水遊びでのびのび育てる!1・2歳の「科学の芽」
2022/03/30
1・2歳は、水や砂をコップに入れたり、こぼしたりするのが大好き!遊んでいるだけでなく、「こうしたら、どうなるかな?」と試しているのです。「こうすれば、ああなるだろう」と仮説を立てて検証することで、人は物事の規則性を知り、先のことを予測できるようになります。これは生きるために必要な科学の力。何度も同じ実験をして規則性を体得する子どもには、既に科学の芽が育ち始めています。そんな1・2歳の科学の芽をのびのび育てるために、どんな関わりをすればいいのか、専門家にうかがいました。
<お話をうかがった先生>
角屋重樹(かどやしげき)先生
広島大学名誉教授。国立教育政策研究所名誉所員。専門は理科教育・理科教育方法学。著書に『改訂版 なぜ、理科を教えるのか―理科教育がわかる教科書―』(文溪堂)など多数。
水は1・2歳の科学の芽を育てるのにぴったり!
自在に変化しては元に戻るので何度も同じ実験ができる。
水も砂も粘土も、自分の手で自在に形状を変えられるため、1・2歳が「こうしたら、どうなる?」を試すにはぴったりの素材です。なかでも水は、ひとりでに元の状態に戻るので、子どもにとっては同じ実験を何度も試しやすくなります。
五感を刺激する水は、1・2歳にとって最適な素材
水や砂の手ざわりは、子どもの五感を刺激します。特に水は手や服も汚れにくいので、おうちのかたも安心して見ていられるでしょう。科学の芽は何度も試すことで育つので、安心できる水は1・2歳にとって最適な素材なのです。
1・2歳の科学の芽はこんなふうに育っています!
1 水が流れることを見て知る → 客観
2 自分でもやってみる → 再現
3 思った通りになったことを確認する → 実証
「こうしたら、こうなる」という決まりを発見し自分で何度も確認する。
科学とは「こうしたら、こうなる」という物事の規則性を明らかにすることです。子どもはものが変化するのを見たとき、それを自分で再現して確かめようとします。これこそが科学の実験そのものです。
ただし、大人が一度再現すれば納得できることも、子どもは何度も同じ経験を繰り返さないと納得できません。「再現」と「実証」を、納得がいくまで繰り返すことで、物事の規則性を理解する「科学の芽」が育っていきます。
子どもは「再現」と「実証」を繰り返すことで規則性を理解する(=科学の芽)
※取材時の情報です。
参照:〈こどもちゃれんじ〉