9月は防災月間。このタイミングで、防災グッズや保存食を見直す方も多いのではないでしょうか。せっかく備えるなら、自分と家族にとって、使いやすい・食べやすいものをそろえたいですよね。
わが家は夫が元クルーズ船の乗組員で、1度乗船すると約4カ月家を空ける生活が10年以上続きました。その間、2人の娘を完全ワンオペで育ててきたことで、自然と「もしも」への意識がアップ。
今回は、そんなサンキュ!STYLEライター・Kota(コタ)が、「食」にフォーカスし、子どもにも食べやすい非常食や、食料備蓄の工夫をご紹介します。

買ったらひとつ食べてみて!
非常食は買って終わりにせず、収納にしまい込む前にひとつ食べてみることをおすすめします。お子さんがいるご家庭は、一緒に実食できると◎
最近の長期保存食はおいしく進化しているとはいえ、いざ食べてみると「口に合わない」「独特のにおいが気になる」と感じることも。大きな不安やストレスを感じる災害時に、初めて口にするのは心配ですよね。特に子どもは食べ慣れない味に敏感なので、なおさら注意が必要。
実食すれば子どもの反応が分かるため、「家族みんながおいしいと思える保存食」に備え替えができて安心です。また、事前に非常食の味に慣れておけるのもメリット。
さらに、実際に食べてみることで、味以外にも気づきが。たとえば、水分を注いで戻す「アルファ米」は、できあがりまで熱湯だと15分、水の場合は60分かかります(尾西食品「アルファ米ごはんシリーズ」の場合)。調理にかかる時間を体感しておくと、もしものときも余裕をもって対応できるはず。
子どもたちも太鼓判!わが家の定番非常食3選
ここからは、さまざま試してきた非常食の中で、小6・小3の娘たちの評価が高かったものだけを厳選。非常食選びのヒントに、ぜひチェックしてみてくださいね。
1.「尾西のひだまりパン」(尾西食品)
【賞味期限】5年
【味】プレーン・メープル・チョコ
非常食とは思えない、ふんわりやわらか食感とやさしい甘さで、好き嫌いが多い次女もぺろりと完食、長女にいたっては、「お店で売ってる菓子パンって言われても分からないかも!」と絶賛しています。子どもが食べやすい味のラインナップも◎
非常食のパンは缶詰タイプが多いですが、パウチタイプのこちらはより簡単に開けられて、コンパクトに収納できるのがうれしいポイント。食べた後のゴミが少なく済むのも助かります。
2.「尾西のアルファ米ごはんシリーズ」(尾西食品)
【賞味期限】5年
【味】白飯・五目ごはん・チキンライスなど、和洋全12種類
【調理方法】袋に直接水分を注いで、熱湯は15分、水の場合は60分待てば完成
6種類の味を試した結果、「炊いたごはんには劣るけれど、想像以上においしい!」が、家族共通の感想でした。においやクセがほとんどなく、ふっくらした食感なのは驚きです。どれも食べやすい味つけですが、子どもたちには給食でなじみのあるわかめごはんが好評。
できあがりの量が260gとたっぷりめなので、大人でも1パックでお腹いっぱいになります(小3の次女は1/2パックで十分だそう)。一品で満足度が高い味つきごはんは、非常時の強い味方。スプーン付きで食器いらずなのも便利です。
3. お菓子類の保存缶
ビスコやミレービスケット、パインアメなどおなじみのお菓子にも、賞味期限が約5年の保存缶があるのをご存知ですか。味は通常タイプと変わらないので、いつもの感覚で安心して食べられますよ。
主食の代わりにはならなくても、食べ慣れた甘いお菓子には、心をホッと和らげてくれる効果が。特に子どもにとっては、災害時の不安な気持ちを支えてくれる大切な備えのひとつになるはず。慣れない環境で食欲がわかないときに、口にしやすいのもポイントです。
実食すれば、「わが家の備え」の最適解が見えてくる!
家族みんながおいしく食べられる備蓄にするために、実食は外せないステップ。今回ご紹介した非常食は、小学生の娘たちからも好評な、わが家の定番品です。
一方、さまざまな非常食を試す中で、子どもたちの口に合わないものも少なくありませんでした。そこで、メインの備蓄は、レトルトや缶詰、乾麺、カップスープなど、ふだんから食べている常温保存の食品にして、「食べたら買い足す」ローリングストックを実践。非常食は必要最小限にしています。このバランスが、実食を繰り返してたどり着いた、今のわが家の最適解。
「非常食は備えているけれど、どんな味か分からない…」という方は、防災月間に合わせて味をチェックしてみては。お子さんがいるご家庭は一緒に食べてみると、思わぬ発見があったり、お家に合った備えのヒントが見つかるかもしれません。
■執筆/Kota
元クルーズ船乗組員。狭い船室で、4ヶ月の乗船勤務をスーツケースひとつでこなした経験から、厳選したモノで心地よく暮らすヒントを発信。10年以上の完全ワンオペ育児で身につけた、ムリなく続けられる家事アイデアの紹介も得意としている。
編集/サンキュ!編集部