フードコーディネーター 資格

「フードコーディネーター」の資格は役立つ?試験内容や取得するメリットについて解説!

2023/01/13

食の知識と食生活の提案スキルを持つフードコーディネーター。

「食の知識をつけてもっとおいしい料理をつくりたい」「食関連の仕事に就きたい」とお考えのかたも多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、フードコーディネーターの資格の取り方や勉強方法、資格に関するよくある質問まで紹介します。

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フードコーディネーターの資格とは?取得難易度やメリットをご紹介

フードコーディネーター 資格

フードコーディネーターとは基本から応用まで食の知識を身につけ、食生活を提案できる専門家のことです。

ここでは、フードコーディネーター資格の取得難易度や試験方式を見ていきましょう。

フードコーディネーターは「食」の開発や演出などに役立つ

フードコーディネーター認定試験は日本フードコーディネーター協会が主催しています。「新しい食のブランド、トレンドを創る食の開発・演出・運営のクリエーター」と定義されている資格です。

食の開発とはおもにメニューをつくる仕事で、食品メーカーの商品、飲食店・給食サービスのメニュー、家庭での弁当など対象は幅広く存在します。

食の演出は食品の見せ方を工夫すること。食関連の記事作成、飲食店などの空間コーディネート、食品の売り方の提案などが該当します。

そして食の運営はレストラン・飲食小売業、料理教室、地産地消プログラムなど店舗の運営を指します。

フードコーディネーター資格を取得するメリットは、食の知識と実践力を身につけられることです。

料理研究家などの食に関わる仕事をする際は有利に働くこともあるでしょう。

意外にもコミュニケーション能力や体力も必要

フードコーディネーターには意外にも、コミュニケーション能力や体力が求められます。

クライアントや食材の仕入れ先などの関係者とコミュニケーションを図る必要があるからです。またフードコーディネーターの勤務時間は不規則になりがちで、食材の運搬などに体力を使うこともあるでしょう。

さらにフード業界は流行の移り変わりが激しいため、取り残されないよう探求し続ける姿勢も求められます。

認定試験は3級から1級まである

フードコーディネーター資格認定試験は、3級から1級までレベル別に分かれています。
詳しい受験料や受験資格は以下のとおりです。

階級3級2級1級
取得の流れ資格試験合格1次試験→2次資格認定講座1次試験企画書審査→2次試験プレゼンテーション・面接
試験内容「文化」「科学」「デザイン・アート」「経済・経営」の幅広い問題【1次試験】「食市場の動向とマーケティング」「商品開発」「ホスピタリティと食生活のサポート」「食の表現と演出」など、フードビジネスに関わる専門知識【2次試験】オンライン講座(オンデマンド配信)・課題提出【1次試験】「レストランプロデュース」「商品開発」「イベント・メディア」より1つ選択し、企画書を提出【2次試験】企画書を使ったプレゼンテーション・面接
受験料+認定登録料12,000円+21,000円【1次試験】12,000円【2次試験】14,000円+21,000円【1次試験】12,000円【2次試験】16,000円+31,000円
受験資格中学校卒業以上【1次試験】3級資格認定登録者【2次試験】2級1次試験合格者【1次試験】2級資格認定登録者【2次試験】1級1次試験合格者

日本フードコーディネーター協会を参照

3級ではフードコーディネーターとしての「食」の幅広い知識を、2級では専門的な知識と実践的な企画力を求められます。

1級では食のプロとして活躍するための知識・技術の習得を目指します。

難易度は高い?3・2級の合格率は80〜90%

フードコーディネーターの階級ごとの合格率は以下の通りです。

階級3級2級1級
合格率70~80%84.80%(1次試験)22.58%

※合格率(2021年度)は日本フードコーディネーター協会から出ているものです。

今回独自調査したなかでは、2級2次試験の合格率は30%~60%との情報もありました。

1級は50%近い合格率の年度もありますが、平均して30%程度で推移しているようです。

また企画書やプレゼンテーションが求められることから、難易度は高いと考えられます。

全国300ヵ所以上のテストセンターで受験可能

3級試験はCBT方式。全国300か所以上のテストセンターからパソコンで受験可能です。試験範囲は「文化」「科学」「デザイン・アート」「経済・経営」で、食に関する幅広い知識が問われます。

2級の受験資格は3級の資格認定登録者であること。また3級合格後に認定登録料2万1,000円が必要です。

試験方式と出題範囲は以下の通りです(フードコーディネーター資格認定試験2級)。

試験1次試験2次試験
試験方式CBT方式オンライン講座→企画書提出
出題範囲「食市場の動向とマーケティング」 「商品開発」「レストランプロデュース」「ホスピタリティと食生活のサポート」 「食の表現と演出」「フードプロモーション」「レストランプロデュース」「商品開発」「フードプロモーション」から1つを選択

