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【台風防災】暴風対策で「窓ガラスに養生テープ」は意味ない?意外なNGも…防災士が解説

2024/09/07

台風が接近する際、窓ガラスの暴風対策で、養生テープを貼る方法があると聞いたことがある人は多いと思います。
実際、2019年に台風19号(のちに令和元年東日本台風と命名)が関東に接近した際は、最接近の直前にはもう関東各地のホームセンターで養生テープが売り切れるという事態まで発生しました。

でも、じつは「窓ガラスに養生テープ」というのは、みなさんが思っているような効果がないかもしれません。
どういうことなのか、野菜ソムリエ・気象予報士・防災士の資格を持つ植松愛実さんが、養生テープのNG行為も含めて解説します。

サンキュ!STYLE 取材班メンバー。気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を...

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窓ガラスが割れるのを防ぐわけではない

窓

まず、窓ガラスに養生テープを貼っても、窓ガラスが割れるのを防ぐという効果はほとんどありません。これは養生テープだけの話ではなく、粘着テープでも、ホームセンターなどに売っているプラスチック製のフィルムでも同じことが言えます。

台風の際に窓ガラスが割れるおそれがあるのは、暴風で窓ガラスがガタガタ揺れるからではなく、暴風によって飛ばされた飛来物がぶつかるためなのですが、こういった飛来物(道に落ちているペットボトルなど)がぶつかるときにはかなりの衝撃が発生するので、窓に何か貼る程度のことではそもそも防げないのです。
根本的に割れるのを防ごうとしたら、雨戸かシャッターくらいでないと太刀打ちできません。

つまり、養生テープを貼ることの効果は、窓が割れないことではなく、窓が少し割れた場合にガラスの破片が多少飛び散りにくくなること。
ホームセンターにあるプラスチック製のフィルムもよく見ると「ガラス飛散防止」と書いてあります。

飛散防止の効果はある

窓ガラス飛散防止のための養生テープの貼りかた
後述する、窓ガラス飛散防止のための養生テープの貼りかた(筆者作成)

前述のとおり、養生テープでは窓ガラスが割れるのを防ぐことはできませんが、割れかたがさほどひどくなかった場合(ガラスの一部だけが割れるような場合)には、破片が飛び散るのを多少防ぐことができます。

養生テープを貼る際は、まずは縦の中央と横の中央に1本ずつ貼って、次に対角線に貼り「米」の字のような形にし、最後に枠に沿ってぐるりと一周貼ります。

なお、くり返しになりますが「割れかたがさほどひどくない」場合に飛散を「多少」防げる程度なので、窓ガラスが盛大に割れてしまった場合はほぼ無力です。
もっと効果を出したい場合は段ボールなどを内側から貼りつけるか、ホームセンターなどに売っているガラス飛散防止フィルムを使うほか、最近は「台風防災テープ」という商品もあります。
いずれの場合も、対策をしたあとカーテンは閉めましょう。

台風が去ったあと…これはNG!

雄大積雲

台風が去ったあと、ベランダに外から飛んできたものが落ちていたり、玄関や扉が汚れていたりして、あと片づけ作業が大変で、ついつい養生テープをはがし忘れていた…なんて経験がある人も多いのでは。しかし、これはNG。
養生テープは紫外線に弱いので、台風が去ったらできるだけ早くはがす必要があります。

うまくはがせない場合は、家庭用のエタノールを使うとはがしやすくなりますし、ホームセンターなどに売っている糊はがしスプレーも使うことができます。

台風対策は段階的にやろう

毎年、台風接近のニュースが流れるとホームセンターから防災グッズがなくなり、スーパーから水や非常食がなくなりますが、そもそも台風対策は一気にやるのではなく段階的にやるのがおすすめです。

現在では、台風が発生する前から(つまり「台風の卵」である熱帯低気圧の時点で)5日先までの予想進路が気象庁から発表されることになっています。
5日先の予報だとまだまだ誤差が大きいですが、ざっくり西日本に近づくのか北日本に近づくのかくらいはわかりますし、3日前になればもう誤差はだいたい150kmくらいまで縮まってきます(気象庁データより)。
150kmということはもう、自分の県に来るか隣の県に来るかぐらいの違いで、そのくらいの差であれば備えることに変わりはありません。

そのため、台風接近の3日前には買い物やハザードマップの確認を済ませておいて、2日前になったら買ったものを使って家の中で準備をするのがおすすめ。
前日になったら水をくみ置いたり、スマホやモバイルバッテリーの充電をしたりしましょう。

毎年8月~9月にかけて接近や上陸が増える台風。進化し続ける予報技術をうまく活用して、あせらず備えたいですね。

■執筆/植松愛実…身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。
編集/サンキュ!編集部

 
 

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