寒い冬は北欧のように暮らせば快適。日本でもマネできること4つ
2023/01/20
寒い寒い冬の日も、北欧に暮らす人たちって、なんだかいつも楽しそうで、幸せそう。ノルウェーから日本へ、冬の長い北欧を経験して見つけた、家族も自分も心地いい北欧流暮らしのルールを教えてもらいました。
<教えてくれた人>
オリバー・ルンドクイストさん 桒原さやかさんご夫妻
スウェーデン出身のIT技術者オリバーさん(37歳)とライター・エッセイストのさやかさん(39歳)はイケア勤務時代に知り合い結婚。現在は長野県在住。長女(4歳)、長男(2歳)の4人家族。さやかさんインスタグラム「@kuwabarasayaka」。
冬が長い北欧だからこそ、家の中で家族と過ごす時間を豊かにする工夫がいっぱいあるんです
子どもたちが生まれる前、地球儀の頂点辺りに位置するノルウェーのトロムソという町で1年半暮らしたというさやかさん夫妻。「実際に北欧で暮らしてみて、冬の長さと曇りが連日続くつらさを痛感しました。でもそんな土地柄だからこそ、北欧には長い冬を楽しく乗り切るためのインテリアや暮らしのアイデアがたくさんあると分かったんです」とさやかさん。
温かな空間を演出するキャンドル、忙しい平日家事のルーティン化、リラックスできるひとり時間など、さやかさん一家の暮らしには、家族が居心地よく、機嫌よく暮らせる緩やかなルールがありました。
1日の始まりを大切にする
「北欧では家族や夫婦の時間を大切にします。そしてたくさん話をします」とオリバーさん。忙しくてもコミュニケーションを後回しにしない工夫がそこかしこに。
"おはよう"と言いながら夫婦で朝のミーティング
子どもがいる暮らしは毎朝忙しい。だからこそ「おはよう」の後は、夫婦の今日の予定を伝え合う朝の散歩を習慣に。「外の空気を吸いながら会話をすると頭が冴えて、よい1日のスタートが切れます」。
朝食は毎日同じ物でルーティン化
オリバーさんがオートミールを煮る→さやかさんが切ったフルーツをのせて豆乳をかける。これで朝食完成。作る物も分担も手順も全部決まっているから、朝食作りはスピーディーでノーストレス。
「布」を暮らしの味方にする
1枚で華やぎ、部屋の印象を変えられる布。北欧では大柄な布の魅力を引き立たせるために、部屋をすっきり片づけておくのだとか。
掛け軸の感覚でインテリアに取り入れる
「空間に大きな布を足すと、雰囲気が変わるんです」とさやかさん。リビング入り口の大きな松の布はフィンランド在住のテキスタイルデザイナー、島塚絵里さんの作品。モダンな松は掛け軸のようにも見える。
大きな布は目隠しにも大活躍
和室の客間は普段、洗濯、物干し、衣類収納まで全部できるランドリーコーナーに。「『布を収納の目隠しに』という発想は北欧にはない日本のアイデア。閉めてしまえば中が見えず、すっきりです」。
布小物を替えて気軽に模様替え
元気になりたいときはポップな色、落ち着きたいときはシックな柄など、気分や季節に合わせて布小物を手作り。「カーテンを座布団カバーにリメイクしたり、布はいろいろ転用できるのもいいですよね」。
「壁」にしまう、「壁」で遊ぶ
上着類を家の中に持ち込まないよう玄関の壁を収納に活用したり、あちこちに絵を飾ったり、北欧と和をミックスさせた壁使いを楽しみます。
玄関は一面、フック収納で子どもでもしまいやすく
もともとあった靴箱は撤去。壁をブルーグレーに塗って「見せる収納」に。靴はよく履く物だけ玄関に置き、残りは室内の押し入れへ。引っ掛けやすい大きめのフックを付けているので子どもも自分でしまえます。
ポスターはフレームに入れれば壁に立て掛けるだけで素敵に
「気に入っている絵やポスターは、長く大切にしたいから必ずフレームに入れます」とオリバーさん。フレームは全て軽くて割れない素材のイケアの物。壁に掛けなくても立て掛けるだけでサマになり、倒しても安全。
子どもが倒しても割れない素材で安心。
毎日「LAGOM(ラーゴム)」とつぶやく
毎日やること満載で気持ちに余裕がないときも「ラーゴム」とつぶやけば少し気持ちが軽くなる……。スウェーデンにはそんな素敵な魔法の言葉があります。
LAGOMって?
「何事も多すぎず少なすぎず、ほどほどがちょうどよい」。その心地よいさじ加減のことをスウェーデンでは「ラーゴム」と言います。家事も仕事もいつでも目いっぱい頑張ることより、自分が快適であることを優先!
料理は頑張りすぎない。金曜の夜は"宅配ピザの日"
小さな子どもがいると夕方もバタバタ。1日でも献立を決めているとその都度考えなくてよくてラクだから、さやかさんちでは「金曜日の夜は宅配ピザ」と決めているそう。「子どもたちは喜び、大人はラクで一石二鳥です」。
日本のテレビは料理番組が多くてビックリ!
「北欧はインテリアやリフォームのテレビ番組が多いけど、日本はグルメや料理番組が多め。テレビ番組やCMで国民性の違いが分かって面白いね」。
収納は「閉まればよし」。中まできっちりしない
閉めたらすっきり、開けたらざっくりの引き出し。「右は乾物類、左は保存容器と子どものコップなど、ジャンル分けは大まかであとは閉まればOK。中が多少ごちゃっとしても気にしません(笑)」。
家事も育児も仕事も、自分が楽しめる「バランス」が大事
時間が空くと「家事も仕事ももうひと頑張り!」してしまいがちですが、家族のためにも自分が楽しめるバランスを考えながら動くというさやかさん。「ラーゴムとつぶやいて縁側でのんびり……が至福のときです」。
ストック品は持ち過ぎない。1カ所に集めて買い物前にチェック
家中のストック品を1カ所にまとめた収納スペース。掃除用、浴室用など棚ごとに分けているから、今何があって何がないのかが一目瞭然。「買い物前にリストと棚を照らし合わせて不足している物を確認します」。
参照:『サンキュ!』2023年2月号「北欧の暮らしとインテリア」より。掲載している情報は2022年12月現在のものです。撮影/林ひろし 構成/竹下美穂子 取材・文/宇野津暢子 編集/サンキュ!編集部