「幸せホルモンがじゅわーっと出てくる!」研究者がうさぎを飼い始めてから、実感したこと。

2022/12/15

「子どもや仕事相手には期待をしてしまうけれど、うさぎはシンプル」。大学院でウエルビーイング(満たされている状態)について研究する母が、しみじみ実感していることを聞きました。

<教えてくれた人>
東京都 保手濱歌織さん
中1の長男、小2の長女、5歳の二男、夫の5人家族。長男は寮生活を始めたばかり。自身の会社を経営するほか、コンサルティング会社に在籍している。この春から大学院にも入学。
kaori hotehama_Instagram
https://www.instagram.com/akage.usako/

おっかなびっくり始まった、うさぎとの暮らし

保手濱さんちのうさぎの名前は「赤毛」。ふだんは「うさ子」と呼ぶことが多いのだそう。犬や猫の保護活動をしている人が、飼い主が育てきれなくなった生まれたばかりのうさぎを何匹も保護したと、知人から聞いたのがきっかけ。以前から動物を飼いたがっていた長男からの要望もあり、子ども3人を連れてそのうさぎに会いに行ったのでした。
実は猫や犬を飼った経験もなくて、おっかなびっくり始まったうさぎと一緒の新しい暮らし。
「草食動物だから、いやと感じてもかみ付いたりはせず、とにかく逃げる。最初はビクビクと警戒していて、なでたり抱っこしたりしようとするだけで、ぴゃーっと逃げてばかり。でもお世話しているうち、ちょっとずつちょっとずつ、なついてきました。少しなでさせてくれただけで、自分の体内から幸せホルモンがじゅわ~っと出てくる!とにかくいとおしくて、かわいいんです!」。
当初の倍くらいの大きさに育った今でも、知らない人が来ただけで、隠れようとあたふたしてしまううさ子。「でも私だけのときは、呼んだらこっちに寄って来てくれるようになりました。10分くらいはかかるけど(笑)」と、うさ子との距離が縮まっていることがうれしそう。
家族が学校や会社へ出かけ、保手濱さんがデスクで仕事を開始するときが、うさ子の散歩タイム。家の中を自由に動けるよう、ケージの扉を開けておきます。開けたとはいえすぐに出てくるわけではなく、静かになったことを確認し、ゆっくり自分のペースで。ちょっとでも不安があると、まさに脱兎のごとく、ケージの奥まで戻っていきます。

幸せホルモン(オキトシン)が出る!

「安心できる居場所を整え、日々ごはんを食べさせる。うさ子の命と向き合って、生かすことだけを考える。そうやってお世話をしていると、うさ子と私の間に信頼関係ができるんですよね。そういうふうに他者と自分とのつながりができると、幸せホルモン、つまりオキシトシンが出て、人間は幸せを感じるんですが、まさにそれ」。仕事と並行して通っている大学院で「仕事におけるウェルビーイング(満たされている状態)」をテーマに研究を進めている保手濱さんだけあって、そんな自分の気持ちを冷静に分析しています。
「人には、何かのために役に立ちたい、お世話をしたい!という本能的な欲求があるんだと思うんです。子育てでも仕事でも同じ欲求があるはずだけど、子や仕事相手に対しては期待をしてしまうし、ほかの人も関わるから複雑で、悩みも苦しみも多い。でもうさ子との関係はもっとシンプルで、幸せがダイレクト。うさ子がもたらしてくれるシンプルな幸せは、子育てにも仕事にもヒントをくれると感じています」。

#うさ子の居場所

ケージがダイニングスペースを占拠。その大きさに、うさ子が安心できる居心地のいい場所をつくりたいという、保手濱さんの愛を感じます。

#抱っこは苦手

抱こうとすると、ケージの中にあるかごに逃げ込むうさ子。かごごと持ち上げて、ようやく外へ。でもその後、ピョンと飛び出して逃げた……。

#新顔のぬいぐるみもうさぎ

子どもたちのお気に入りのぬいぐるみは、長らくペンギンとパンダでしたが、うさ子が来てからは、うさぎのぬいぐるみも仲間入り。

#仕事も幸せが大事

デジタル技術を導入することで、幸せな働き方の実現を支援するのが保手濱さんの仕事。最近は在宅勤務が中心。

#いちばんのハッピー

うさ子との時間は癒やしのハッピー。刺激的でアドレナリンが出る、いちばんのハッピーは大学院での勉強。「新しい学びの洪水」だそう。

参照:『サンキュ!』2022年9月号「わたしのHAPPYのつくりかた」より。掲載している情報は2022年7月現在のものです。photo:sachie abiko text:kyoko kato 編集/サンキュ!編集部

 
 

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