことを基本としたこんまりメソッドは、自分にとって本当に必要なものだけに囲まれる暮らしを実現します。
これは、物理的な空間に余白を生み、空気のとおり道をつくるという意味でも、「カビ」対策に非常に効果的です。
ステップ①:ものを“全部出す”
まずは収納の中身をすべて出し、空間をリセットします。これにより、こもった湿気を逃し、空気を入れ替えることができます。
ステップ②:「ときめくもの」を選ぶ
手に持った際に、好きだな、持っていると安心するなと感じるものを選びましょう。
ときめきチェックをして、ときめかないものは感謝して手放していきましょう。ものを手放すことで、そこに区間が生まれ、空気も流れやすくなります。
自分の心がときめくかどうかを基準に、ものと向き合ってみましょう。
ステップ③:収納は9割!
ものをギュウギュウに詰め込むのではなく、「立てて収納」「重ねない収納」を意識することで、空気が流れやすくなり、湿気がこもりにくくなります。
とくに、クローゼットなど衣類の収納は詰め込みすぎず、9割収納までがおすすめです。
クリーニングから帰ってきた洋服のビニールもそのままにせずに、剥がすことでカビが防げます。
また、収納の際は、たくさんの種類のものを入れ込むのではなく、仲間を意識して収納することで、探し物もなくなります。
例えば文具なら、文具関係のものを意識して集めることで、あちこち探し回る必要もなくなります。
家族の共有スペースこそ、片づけの力を
家族が使う場所、たとえば玄関・洗面所・脱衣所などのスペースは、湿気がこもりやすく「カビ」が発生しやすい場所でもあります。
・靴箱や洗面台の下は定期的に中を出し、空気をとおす。
・たくさんのストック品も、ほこりを被るとカビの原因にもなるので、必要な数、管理しやすい数に絞るのもおすすめです。
・除湿剤などを使っているかたは、除湿剤がまだ使えるかなどもチェックしてみましょう。
・洋服を室内干しする際にはサーキュレーターや除湿機などを使い、湿気を防ぐなどもおすすめです。
こうした“日々の小さな片づけ”が、結果として家族みんなの快適さを支えてくれます。
心地よさは、空気の流れとともに
片づけとは、ただものを減らすことではありません。空間に風をとおし、家の中に心地よさと安心を広げていく行為です。
湿気がこもらず、「カビ」のない空間は、家族の健康にもつながります。そして、ものが少なく風がとおる家は、心の余裕も生み出してくれます。
「カビ」を防ぐ片づけの習慣
・湿気をこもらせないために、ものは“全部出して”風をとおす
・ときめくものだけを残し、不要なものを手放す
・ぎゅうぎゅうに詰め込まず、空気が流れるような収納を心がける
・共有スペースこそ、こまめな見直しを
カビを防ぐ暮らしは、今日からすぐに始められます。まずは、1ヵ所からで構いません。
家族の健康と快適さのために、「片づけでできるカビ対策」、ぜひ実践してみてください。
■執筆/いしかわひとみ…お悩みに寄り添った片づけが得意なこんまり(R)流片づけコンサルタント。「ときめく暮らし」をテーマに、こんまりメソッドでのお片づけや日々の暮らしについて発信。2人の男の子のママ。
編集/サンキュ!編集部