2級の2次試験はより実務的な内容となります。

1級の1次試験は企画書審査、2次試験は東京での面接

1級も受験のためには2級認定登録(2万1,000円)をしておく必要があります。

試験方式と出題範囲は以下のとおりです(フードコーディネーター資格認定試験1級)。

試験1次試験2次試験
試験方式企画書面接・プレゼンテーション(東京都にて)
出題範囲「レストランプロデュース」「商品開発」「イベント・メディア」から1つ選択1次試験の企画書を使用//18分で審査(自己アピール3分、プレゼンテーション15分、質疑応答10分)

2級と比べて覚える内容は少ないものの、高い企画力とプレゼン力が問われるため、じっくり時間をかけて対策しましょう。

勉強は日本フードコーディネーター協会指定のテキストがおすすめ

3級・2級の1次試験は協会指定のテキストから出題されるため、そちらで勉強するのがおすすめです。

また任意の試験対策講座では指定テキストをもとに講義がおこなわれます。配信期間中は何度でも視聴できますが、テキストを見ながら学習すると効率的に覚えられるでしょう。

飲食店での業務経験や食の知識があるかたも、指定テキストで出題内容を把握しておくとスムーズに回答できます。

フードコーディネーター以外の「食」に関する資格

フードコーディネーター 資格

フードコーディネーター以外の「食」に関する主な資格は以下の6つです。

  • 管理栄養士
  • 調理師
  • 食品衛生管理者
  • 食品衛生責任
  • 食生活アドバイザー

それぞれの資格の取得方法や勉強時間の目安を見ていきましょう。

管理栄養士

管理栄養士は国家資格です。おもに病気や高齢の方に、専門的な知識と技術を活かして栄養指導や栄養管理をします。

ただし管理栄養士は高校卒業後、管理栄養士養成課程もしくは栄養士養成課程のある大学、短期大学、専門学校を卒業し、「栄養士資格」を持っていることが前提です。

詳しい取得方法や費用の一例は以下のとおりです。

費用資格取得までの目安時間習得の流れ
200万円~400万円5年管理栄養士養成施設、栄養士養成施設を卒業→栄養士資格取得→国家資格合格

※2022年11月時点の情報です。

2年制の短大、専門学校に通えば栄養士資格は取得できますが、管理栄養士国家試験を受けるためには3年以上の実務経験が求められます。

かならず学校に通わなければならないため、働きながらの取得はむずかしいでしょう。

しかし病院や介護施設などで需要が高いので就職先には困らないかもしれません。

調理師

調理師として働きたい場合は調理師免許が必要です。

詳しい取得方法や費用の一例は以下のとおりです。

費用資格取得までの目安時間習得の流れ
通学:100万円以上、調理師試験受験:2~5万円1~2年調理師養成施設卒業or調理師試験合格(中卒資格と2年以上の実務経験を持つ者)

※2022年11月時点の情報です。

調理師養成学校の通学期間は1年以上と短く、卒業すれば無試験で資格取得できます。学校から就職先を紹介してもらえるため、早く調理師として働きたいかたにおすすめの方法です。

飲食店営業、魚介類販売業、そうざい製造業などで2年以上の実務経験がある場合は、通学しなくても調理師試験に合格することで資格を取得できます。

厚生労働省の調理師試験の実施状況によると、令和3年度の調理師試験の合格率は全国平均65.6%でした。しっかり対策すれば合格できる難易度だといえるでしょう。

飲食店などで需要があるため、実務経験とあわせて資格を保有していれば活躍の場は広がるかもしれません。

食品衛生管理者

食品衛生管理者は国家資格ですが、特別な試験を受けなくても取得できます。食品や添加物を製造・加工する工場、調理施設での衛生管理がおもな業務です。

医師・歯科医師・薬剤師・獣医師と、指定の大学・専門学校を卒業した人は、試験や講習を受けることなく食品衛生管理者の資格が付与されます。

上記に当てはまらない場合でも、食品・添加物の製造・加工の衛生管理の経験が3年以上ある場合は、講習を受けることで食品衛生管理者になれます。講習の期間はおよそ1カ月で、費用は30万6,000円です。

資格を取得すればすぐに就職できるわけではありませんが、需要がなくならない資格であるため、持っておいて損はないでしょう。

食品衛生責任者

食品衛生責任者は、飲食店や喫茶店などの小規模な形態で、食品の衛生管理が必要な場合に業務をおこないます。飲食店を開業する際に1名は必要です。

栄養士、調理師資格を持つ人は講習を受けなくても資格を得られるのが特徴です。また飲食店での実務経験がなくても、講習を受ければだれでも食品衛生責任者になれます。

講習会の費用は都道府県によって異なりますが、おおむね1万円程度。

ただし取得するのが国家資格に比べて簡単なため、かならずしも就職や転職に有利とは限らないようです。

食生活アドバイザー

食生活アドバイザーは、FLA(Food&Lifestyle Adviser)ネットワーク協会が発行する、食と生活に関する知識を認定する資格です。3級と2級に分かれており、1級は今のところありません。

