「特徴のない平凡な普通のママ」はなぜ4年間1,500日以上連続で音声配信を続けられたのか？やりたい事を叶えるためにあえて会社員を選ぶ「戦略的会社員」竹澤かおさんインタビュー

「あなたの肩書きは何ですか？」と聞かれ、即答できる人がどのくらいいるでしょうか。自分には特徴なんてない。人より優れていることは何もない、と感じている人が多いのではないでしょうか。

「自分に特徴がないなら作ればいい」と、できる事をコツコツ続け、会社員をしながら、子育ても副業も楽しんでいる竹澤かおさん。小さな一歩を踏み出すコツや時間術について話を聞きました。

＜竹澤かお（たけかお）さんプロフィール＞
戦略的会社員ワーママ。IT企業で正社員として働く傍ら、音声プラットフォーム「Voicy」で4年間毎日音声発信を続ける「Voicyパーソナリティ」としても活動。そのほかにも、コミュニティ運営、時間術を発信する有料note、講座の企画運営、マーケティングアドバイザーなど、副業活動は多岐にわたる。プライベートでは虫が大好きな小学5年生の息子を育てるシングルマザー。虫を活用した子育て“虫育児”をメソッド化した書籍「頭の良さと強い心が育つ すごい虫育児」を、2021年にKindle ダイレクト・パブリッシングで自費出版している。

時間を生み出す秘訣は「超朝型」習慣！

IT企業でフルタイム勤務の会社員をしながらVoicyパーソナリティを始め複数の副業を行っている竹澤さん。寝る間も惜しんで夜中に時間を確保しているのでは…と思いきや、返ってきた答えはその真逆。

「自分の時間は基本的に朝のみ。21時過ぎに息子と一緒に寝て、4時に起きる生活スタイルを10年近く続けていて、息子が起きてくる7時くらいまでの2-3時間が自分の時間なんです。だから毎日6-7時間は寝ていますね」と超朝型派。

自分時間を確保するだけでなく、睡眠時間もしっかり確保している竹澤さんは、まさに時間使いの達人です。一方で、やらないことも決めています。

「家事は家電をフル活用しています。食事はヘルシオ、ホットクックなどボタンを押すだけでOKな調理家電を愛用。もちろん食洗機も使っています。洗濯は乾燥機があるからほぼ干さないし、畳まない、ほうりこむだけ（笑）。天候の心配もないし、乾燥機は買ってよかった家電の代表ですね」

全てを完璧にこなすために家事を頑張り過ぎてしまう、という話はよく聞きますが竹澤さんのように、メリハリをつけることも大切ですね。

早起きのコツは、やらなきゃいけないことを「少しだけ残す」こと!?

早寝早起きと家電のフル活用で時間を生み出している竹澤さんですが、そもそも朝が苦手という人も多いでしょう。そこで、早起きの秘訣も聞くと「朝起きるコツは、やらなきゃいけないこと、締め切りがあるものを朝に持ってくること」だと教えてくれました。「やりたいこと」だと睡魔には勝てないので、やらなきゃいけないことを朝に持ってくる、絶対に起きないといけない理由を作るのがポイントなんだとか。

加えて、やらなければいけないことを「少しだけ残す」もポイントと竹澤さんは話します。たとえば、毎朝4時40分に配信している竹澤さんのVoicyですが、前日に予約配信ボタンを押さず、当日の朝起きて4時40分に配信設定。ボタンを押さないと毎日配信が途絶えてしまうわけですから、これぞ竹澤さんにとっては最重要の「やらなきゃいけなこと」というわけですね。

「会社員はポジティブな選択」という考えから生まれた「戦略的会社員」という肩書き

時間術の達人である竹澤さんは、「虫育児」や「後天的ポジティブ」、「戦略的会社員」などの印象的なネーミングを生み出す達人でもあります。とくに「戦略的会社員」は竹澤さんの代名詞とも言える肩書き。このネーミングに込められた想いについても聞きました。

「いまの時代は"好きを仕事に"や"自由に生きよう"という考えが好意的に捉えられている一方で、会社員でいることがネガティブに思われているように感じることもあるんです。私自身も起業・フリーランスへの憧れはありますが、世の中の人みんながその生き方をできるとは思えなくて…生きていくためにはお金が大事で、会社員をやめられない人のほうが多いんじゃないかなって。安定的に収入がある会社員はいい制度だし、会社員として働くのはポジティブな選択だと思うんです。戦略的に会社員を選んでいる、いまの自分の環境を自己選択している、という考え方から生まれた言葉なんですよ」と話してくれました。

