「上手につくりたい」を伸ばす!手指をつかう遊びのススメ
2022/02/25
手指をつかう遊びなどで、日常の場面からお子さんの成長を発見するポイントをご紹介します。
<お話をうかがった先生>
八木紘一郎(やぎ・こういちろう)先生
元白梅学園大学こども学部教授。
子どもの発達を踏まえたうえで、将来必要な力を育てる遊びや体験を保育園などで指導している、遊びの専門家。「てゆびでアートシリーズ」の監修も行っている。
喜ばせたいと思う気持ちが「上手につくりたい」の原動力になります
お子さんが、折り紙やチラシなどで工作をして、プレゼントしてくれたという経験をおもちのかたもいらっしゃるでしょう。これは、おうちのかたに食事を作ってもらうなど、お世話をしてもらったうれしい経験をもとに、自分もおうちのかたを喜ばせたいと思うからです。「猫を作ってくれたの? かわいいね」などとうれしい気持ちを伝えると、また作ろうという気持ちが育ち、手指を使って上手に作りたいというやる気につながります。
[成長ポイント]手指を使ってちぎる・丸める・折る
●手指を使って、紙をちぎったり丸めたりする
●折り紙の角を合わせて折る
ちぎる・丸める・折るは、将来でどう役立つ?
手指の力のほか、脳が活性化し、考える力を育てる。
ちぎる・丸める・折るの動作が正確にできるメリットは数多くあります。例えば、トイレットペーパーをちぎったり、洋服をきれいにたたんだりすることが上達すれば、手早く身支度ができるようになりますし、肉団子をきれいに成型できれば、肉汁が流れ出さないおいしいハンバーグが食べられます。このように、手指の力を育てることは、お子さんの生活を豊かにすることにつながります。
また、手指を動かすことで脳は活性化し、考えが整理され、新しいアイディアも生まれやすくなります。2・3歳は脳の成長段階でもあり、この時期に工作などを通じて手指の力を育むことが、見る力や言葉を使って思考する力をも統合的に発達させる助けとなります。
工作力を伸ばす関わりとは?
1 お子さんとお世話遊びを楽しんで
一見工作力とは無関係に思えるお世話遊びは、遊びで必要な物を作るなど、工作への動機づけになります。お世話遊びでお子さんに看病をしてもらったり、食事を食べさせてもらったりしながら、想像の世界をたくさん楽しみましょう。
2 平面のカードで作りたい意欲を高めて
お世話遊びの中で道具が必要になる場面も。そんなときは、道具を作って渡しましょう。それは、紙に描いたパンやりんご、絆創膏など、平面のカードでOK。それらで遊ぶうちに、「自分でも作りたい」という意欲が湧いてきます。
3 お子さんの作りたいものを一緒に作って
ちぎる、丸める、折るの動作を取り入れながら、お子さんの作りたいものを一緒に作って遊びましょう。「半分の大きさの診察券を作りたい」など、お子さんの作りたいものが具体的になったら、はさみも与えられます。
※取材時の情報です。
参照:〈こどもちゃれんじ〉