詳しい受験費用や合格基準は以下のとおりです。

費用資格取得までの学習目安時間習得の流れ
3級:5,000円、2級:7,500円3級:2カ月程度、3級と2級ダブル受験:4カ月程度3級:試験合格(得点率60%以上)2級:試験合格(得点率60%以上

※2022年11月時点の情報です。

※学習目安参考:ユーキャン

受験資格はなく、食に興味のある人ならだれでも受けられます。

管理栄養士と異なり民間資格なので就職には有利になりにくいですが、食生活に役に立つ知識を習得できます。

食の知識を増やして、おいしい料理を作れるようになりたいかたにおすすめの資格です。

就職や転職で役立つのは「管理栄養士」

電気資格研究所JABOが実施した「食品関係の仕事で役立つ資格のアンケート」では、管理栄養士が1位で、全体の42.7%が回答しました。

国家資格であることや、医療施設や介護施設での需要が高く就職先に困らないことが理由に挙げられています。

2位には調理師、3位には同率で食品衛生管理者と食品衛生責任者がランクイン。管理栄養士と比べて就職先の選択肢は狭まるものの、「あると便利」「必要なポジション」などの理由で上位になったようです。

フードコーディネーターは7位で、「実生活でも活かせる資格」との意見が見られました。

フードコーディネーターの資格に関するQ&A

フードコーディネーターに関して、よくある質問にQ&A形式で回答します。

  • フードコーディネーターは国家資格?
  • フードスタイリストとフードコーディネーターの違いは?
  • 独学でも資格を習得できる?
  • 3級の勉強時間はどれくらい必要?

気になる項目をチェックしていきましょう。

Q.フードコーディネーターは国家資格?

フードコーディネーターは日本フードコーディネーター協会が認定する民間資格であり、国家資格ではありません。

法律的な裏づけはないため、管理栄養士や調理師と比べると権威性は低くなってしまいます。

ただし転職や就職の際に「食」の知識をアピールできるため、持っていて損はない資格といえそうです。

Q.フードスタイリストとフードコーディネーターの違いは?

フードスタイリストとフードコーディネーターの明確な線引きはありません。

フードスタイリストの試験では食の基本的な知識も問われますが、食品をおいしく見せるための食器やテーブルクロス選びなどがメインになります。

どちらも民間資格ですが、食に関する知識や技術の証明になります。食品をおいしく撮ることや盛りつけに関心の高いかたにはフードスタイリストがおすすめです。

Q.独学でも資格を習得できる?

フードコーディネーターの資格は独学でも取得できます。

3級と2級の1次試験はおもに指定のテキストから出題されるため、テキストを読みこめば十分に合格を狙えるでしょう。

ただし試験対策講座を受講すれば、より理解が深まり学習時間を短縮できます。余裕のあるかたは申し込むとよいでしょう。

Q.3級の勉強時間はどれくらい必要?

今回独自調査したなかでは、3級は2~3カ月あれば合格できるとの情報もありました。

3級は幅広い範囲から出題されますが、基本的な知識が問われるため、ある程度の勉強時間で合格が狙えると考えられます。

食関連の業務経験や知識のあるかたなら、より短い時間で合格を狙えるかもしれません。

試験はCBT方式のため、3週間の試験期間中は日程を自由に選択できます。とはいえ受験できるのは年に1回なので、計画を立てて試験対策を進めましょう。

まとめ

このページではフードコーディネーターの資格に関する内容をご紹介しました。

最後に重要なポイントをおさらいしましょう。

  • フードコーディネーターは食の知識を身につけ、食生活を提案できる専門家
  • 意外にもコミュニケーション能力と体力が求められる
  • 試験は3級から1級で、順番に取得する必要がある
  • 3級と2級1次試験はCBT方式で、全国で受験可能
  • 日本フードコーディネーター協会指定のテキストでの勉強がおすすめ
  • 食の資格でもっとも役に立つのは「管理栄養士」とのアンケート結果もある

フードコーディネーターは食の知識と技術を証明する民間資格です。

食の知識だけでなく、飲食店の空間コーディネートなどの演出や、料理教室などの運営スキルも身に付けられます。

ただし取得のハードルが低いぶん、管理栄養士や調理師ほど求人がある資格ではないようです。

しかし、食に関わる仕事をする際は有利に働く可能性もあり、フードコーディネーターは取得して損のない資格でしょう。

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