お盆の飾りはいつから出す?盆棚(精霊棚)の意味や必要な物、置き場所を解説
2018/07/25
お盆のとき、仏壇などに飾り付けをするものはいろいろあります。その意味や、並べ方のルールなど、気になる点を冠婚葬祭アドバイザーの中山みゆきさんに教えてもらいました。
「精霊棚(盆棚)」の意味と飾り付けの時期
「精霊棚(しょうろうだな)」とは、ご先祖さまの霊である精霊をお迎えするための棚のことで「盆棚(ぼんだな)」とも言います。
お盆の入り(8月がお盆のところでは、8月12日夕刻から13日の朝まで)には、この棚を仏壇の前に置いて飾り付けをします。新たに購入する場合は、組み立て式のものがおすすめ。お盆以外のときは、コンパクトに収納しておけますよ。
「精霊棚(盆棚)」に飾るもの
まず、仏壇から位牌、ろうそく、香炉、鐘、花立を「精霊棚」に移します。お花、初物の果物や野菜、お菓子、故人の好きだった食べ物や飲み物などを供えます。そうめん、白玉団子、きゅうりで作った馬、なすで作った牛、「水の子」という水鉢を供えることもあります。
宗派、地域などによって違いがあるので、実家や義理父母の家などの方に事前に聞いておくといいですね。
「精霊棚(盆棚)」に供える物には意味がある
小さい頃、仏壇や「精霊棚」に飾られたなすやきゅうりを見て不思議に思った経験はありませんか? それぞれ意味があるので紹介します。ぜひ飾る意味を覚えましょう。
まこもの敷物
お釈迦さまがまこもで編んだ敷物に病人を寝かせて治療されたと言われています。そのような言い伝えから、「精霊棚」の上に敷かれるようになりました。
きゅうりで作った馬・なすで作った牛
きゅうりで作った馬は「精霊馬(しょうろううま)」、なすで作った牛は「精霊牛(しょうろううし)」と言い、ご先祖さまの霊に乗っていただくために作ります。
家に帰ってくるときは早く帰って来られるよう足の速い馬、あの世に戻るときはたくさんのお土産を持てる力のある牛で、ゆっくりあの世に帰ってほしいという意味があります。
馬と牛の足はおがら、または割り箸でつけます。ご先祖さまは東から帰ってくるので、馬はきゅうりのヘタの部分を頭に見立て西向きに、牛はなすのヘタの部分を東向きに飾ります。
水の子
さいの目に切ったなすときゅうり、洗ったお米、水を一緒に器に入れたもの。ご先祖さまの喉に優しく通るように、食べ物が行き渡るように、などの意味合いがあるようです。
ほおずき
ご先祖さまの霊は提灯の明かりを頼りに帰ってくると言われています。ほおずきはその姿が提灯に似ていることから、提灯の代わりとして飾ります。
お盆の時期が近くなると、スーパーなどでまこもやほおずきなどが売られるようになります。ネット通販で、「精霊棚」も含めたお盆セットなどを利用してもいいでしょう。
並べ方はどうするの
「精霊棚」の飾り付けの仕方や並べ方は、宗派、地域、それぞれのお家によっても違いがあります。その家のやり方を教えてもらい、飾り付けをするといいでしょう。
※浄土真宗は特別に用意するものはありません。
家が狭くて棚が置けないときはどうする?
近年はマンション住まいの方が増えていることもあり、「精霊棚」を作らずに仏壇に飾りつけをするお家も多いです。仏壇の引き出しの上に並べたり、またお手持ちの小さなテーブルや机で代用しても大丈夫。そのお家で無理のない範囲で用意できるものを飾りましょう。
まとめ
供える物のひとつひとつの意味がわかると、お盆という行事そのものの意味も深く分かってきます。お子さんにも飾り付けのお手伝いをしてもらいながら、意味を伝えて行くことも大切なことですね。
教えてくれたのは・・・中山みゆきさん
冠婚葬祭アドバイザー。All Aboutで冠婚葬祭サイトの運営に携わる。現在は、その知識を生かして冠婚葬祭関連のアドバイス活動を重ね、「思いやり」の心を大切にした情報を発信中。
取材・文/有馬未央(KIRA KIRA)