眠れない夏を快眠の夏に変えてくれる! 緑茶の新しい淹れ方とは?

2024/08/06

今年もまた、全国各地で厳しい暑さに見舞われている日本。今後もしばらくは、高温多湿の気象条件が続くと予報されています。

この時期特有のお悩みとして増える傾向にあるというのが、暑くて寝つきが悪い、寝ても疲れが取れにくいなどの「眠り」に関すること。

多くの人が「もっとしっかり&いい眠りを得たい」と感じているのです。

今回、この「しっかり&いい」の部分、つまり「睡眠の質」に注目した株式会社伊藤園が、睡眠に関するセミナーを開催。睡眠の質を高めるためのコツとして、意外なものの存在を教えてくれました。早速レポートします!  

大切さはわかっているつもりだけれど…… 日本人の睡眠時間は短すぎる!?

以前は「寝不足自慢」なんていう言葉もあったものですが、それは昔の話。現在は、睡眠と健康の関係性を理解している人も多く、自分自身の睡眠について見直す人が増えていると言います。世界的に活躍するアスリートが、「質の良い睡眠が高いパフォーマンスにつながっている」と発言したことも、睡眠に関心をもつきっかけになったというケースも多いよう。

では、「いい眠り」つまり、「質の高い睡眠」とは、いったいどのような状態をいうのでしょう。具体的には、『深く眠れていて、中途覚醒や早朝覚醒がない状態』を指します。当たり前の簡単なことのようでいて、じつはとても難しいと感じている人も多いはず。

実際のところ、日本人の1日の睡眠時間は7時間22分とOECD諸国のなかでは最低を記録しています。33国の平均は8時間28分なので、やはり少ないと言わざるを得ないでしょう。ちなみにアメリカは8時間51分、お隣中国は9時間2分という結果でした※

※出典:厚生労働省「良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない睡眠のこと」解説書

夏は睡眠時間が短くなりがち。 睡眠の量、質を上げることが重要な課題に

ただでさえ睡眠時間が短い日本人ですが、夏はとくに短くなる傾向にあります。冬場と比べると10~40分程度睡眠時間が短くなっているとの報告もあり、夏の平均睡眠時間は6.8時間を切っているのが現状です※

これは、寝室も高温多湿な環境にあることや、日長時間(日の出から日の入りまでの時間)が長くなることなどが要因で、寝つきが悪くなり眠りの持続が難しくなる……というわけです。

なかなか寝付けないうえに、夜中や明け方に目を覚ましてしまう。眠りが浅いうえ、全体的な睡眠時間も短いという状態が続くと、体にも深刻な悪影響を及ぼしやすくなります。だからこそ、夏は「いい眠り」をより意識して過ごすことが大切なのですね。

※出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

睡眠の質を上げるために やりたいこと・やめたいこと

セミナーでは、医師の白濱龍太郎先生が、睡眠の質と寝る前の行動の関係や、「やりたいこと」「避けたいこと」に分けて睡眠の質を高めるための行動の具体例をレクチャーくださいました。

例えば心がけたいこととして

●就寝時は決まった行動パターンを毎日続ける(腹式呼吸やストレッチ、音楽など)→脳が睡眠の合図を認識して寝つきがよくなる。

●寝る直前のスマホ・PC操作や、歯磨きなどを控える→「メラトニン」の分泌が抑制される行動を控える

●夕方以降、カフェインの多量接種を控える    

などを教えてくれました。ベッドでスマホを見るのが習慣になっている人は少々つらいかもしれませんが、どれもすぐに始められるものばかりです。

こちらに加えて、先生からおすすめされたのが、リラックス作用のある「GABA」や「テアニン」を摂取すること。「GABA」は玄米やトマト、カボチャ、キムチや漬物などに多く含まれており、不眠を改善する効果があります。

そしてもう一つの「テアニン」は緑茶に含まれる成分。神経を鎮静化してくれる効果があります。どちらも、リラックス状態のときに発せられる脳波「アルファ波」の発現を活性化する働きもあります。

緑茶に含まれる成分「テアニン」が 質の高い睡眠をもたらす

さあ、ここで「なぜ、〝お茶の伊藤園″が睡眠に関するセミナーを?」という疑問がようやく解決しました! 

