段ボール箱に収納された非常食。

食品の備蓄「何をどれくらい買えばいい?」「賞味期限はどう管理すればいい?」みんなの備え方を伝授

2024/09/14

いつ起こるかわからない自然災害。いざというときに備えて食品の備蓄をしておくべきだとわかっていても、何をどれくらい買えばいいのか、賞味期限はどう管理すればいいのか?いまいちピンとこない人のために、みんなの備え方を伝授!

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ローリングストックって?

非常食だけでなく、ふだんから食べ慣れている食品を少し多めに買い置きし、賞味期限が来る前に古い物から消費。消費した分を買い足すことで、家の中に一定量の食品を備蓄しておく方法のこと。

被災して初めてわかった「水」 の大切さ

<教えてくれた人>
【西日本豪雨で被災】サンキュ!アンバサダー 川﨑みささん(広島県 39歳)
元海上保安官で、船舶料理士の資格を所有。被災したママとして地元メディアでも情報を発信。夫(39歳)は現在も海上保安庁に勤務。長女(11歳)、長男(6歳)の4人家族。


6年前の西日本豪雨災害では、生後1カ月の赤ちゃんを抱えた状態で被災。夫婦とも海上保安官だったため「災害=出動」と考えており、家に防災用品を備える意識がありませんでした。1カ月間断水が続くも、給水車から水をもらうこともままならずに途方に暮れたので、そのときの教訓から日頃の備えを心がけています。

計115Lストック

□ 水2L×6本×5箱
□ 水500ml×24本×1箱
□ お茶600ml×24本×3箱

水は買い足してから古い物を飲むようにして、ストックを減らしません。賞味期限は忘れないようカレンダーに記入しています。

水をもらうための準備も大切

当時は、給水車から水をもらうためのポリタンクの準備もありませんでした。ポリタンクは“自分で持ち運べるサイズ”を選ぶか台車を用意して、運び方まで考えておくことが大切です。


●空腹はガマンできても、排せつはガマンできない!
被災後1カ月以上トイレットペーパー不足に。食事と排せつはワンセット。食べ物だけでなく簡易トイレなどの準備もしっかり!

コレもストック!

わが家のストックは【常温・長期保存・簡単】がキーワード!

海上保安庁の巡視船をお手本に、切り干し大根など常温で長期保存の利く乾物類を日常の食卓に取り入れているので、食べ慣れた物が自然と防災用のストックになります。フリーズドライのスープや缶詰など、調理が簡単な食材を選ぶのもポイント。

米と塩があればなんかなとる
缶切り不要のタイプを
野菜不足を解消
食べ慣れた乾物

●食べ切るコツ 夏休みなど長期休暇のランチに活用!
夏休みや春休みなどの長期休暇中は、給食がないので昼ごはん作りがめんどう。そこで、レトルトカレーやパックご飯をこのタイミングで消費し、新たに買い足すサイクルに。


●災害時 意外と必要な物 なくても大丈夫な物
【必要】
・レトルトのおかゆ
被災してしばらく経つと感染症が流行することが多いので、体調が悪い時用におかゆや粉ポカリをストック。

・冷凍食品(自然解凍OKの物)
停電しても1~2日は冷蔵庫内の物を食べられるので自然解凍OKな調理済み冷食(から揚げやとんかつ)を常備。


【なくても大丈夫】
・乾パン
被災当時5歳の娘に食べさせるも、嫌がって食べず。食べ慣れない物をストックしてもムダだと学びました。

・カップラーメン
調理に水がたくさん必要なのと、食べ終えた後の汁の処理に困るので、被災の状況によっては向かないかも。

シミュレーション表で何がどれだけ必要か割り出した

<教えてくれた人>
【コロナで備えの大切さを痛感】『サンキュ!』読者 さださあやさん(島根県 42歳)
夫(43歳)、長男(11歳)、長女(9歳)の4人家族。災害対策だけでなく感染症の流行時にも役立つと感じ、ローリングストックを実践中。


災害に備えて缶詰などをなんとなくストックしていたけれど、あるときふと「被災時、ツナ缶はどんな料理に使えばいいの?」と疑問に。具体的に献立のシミュレーションをすることで、どんな食品をいくつストックすべきかが明確に。

災害時の家族4人・7日分の献立を考えてみた

ストックはアプリで賞味期限を管理!

ストック食品を購入したら、「かうサポ」というアプリに登録。賞味期限順に一覧で見ることができ、消費計画が立てやすくなるので、食べ忘れを防げます。

バーコードを撮影すると商品が登録されるので、賞味期限や個数を入力。期限までの日数も表示されるので便利

●体調がすぐれなくても飲めるカップスープ
家族が病気でダウンしたときも、カップスープなら食べられたので、わが家のストック定番品に。洗い物が出ないのも良い。

コレもストック!

季節に合わせて備える物を入れ替え

<教えてくれた人>
【大阪北部地震を経験】サンキュ!アンバサダー ゆずうさぎさん(大阪府 49歳)
長男(22歳)が独立し、夫(51歳)と3人の子どもと5人暮らし。買い物に行く予定の日に被災したため、食品ストックの大切さを再認識。


1~2カ月ごとにストックを見直して、賞味期限もチェック。冬ならみそ汁やスープなど温かい食べ物を増やしたり、夏なら熱中症対策としてスポーツドリンクを入れるなど、季節に合わせて中身を調整しています。

無印良品の収納ボックスに入るだけ入れる

●袋ごとレンチンできるカレーが便利
電気とガス、どちらが使えなくなるかわからないので、レンチンでも湯せんでも温められるタイプのレトルトカレーを選んでいます。

段ボール箱に大きく賞味期限を書いておく

●停電するとATMもキャッシュレス決済も使えない
被災時にキャッシュレス決済が使えなくなり、現金の大切さを痛感。予備のお金を持ち歩くように。自動販売機で飲み物を買えるよう、小銭も入れておいて。

コレも準備!

友人の被災を機に備えの強化を決心!

<教えてくれた人>
【豪雪で閉じ込められた】サンキュ!アンバサダー おだけみよさん(富山県 49歳)
長女(25歳)、長男(23歳)が独立し、現在は1人暮らし。元無印良品の店員。豪雪で数日間家から出られなかった経験から備蓄の大切さを実感。


元旦に発生した令和6年能登半島地震で友人の家が被災し、3カ月間給水所に通っていたと聞いて備えを強化。ふだんからよく食べている無印良品のカレーはバリエーションも豊富なので、ローリングストックで備えています。


●食べ慣れた無印良品のカレーを3日分ストック
パントリーの奥や玄関にしまうと出し入れしにくいので、キッチンラックに収納。月末に賞味期限を確認して期限が近い物を食べ、その都度新しい物を補充。

出し入れしやすい位置に

●計21Lストック
1人分1日3Lを7日分常備。キッチンのラックに入りきらない分は、寝室の押し入れの中に保管しています。

※この記事では個人の体験にもとづく考え方や備え方を紹介しています。

参照:『サンキュ!』2024年9月号「ふだんから災害に強い家の作り方」より。掲載している情報は2024年7月現在のものです。撮影/『サンキュ!』読者&サンキュ!アンバサダーの皆さん 構成・文/ Kitsune 編集/サンキュ!編集部

 
 

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