日々、当たり前のように使っている日用品。けれど、それぞれの在庫を管理したり、収納場所を確保したりといった“名もなき家事”は、積み重なると大きな負担に。種類が多ければ、そのぶん負担もアップします。
「ないと困る」と思い込んでいるものも、なくても意外と平気な場合も。思い込みを手放すだけで、収納や管理、さらに家計までラクになります。
今回は、元クルーズ船乗組員で、4カ月の乗船勤務をスーツケースひとつでこなしていたサンキュ!STYLEライター・Kota(コタ)が、手放す・兼用する・コンパクト化で暮らしがラクになる日用品を5つピックアップ。試しやすい順にご紹介しますので、気になる項目をぜひチェックしてみてくださいね。

1. キッチンマット・トイレマット→手放す
床のキズや汚れを防いでくれるマット類。足元の冷え予防に欠かせないという方も多いかもしれません。
でも、キッチン、トイレ、玄関など、マットを敷くところは汚れやすい場所でもあります。マットの表面だけでなく、下にも汚れがたまって不衛生になりがち。衛生的に保つにはこまめな洗濯が必要ですが、毎日の洗濯にくわえてマット類を洗うのは手間ですよね。
そこで、わが家ではマットは敷かず、床の汚れはその都度サッと拭き取るスタイルに。床をきれいに保ちやすいし、マット自体をお手入れするよりずっとラク。掃除機がけや拭き掃除もスムーズにできます。
2. バスタオル→フェイスタオルに統一
お風呂あがりに使うのは、約34×80cmのフェイスタオルで十分。バスタオルの半分ほどの大きさですが、わが家では大人も1枚で全身を拭き上げられています。
バスタオルよりも価格がお手頃で、収納スペースもコンパクト。家中のタオルをこのサイズに統一すれば、管理の手間も省けます。
そしてなにより大きいのは、洗濯のストレスが減ること。かさばるバスタオルのために洗濯機を何回もまわしたり、乾きにくさからくる生乾き臭に悩まされたりとは無縁に。サイズを小さくすれば洗濯に使う水の量が減って、節水効果も期待できます。乾燥機を使うご家庭なら乾燥時間が短くなり、電気代の節約にも◎。
3. 柔軟剤→手放す
肌ざわりを良くしたり、香りづけをしたりする効果がある柔軟剤。でも、なくても洗濯そのものに影響はありません。
洗濯洗剤だけにすれば、柔軟剤分のコストが減って年間で数千円程度の節約に。面倒な在庫管理も手放せます。仕上がりに不安がある方は、試しに柔軟剤なしで洗って家族の反応をチェックしてみては。わが家では誰も気がつかなかったほど、仕上がりに大きな違いはありませんでしたよ。
4. 場所別の専用洗剤→汚れ別にまとめる
キッチン用、トイレ用、バスルーム用...。場所別の「〇〇用洗剤」は、掃除悩みが増えるたびに増殖しがちです。もし、数が増えて持て余しているなら、発想を変えて「汚れ別」にまとめてみては。
家の中の主な汚れは、油汚れ・手垢など酸性の汚れと、水垢・尿石などのアルカリ性の汚れに分けられます。酸性の汚れには重曹やセスキ炭酸ソーダ、アルカリ性の汚れにはクエン酸といった具合に、反対の性質を持つ洗剤を使えばOK。とってもシンプルです。
バスルームや洗面台についた水垢、トイレについた尿石など、場所が違っても汚れの性質は同じ場合も多いもの。汚れ別にまとめるだけで洗剤の数を減らせて、ムダなく使い切れるように。コストが抑えられるのはもちろん、肌への刺激が少なく、環境負荷が低いのもうれしいポイントです。
5. 生理用ナプキン→繰り返し使える月経カップなどに
生理用品は節約しようがない必需品ですが、コストがかさむのも事実。マイナビウーマンが2016年に22 歳から34歳の働く女性を対象に行ったウェブアンケートでは、毎月の生理用品にかかる費用は「500円〜1,000円」と答えた人が最も多かったのだそう。(※参考:マイナビニュース/「女性の負担は大きい?一生のうち生理にかかる日数とコスト 2017年6月14日」より)
生理期間をより快適に過ごせて、出費が抑えられるアイテムがあれば助かりますよね。
たとえば、「第三の生理用品」と言われる月経カップ。シリコーン製のカップを膣内に挿入して、経血をためて使います。初期投資は5,000円前後と高めだけれど、数年間は洗って繰り返し使えるので、長い目で見ればコスパ◎。ナプキンの在庫管理やゴミの処理も手放せます。
さらに、生理中のQOLが上がるのも見逃せないポイント。最長12時間使えるから何度もトイレに行かなくてOK、モレる心配が少なく、ムレやニオイも軽減できるなど良いことずくめ。
フェムテックメーカー「インテグロ」の調査によると、月経カップユーザーの95%が「今後も月経カップを使い続けたい」と回答したのだそう。(※参考:インテグロ株式会社/月経カップユーザー282人を対象にした「月経カップユーザーアンケート調査」より)著者も3年前から使っていますが、生理の諸々がとってもラクになり、今では手放せないアイテムです。
カスタマーサポートが充実しているメーカーも多く、3サイクル(3カ月)以内でスムーズに使えるようになる人がほとんどだそうなので、気軽に試してみては。
「なくても大丈夫」が実感できると、暮らしはもっと軽やかに
「ないと困る」と思っているものを手放すのは勇気がいりますよね。でも、ものの数だけ時間や手間、お金、エネルギーが必要になるのも事実。「なくても大丈夫」を少しずつ増やしていくと、そうした諸々から解放されて、暮らしがラクになるのはもちろん、気持ちまで軽やかになっていくはず。
気になったものがあればぜひ取り入れて、「なくても大丈夫」の心地よさを体感してみてくださいね。
■執筆/Kota
元クルーズ船乗組員。狭い船室で、4ヶ月の乗船勤務をスーツケースひとつでこなした経験から、厳選したモノで心地よく暮らすヒントを発信。10年以上の完全ワンオペ育児で身につけた、ムリなく続けられる家事アイデアの紹介も得意としている。
編集/サンキュ!編集部