「繰り返し使える日用品」と聞くと、みなさんは何を思い浮かべますか。たとえばエコバッグ。2020年のレジ袋有料化を機に一気に広まり、今では当たり前のように持ち歩いている方が多いはず。
もともとは、プラスチックごみの削減を目指した国の取り組みがきっかけでしたが、いざ使ってみると、レジ袋よりも持ち運びしやすかったり、かわいいデザインに気分が上がったりと「サステナブル(持続可能)」なだけではない魅力を感じますよね。
エコバッグのように、環境にも自分にもやさしい日用品が増えていくと、毎日の暮らしがもっと心地よくなりそうです。
今回は、10年以上の完全ワンオペ育児で培ったラク家事アイデアを発信しているKota(コタ)が「使い捨て」から「繰り返し使える」に替えてQOL(生活の質)がぐんとアップした日用品3選をご紹介します。
繰り返し使えることのメリット
さまざまな消耗品の在庫管理は"見えない家事"の代表格。でも、繰り返し使えるアイテムなら、使うたびに減るということがないから、在庫を気にしなくてOK。ゴミが減って、ゴミ捨てがラクになるのも見逃せないポイントです。
また、初期投資は少し高くても、長い目で見れば家計にやさしいのも魅力。「どれくらい使い続けられるか」で日割計算してみたり、使い心地まで含めたコスパを考えるのがおすすめです。
「使い捨て」を卒業した日用品3選
1. フローリング用掃除シート
床掃除に欠かせないフローリング用掃除シート。小学生の娘2人が一年中はだしで過ごすわが家がリピートしているのは、スコッチブライトの「マイクロファイバーモップ ベーシックタイプ」(本体/1,923円・取替用クロス/522円)。
こびりつき汚れを落とす中細ファイバーと、ホコリや油汚れを絡めとる極細ファイバーの2種類が組み合わさったクロスが、子どもがつけた正体不明な汚れも一掃。とにかく床がサラサラに仕上がるところが気に入っています。乾拭き、水拭きの両方に使えるのも便利。
使った後に洗うのが面倒という理由から、フローリングシートは使い捨てタイプが人気な印象です。でも、これは水洗いだけで汚れがスルッと落ちるので、力を入れてゴシゴシ洗わなくてOK。お手入れの手間がほとんどかかりません。ワンタッチで着脱できる面ファスナー式で、取りつけもラクラク。
「この程度でシート1枚使うのはもったいない...」なんてためらうことなく、気になったときにサッと掃除ができるようになりました。
2. 食事中に使うウェットティッシュ
お子さんがいるご家庭では特に、食事中の手口拭きは必須アイテムですよね。以前はウェットティッシュを使っていたわが家ですが、食事のたびに出るゴミの量になんだかモヤモヤ...。そこで、無印良品の「残反ミニハンドタオル(ハーフ)」(5枚組/税込み590円)を使い始めました。
一般的なハンドタオルの半分ほどの大きさで、手口拭きにちょうどいいサイズ感。テーブルの上に何枚かあっても邪魔にならないし、洗濯もラクちん。綿100%のふわふわな肌ざわりだから、デリケートな子どもの肌にも安心して使えます。
「残反シリーズ」は、工場の製造過程で余った布を活用したアイテム。その時々で使える生地が違うため、本体とフチ色の組み合わせが毎回変わるのも楽しみのひとつ。購入することで、廃棄される布を減らす取り組みに参加できるのもうれしいですよね。
ただし、残反という特性上、いつでも手に入るわけではないので要注意。店舗で好みの色の組み合わせを見かけたら、迷わずゲットするのがおすすめです。
3. 生理用紙ナプキン
2022年に厚生労働省が女性3000人を対象に行った調査によると、使っている生理用品の種類は、紙ナプキンが75.5%で最も多いという結果に。(※参考:厚生労働省/「『生理の貧困』が女性の心身の健康等に及ぼす影響に関する調査 単純集計結果」より)
手軽で使いやすい紙ナプキンですが、こまめな交換が必要だったり、漏れやムレが気になったりと、快適とは言えない側面も。意外と出費がかさむうえ、ゴミの処理もわずらわしいですよね。
そうした生理にまつわるストレスを少しでも減らそうと、著者が3年前に取り入れたのが月経カップ。ナプキン、タンポンに次ぐ"第3の生理用品"として、名前を聞いたことがある方も多いのでは。
月経カップは、膣内に入れて経血をためるカップ型の生理用品。シリコン製で1個5,000円前後と初期投資は高いものの、漏れにくく、数年間は繰り返し使えるうえ、長時間使えて交換の手間が減るなど、多くのメリットが。ニオイやムレも軽減できると言われています。
著者自身も実際に使ってみて、その快適さを実感中。ゴミの処理がいらない、長時間使えるからトイレの回数が増えない、荷物がかさばらない、運動や長時間の外出も気にならない、淡い色の服も安心して着られる...等々、いいことがいっぱい。生理中も、ふだんとほとんど変わらない感覚で過ごせるようになりました。
「サステナブル以上」だから、選びたくなる
繰り返し使えるアイテムを選ぶことで、環境負荷を減らせるのは事実。でも、日々忙しいからこそ、洗う手間などがハードルになり、「サステナブルだから」という理由だけで取り入れるのは難しいですよね。
今回ご紹介したのは、そんな現実に寄り添う、サステナブル以上の日用品。環境へのやさしさにくわえて、使う人のラクや心地よさも叶えてくれるアイテムたちです。
著者自身、以前は「使い捨てが一番ラク」と思っていましたが、在庫管理の手間や出費、使い心地まで含めて考えると、むしろ繰り返し使えるほうがストレスが少ないと実感。
気になったものがあれば、ぜひひとつ試してみてください。毎日のちょっとしたモヤモヤが、少し軽くなるかもしれません。
■執筆/Kota
元クルーズ船乗組員。狭い船室で、4ヶ月の乗船勤務をスーツケースひとつでこなした経験から、厳選したモノで心地よく暮らすヒントを発信。10年以上の完全ワンオペ育児で身につけた、ムリなく続けられる家事アイデアの紹介も得意としている。
編集/サンキュ!編集部