また、最初はお金のために始めたVoicyを始めとした副業でしたが、今では「趣味・やりがい・生きがい」になっている、とも語る竹澤さん。

「自分の心が楽しいと思うことで、人にどれだけ喜んでもらえるかを考えるようになったんです。"お金はありがとうの対価"ということを学んでからは、まず相手のことを考えて行動するようになりましたね。昔はお金が先だったけど、今は人の役に立ちたいが先なんです。考え方が変わったら、自然とお金もついてくるようになりました」

楽しいワクワクすることを副業としてやれているのは、会社員としての収入があるからだと話します。自分の安心できる場所があるから、やりたいことができるという状況はまさに「戦略的会社員」。竹澤さんにとって副業はもう1つの居場所なのかもしれません。

つぎなる目標は商業出版、そしてその先も…

自分の好きなこと、楽しいと思えることを副業にしてきた竹澤さんの次なる目標は、商業出版。

2021年発売の著書『頭の良さと強い心が育つ すごい虫育児』はKindle ダイレクト・パブリッシングによる自費出版でしたが、2冊目の本は商業出版を目指しています。テーマは時間術。

「時間は平等に与えられているもの。時間をどう使うかで人生をより豊かなものにすることができると思うんです。自分自身が変わることができたという経験を元に、時間をうまく使えば人って変われるんだよ！ということを伝えていきたいと考えています」

もちろん、商業出版は竹澤さんにとってひとつの通過点でしかありません。「将来的には『時間の人』、『習慣化の人』にもなりたいと考えています。それをテーマにしたノートや手帳をつくるなどして、会社員×副業のパラレルキャリアについてももっと発信できる人になりたいんです」と、次から次へとワクワクする夢を語ってくれました。

変わりたい人へ竹澤さんから2つのアドバイス

最後に、「やりたい事にチャレンジしたくても、勇気がもてない人」へ向けて竹澤さんからのアドバイスをお届けします。

1．マイクロステップから始める

いきなり大きなことをしようと思ってもできません。自分にできる小さなことからやり始めればいいんです！「スモールステップ」なんて表現されることもありますが、私はそれよりもっと小さい「マイクロステップ」で良いと思います！

例えば、興味があることの本を読んでみる、セミナーに参加してみる、InstagramやXなどのSNSに登録してみる、Voicyで興味のある人の配信を聴いてみる...など、ふだんやっていないことを、負荷がない範囲でちょっとだけやってみてください。

そうやって小さな一歩＝マイクロステップを積み重ねていけば、一歩踏み出すことが普通のことになって、やがて挑戦することに抵抗がなくなるはずです。

2．環境を変えてみる

自分を変えたいなら、環境を変えてみることも大事。自分の場合はVoicyとの出会いが自分を変えることができるいちばんのきっかけでした。Voicyにはいろいろなことにチャレンジする人がたくさんいるから、その環境に身を置くことで、チャレンジが日常になっていくんです。

自分の興味のあるオンラインサロンやSNSのコミュニティに入ってみる、なども良いと思います。まずは入ってなにもしなくていいから、まずはそこに身を置くことが大切。普段出会えない人と出会って、チャレンジしている人がたくさんいる環境にいると、自然と「自分も変われるかも」と思うかもしれませんよ。

普通の毎日をちょっと楽しく！竹澤さんの今後に期待！

インタビューをする前は、「正社員として働くだけでも大変なのに、毎日発信を続けているなんて…どれだけストイックな人なんだろう」と想像していたのですが、話をきけば聞くほど、その考えが間違っていたことに気づかされます。

何よりも印象的だったのは、竹澤さんの笑顔。辛かった経験も素敵な思い出に変え楽しそうに話してくれる様子、聞いているだけでワクワクする将来の目標、毎日を楽しんでいる様子が笑顔からあふれでていました。

まさに、「普通の毎日をちょっと楽しく！」を体現している竹澤さん。次はどんなことを叶えてくれるのか、楽しみでしかありませんね。

自分自身も何かに挑戦してみたい、ちょっとだけ環境を変えてみたい、そんな人には竹澤さんのVoicyがおすすめ。早起きして聴いてみたら「普通の毎日がちょっと楽しくなる」ヒントが見つかるかもしれませんね。

■執筆者・・・サンキュ！STYLE 取材班 　村上真由美
子どもは年長と小4、旅行会社で働くフルタイムワーママ。片づけ好きが高じて、整理収納アドバイザー＆クリンネスト取得。サンキュ！STYLEにて片づけ・整理収納に関する記事を執筆中。