子どもに夢を押しつけてない?期待しすぎるママ“あるある”

2018/05/03

しっかりした大人に育って欲しいあまり、子どもに過度に期待しすぎていませんか? 子どもとの向き合い方について、NPO法人育て上げネット理事長・工藤啓さんとイラストレーター・上大岡トメさんに編集部がお聞きしてきました。

自分がかなわなかった夢や進路を、子どもに託してしまう。また、自分がいわゆる“勝ち組”ゆえに子どもにそれを求めてしまうケースも。そんな“期待しすぎるママあるある”とは……。

過去の自分の夢を子どもに押しつけてる!?

工藤:子どもの言い分を聞く前に、「昔、私はバレエをやるのが夢だった。だから娘に習わせたい」とか「私は無理だったけれど子どもは将来○○になってほしい」というママもいます。期待というより夢の押しつけですね。

上大岡:そこまでのことはなかったけれど、うちの娘は小さいころから動物が大好きで、将来は獣医かな?と期待半分、決めつけ半分で娘に獣医を勧めていた時期がありました。今は全然違う仕事に就いています(笑)。

工藤:立派じゃないですか。親の意見に逆らえない子は、後悔することが多いんです。習い事も勉強も仕事も、するのは子ども本人。まずは子どもの言い分を聞くことが最優先です。

結果に対して、「さらに上」を求めすぎるケースも

工藤:わが子に対して、もうちょっと、さらにもっと、いやいやもっと、と期待値のハードルを上げると、親がハードルを上げることをやめられなくなってしまうんですよ。

上大岡:そのとおりですね。子どもが生まれたときは、とにかく元気に育ってくれればと思っていたのに、成長するにつれて、期待値ってどんどん高くなってしまうんですよね。

工藤:子どもの可能性を伸ばしたいなら、「ないもの」ではなく「あるもの」に着目を。今できることや、得意なことを褒めてもらったほうが子どもだってうれしいはずですよね。

よその子やきょうだいと比べがち

工藤:「お姉ちゃんはもっといい点だったのに」とか「いいわね、○○くんは△△高校に入ったんだって」など、無意識に人と比べるような発言をしがちなのも、期待過剰ママ。ですが、比較してもやる気を起こさせるどころか、傷つけて終わるケースが多いので、やめたほうがいいですね。

上大岡:うちの息子が小中と野球をやっていたときは、「みんなは上手なのに、うちの子は……」と比べてたかも。今となっては息子も小柄ながら頑張っていたなあと思うのですが。

ごほうびでつれば、子どもはやる気になると思ったり

工藤:ごほうびでつる、条件つきで褒める=過程よりも結果を評価すること。これがずっと続くと、子どもは「結果でしか評価されない」と無意識に感じて育ちます。親の求める結果が出せない自分に対して、自己肯定感が低い子になってしまうことも。

上大岡:う~ん、やっちゃってたなあ(汗)。

まとめ:頑張っている子どもの「今」をちゃんと目を見て褒めよう

子どもが今何を感じて、何を見ているか、まずはそこをよく見ましょう。子どもの「今」を親子で共有できていれば、子どもは安心して自己主張できるし、親子のコミュニケーションもはずみます。大事なのは「今」。ぜひ、子どもの目を見て、子どもの言い分を聞いて。

ついつい子どもに期待しすぎそうになったときには、ぜひ思い出してみてくださいね。

<教えてくれたのは…認定NPO法人育て上げネット理事長/工藤啓さん>
若者の「働く」と「働き続ける」を実現するため、若年無業者就労基礎訓練など多方面からの支援を行う。 https://sodateage.net/

<教えてくれたのは…イラストレーター/上大岡トメさん>
著書に『キッパリ!たった5分で自分を変える方法』(幻冬舎文庫)などがある人気イラストレーター。25歳長女と22歳長男あり。『子どもがひきこもりになりかけたらマンガでわかる今からでも遅くない親としてできること』(¥1,118/KADOKAWA)

参照:『サンキュ!』5月号「将来自分でしっかり食べていける子に育てるには?」より一部抜粋。掲載している情報は18年4月現在のものです。
イラスト/上大岡トメ 構成/竹下美穂子 取材・文/宇野津暢子

『サンキュ!』最新号の詳細はこちら!

関連するキーワード

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND