イヤなことが起きたとき、つい「イラッ」としてしまいがち。そんな自分が嫌になることもありますよね。でも、イラッとしてしまうのは仕方のないこと。問題は、そのあとの「考え方」にあるんです。日常生活で起こる「イラッ」を「イライラ」に発展させないための「マインドチェンジ術」を教えます!
「イラッ」と「イライラ」の違い
生活のさまざまなシーンで遭遇するイラッとする出来事。この「イラッ」は、人として当然の反応で、一種の防衛本能。「本来あるべき状態と違うこと」が起きたときに人は違和感を覚え、危険がないかを確認しているのです。
一方「イライラ」するのは、不快な言動や状況を何度も思い出したり、「なんで?」と繰り返し考えているとき。つまり、自分がつくり出した思考こそが、イライラの正体なのです。
イライラをなくすためには?
それは、「イライラにつながる考え方をやめる」=マインドチェンジすること!人は自分だけが被害者だと思うと損をした気持ちになる傾向がありますが、イライラしても残念ながら状況は変わりません。むしろ自分が傷ついていくだけ。マインドチェンジ術を身につければ、どんなイヤなことが起きてもイライラを引きずらなくてすむのです。
シーン別!イライラ“マインドチェンジ”術
イライラにはイライラのもと(原因)があり、5つに分類できます。よくあるシーン別にマインドチェンジ術を伝授。
■急いでいるのに電車が遅れている
想定外のことが起きると現実を受け入れられず、「なんで?」が止まらなくなりイライラに発展しがち。マナー違反の人に遭遇したときも同じです。自分は被害者だと受け止め、「こんな日もある」と気持ちを切り替えて。
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【マインドチェンジ】
仕方がない!私のせいじゃない!!
■子どもに怒りすぎてしまった
相手に怒りをぶつけてしまい、あとから自分を責めてイライラするパターン。このとき、怒りの矛先は「自分」に向いていて、なぜ最初にイライラしたかを忘れがち。イライラの根本に立ち返ると、意外と納得できることも。
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【マインドチェンジ】
(イライラした理由を思い出して)イラッとしても仕方のないことだ!
■夫がやりくりに非協力的
人は不安を抱くと、もっと節約するべき、夫は協力するべきといった「べき」が強くなります。この場合、「自分は困っている」と認識することがポイント。完璧主義な人ほど、不安感が強い傾向があります。
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【マインドチェンジ】
私は今、困っている。それを伝えよう。
■暑くてだるくて、何もかもイヤ
体調不良だったり、寝不足のときは「イラッ」センサーが敏感に。感情をコントロールするエネルギーがなくなれば、許容範囲も狭くなるのです。そんなときは疲れを認めて、心と体を休めましょう。
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【マインドチェンジ】
頑張らなくてもいい!堂々と休もう。
■納得できない悪口を言われた
「私が悪いの?」と自分を責めているうちに、「なんでそんなこと言われなきゃいけないの?」とイライラ。納得できないことは、聞き流すのが賢明。相手を「要警戒人物」と認識しておけば、今後のイラッも軽減できます。
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【マインドチェンジ】
聞かなかったことにしよう!今後かかわらないようにしよう!
生活の中にはいくつも「イラッ」とする瞬間があります。しかし、小さな「イラッ」が「イライラ」にならないために、負の思考をマインドチェンジ(思考の転換)していきましょう。
●教えてくれたのは……水島広子さん
精神科医・医学博士。対人関係療法における日本の第一人者。2児の母でもあり、「怒らない子育て」を推進。近著に『イライラを手放す生き方』(さくら舎)。
参照:『サンキュ!』9月号「「疲れない体」と「イライラしない心」のつくり方」より。掲載している情報は18年7月現在のものです。構成/草野舞友 取材・文/鹿島由紀子 編集/サンキュ!編集部
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