毎日使う場所だからこそ、清潔に保ちたいトイレ。「当たり前に置いているもの」が、じつはなくても困らないこともあります。
整理収納アドバイザーで100均を始めとしたプチプラアイテムにも詳しい、ライターの山岡さくらさんに、トイレで手放して快適になったアイテムを教えてもらいました。

トイレマット&カバー
トイレにはマットや便座カバーが「あって当たり前」と思う方も多いのではないでしょうか。以前はどの家庭でもよく見かける定番アイテムでした。ですが、今は温水洗浄便座のお宅も増え、便座カバーの必要性はあまりなくなっています。
使用している場合、大きな負担になるのが洗濯です。頻繁に取り替えて洗う必要があり、洗濯物の量も増えがち。外して洗って、また取りつける…という作業そのものも地味に手間がかかります。
さらに、掃除のしやすさの面でもマイナス。マットを敷いていると床を拭くときに一度どかさなければならず、便座カバーがあると便座まわりの掃除もスムーズにいきません。そのため掃除の手間が増えてしまいます。
思い切ってマットやカバーをなくしてみると、掃除がぐっとラクになり、交換や洗濯の手間もゼロに。床が見えることで空間が広くすっきり見え、清潔感もアップします。衛生面が気になるときは、拭き取りやすい素材のスリッパを使えば安心です。「あるのが当たり前」だと思っていたものほど、なくしてみるとその快適さに驚くかもしれません。
トイレブラシ
トイレ掃除の必需品、というイメージが強いトイレブラシ。けれど、置いてあることでデメリットも多いアイテムです。
ブラシの毛先には水や汚れが残りやすく、使用後にしっかり洗って乾かすのはむずかしいもの。水はねやにおいが発生しやすく、置きっぱなしにしていると不衛生だなと感じていませんか?収納ケースの中もぬめりやすく、掃除がかえって面倒になることも。
今は流せるトイレブラシなどもあります。かけるだけで汚れを落とせる洗剤もあります。使い捨ての手袋をしてシートで掃除し、そのまま手袋ごと捨てる方法もラクで衛生的です。
トイレブラシをなくすと、床に置くものがひとつ減って掃除がしやすくなるのも大きなメリット。結果的にトイレ全体の清潔感がアップしました。
タオル
手洗い用のタオルも「置いてあって当たり前」と思っていたアイテムのひとつですが、これも手間と衛生面の不安がつきまといました。
家族で共用すると、どうしても「誰かが濡れたままの手で使ったタオルを別の人が使う」ことになり、気持ちよく使えないことも。来客時には「タオルをそのまま共有してもらうのはちょっと…」と感じる場面もありました。さらに、こまめに交換して洗濯する必要があり、手間もかかります。
ペーパータオルなら使い捨てなので衛生的で、家族はもちろん、来客時にも安心して使ってもらえます。ゴミは多少増えるものの、交換や洗濯の手間がなくなるメリットの方が大きいと感じました。ペーパータオルホルダーも省スペースで設置できるため、トイレがすっきりした印象に。
「当たり前にあるもの」を見直してみると、清潔さと快適さが両立できるケースもあると実感しました。
なくしてみてわかった「快適さ」
今回紹介した3つのアイテムは、どれも「トイレにはあって当然」と思われがちなものです。けれど実際には、なくすことで掃除や洗濯の負担が減り、見た目もすっきり、清潔さもキープしやすくなりました。「なくても困らない」だけでなく「ないほうが暮らしやすい」と感じるものは、意外と身近にあるのかもしれません。
トイレは家族みんなが使う場所。だからこそ一度「本当に必要?」という視点で見直すと、快適さがぐっと変わります。あなたの家のトイレにも、置かなくてもいいものが眠っているかもしれませんよ。
■執筆/山岡さくら…元汚部屋出身、面倒なことは大嫌いなずぼら整理収納アドバイザー。無印良品、ニトリ、100均、3COINSなどのシンプルでプチプラなアイテムを活用した収納を得意としている。
編集/サンキュ!編集部