【防災士解説】最強寒波襲来「氷点下」に備えてこれだけはやっておきたい対策4選
2023/01/24
都市部や温暖な地域で久しぶりに天気予報で「雪」という単語を聞いたり、予報画面に久しぶりに氷点下の数字を見たり……、あまりに久しぶりすぎると「何をすればいいのか」と途方に暮れることもあります。ネットを検索すると便利な寒波対策グッズが載っているけど、今から買いに行くわけにもいかない。
そんな「普段あまり氷点下にならない」地域で「寒波直前」の状況に陥ったとき、これだけはやっておきたいことを気象予報士で防災士の資格も持つライターの植松愛実さんに教えてもらいました。
対策1.水道の水は「糸のように」出しっぱなし
普段あまり氷点下にならない地域ほど、水道管は凍結に弱いです。とくに夜の間は水道からほんの少しだけ水を出し続けておきましょう。糸のように水が細くつながった状態で出続けるようにしておけば大丈夫。
よりしっかり対策するための方法は別の記事にまとめてありますが、慣れていない人が直前にやるには大変だと思うので、まずは「出しっぱなし」から試しましょう。
対策2.非常用品が「どこにあるのか」確認
電気やガスや水道が止まったときに活躍する懐中電灯や非常食、水といった非常用品。普段から在庫や消費期限を管理して買い揃えておくのが理想ですが、直前にそんなことは言っていられないので、とにかく今あるものを確認しましょう。懐中電灯は中に入れてある乾電池がまだ使えるかも確認を。
また、非常食として使えるのは典型的な防災用の食品だけではありません。
たとえばレトルトカレーは、普段はレンジや湯せんで加熱してから食べますが、実は温めなくても食べることはできます。冷たいままだとルーに含まれる油分が固形化しているため、温めた方がもちろん見た目も良く美味しくもなりますが、電気やガスが止まってしまったときはそのまま食べることで非常食代わりになります。
こういったものが自宅のどこにしまってあるのか確認しておきましょう。
そして寒波対策としては「暖を取る」ための道具も合わせて必要になるので、使い捨てカイロや、押し入れに余っている毛布など、どこにいくつあるのか確認しておきたいですね。
対策3.スマホとモバイルバッテリーは両方とも「フル充電」
いざというとき頼りになるのは、やはり「情報」。スマホを忘れずに充電しておくのはもちろん、モバイルバッテリーを持っている方はどちらもフル充電しておきましょう。
なお、もし停電してしまった場合はバッテリーを温存しながら使うことになりますが、そういうときは不要なアプリを停止させたり、明るさ調整や省電力モードを使うことになります。自分のスマホでそれらをどう操作すべきか、予め確認しておきたいですね。
対策4:車がある場合はワイパーを上げておく
雪国に旅行するとよく、駐車中の車のワイパーがこんなふうに上げてあるのを見る、という人もいると思います。
これには、寒さでフロントガラスが凍った場合にワイパーが一緒に凍り付かないようにするなど色々な利点があります。
本来はガソリンを満タンにしたりスコップを積んでおいたりするのが理想ですが、直前にはなかなか難しいと思うので、とにかく「ワイパーを上げる」のだけはやっておきましょう。
実際にフロントガラスがガリガリに凍ってしまった場合は、車のヒーター(デフロスター)を使ってしばらく待てば溶かすことができます。なお、理想はホームセンターで売っている「解氷スプレー」や「解氷ウォッシャー液」や「霜取ヘラ」を使うことですが、温暖な地域では手に入りにくいかもしれません。
朝起きたらとりあえずフロンドガラスの状態の確認を。熱湯をかけたり、ワイパーを無理やり動かそうとするとガラスが割れるのでNGです。どうしてもすぐに車を使いたい場合はぬるま湯で溶かしましょう。
■この記事を書いたのは・・・植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を中心に発信。