GABAと並び、睡眠の質を上げるのに有効な成分「テアニン」は緑茶葉特有のものだったのです。

脳の興奮を抑えて神経を鎮静化させる、リラックス効果を得られる……など、睡眠の質を高めるとして、いま改めて注目されているアミノ酸成分のテアニン。

就寝前に摂取した場合、寝つきや中途覚醒の改善が確認されたなどの有効性を示す試験結果も出ています。

紅茶やウーロン茶も同じ茶葉からつくられていますが、テアニンが豊富なのは緑茶のみなのだそう。

就寝前の氷水出し緑茶で、 テアニンをたっぷり摂取

あれ、でも、「夜、濃いお茶を飲むのは控えるように」と、昔から言われていませんでしたっけ? 緑茶には覚醒効果の高いカフェインが含まれているのに、矛盾するような……?

「安心してください。そのまま緑茶を飲むのではなく、テアニンだけをたっぷり抽出できる淹れ方があるんですよ」と教えてくれたのが、大妻女子大学の大森正司名誉教授。長年お茶のもつ健康効果を伝えることに尽力され「お茶博士」としても知られています。

氷と水で、ゆっくり淹れると……?

それが「氷水出しの緑茶」。言葉のとおり、茶葉を氷(と少々の水)でゆっくり淹れることで、お茶の渋みや苦味のもとになる成分カテキンやカフェインを極力抑え、うまみ成分のアミノ酸(大半がテアニン)だけを多く抽出することができるのです。

「うまみ成分であるアミノ酸が強く働き、やさしい甘みを感じられるのが、この氷水出し緑茶。テアニンが豊富なのでリラックスでき、快眠へと導いてくれる効果が高いのです」(大森先生)

特別な道具は要りません。いつものお茶の道具でOK

同じお茶でも、淹れ方ひとつで味わいや体への効果が大きく変わってくるわけですね。これには驚きです。では早速、大森先生のアドバイス通りに「氷水出し緑茶」を淹れてみましょう。

所要時間は約5分。香りを楽しみつつ、寝る前の深呼吸やストレッチなどのナイトルーティーンを組み入れれば、より効果的といえそうです。

用意するのは(1人分の場合)
●茶葉(玉露などのうまみ成分が豊富なもの)……4g
●水約90㎖
●氷2~3個

作り方
1 急須に茶葉を入れ、水を注ぐ。
2 氷を加え、そのまま5分ほどおいて抽出する
3 グラスに少しずつ注ぐ(最後の1滴まで注ぎきる)。

急須がない場合は、大きめのカップにティーバッグのお茶でもOK。また、茶葉を市販のお茶パックに入れてもかまいません。

待つ間にストレッチをしていたら、あっという間に5分経ちました。通常の2倍の量の茶葉を使っているせいか、色はやや濃いめ。ですが透明感があり、さわやかな雰囲気です。氷もほどよく溶けて冷たくておいしそう。

「わ、甘い!」

その場にいた人、誰もが思わず口にしたのがこの言葉。お茶独特のやさしい甘みが口いっぱいに広がります。苦みや渋味は一切なく、のどが心地よく潤うのみ。淹れ方でここまで変わるとは……! 

右が氷水出し緑茶。写真では伝わりにくいですが、澄んだ緑色が特徴です

「この1杯で、快眠に必要なテアニンは十分摂取できているんですよ。幼児や高齢者も問題なく飲めます」と大森教授。

冷たい飲み物が苦手な人や、冷たい飲み物を控えている人は、「氷水出し緑茶」をつくったあと、電子レンジで温めて飲んでも効果は変わりません。冬はホットで飲めば、年間通しての習慣にできますね。


氷出し緑茶を使った快眠ルーティーンは以下のとおり。

入浴後、就寝15分前をめどにトイレをすませる
↓↓
氷出し緑茶を入れる
↓↓
抽出中、深呼吸やストレッチなどを行う
↓↓
氷出し緑茶を飲む
↓↓
電気を消し、布団に入る

ぜひ実践してみてください。

いつものスーパーで手に入る、普通のお茶でOK

使用する茶葉は一般的な市販のものでOKとのこと。ティーバックでもよいというのも手軽です。
アミノ酸は一番茶に多く含まれるので、迷ったら一番茶を選ぶとよいかもしれません。

爽やかなお茶を飲んでよい眠り、嬉しいですね

港区の汐留にある「お~いお茶ミュージアム」では、8月1日より「夏におすすめ!冷たいお茶のいれ方体験」がスタート。厚生労働省認定の社内検定・伊藤園ティーテイスターが講師となって、いれ方を教えてくれるほか、冷茶に合う和菓子もいただけるそう。

この夏の予定のひとつに、いかがですか?

体験予約もwebからできます

提供/株式会社伊藤園
撮影・取材・文/高城直子

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND