病気の子どもとその家族のために私たちができること
2018/10/01
子どもの病気は突然発症し、重症化もしがち。子どもの重病は他人ごとではないですよね。日本で重い病気と闘っている子どもは約14万人いるといわれています。専門的で最善な医療を受けるために、遠く離れた病院に入院しているお子さんの家族も。
その心身と経済的な負担軽減のための施設、東京大学医学部付属病院敷地内にある「ドナルド・マクドナルド・ハウス東大」を取材してきました。
多くの寄付とボランティアで成り立つ「ドナルド・マクドナルド・ハウス」
「ドナルド・マクドナルド・ハウス」は、全国に12カ所あり、個別のベッドルーム、共用のキッチンや談話スペースから成り立っています。日本マクドナルドほか多くの企業、個人の寄付とボランティアで運営され、1人1日1000円で利用できます。
「ドナルド・マクドナルド・ハウス東大」は、「第2の家」がコンセプトというだけあって、ボランティアのかたが施したアップリケがあるベッドカバーや宿泊したかたのメッセージ帖があるなど、付き添いのかたが癒される工夫を各所に感じられます。
付き添いが必要にも関わらず、設備がない現状
お子さんの心臓病のためにハウスを利用された馬場玲子さんにお話を伺いました。
「息子が小5の時、健康診断で心拍に異常があると分かりました。そのうち水泳やサッカーが大好きな息子が『苦しくなるのでサッカーを休みたい』と言いだし、専門機関で受診すると拡張性心筋症だと判明。どんどん重症化して地元の病院から東大付属病院に転院することになりました。東大付属病院でもベッドの隣りに簡易ベッドを借りて泊まれた一般病棟から集中治療室に移ることになり、泊まりの付き添いができないと言われて茫然としました。うちから病院までは2時間ほどかかるため、通いには限界があるからです。急な呼び出しで駆けつけることができない心配もありました。そんなとき、こちらを知り、利用することになりました」
ボランティアのかたの温かさが心の支えに
息子さんの病状は一進一退で、血流が悪くなると胃に負担がかかり、戻してしまうこともあったそうです。
「足をさすると胃の気持ち悪さが収まるというので、1日中付き添って、足をさすっていました。特別に面会時間を延ばしてもらい、ときには23:00すぎまでいたことも。でも病院を出たとたん、『この状態がいつまで続くのか』『もっと悪くなったらどうしよう』と泣けてきて。その状態でハウスに戻ってキッチンにいたとき、夜間の見回りのボランティアさんが話しかけてきて、そのかたの故郷のお祭りの話や方言の話など病気以外の話をしてくれたんです。気持ちが晴れて、明日も頑張ろうという気持ちになれました」
今では、お子さんも心臓移植を経て、元気に通学、サッカーも再開しているとのこと。まだ、完全に安心はできないけれど、心にゆとりがでてきたという馬場さんは、ご自身も自宅のそばのハウスでボランティアを始めたそうです。
わたしたちができるサポートについて考えるきっかけに
「ドナルド・マクドナルド・ハウス」ではボランティアのほか、募金、物品寄付も受付中。詳細は、ホームページで確認できます。
また、日本マクドナルドは、この10月に「ドナルド・マクドナルド・ハウス」の支援を目的としたキャンペーンを実施します。
2018年10月15日から28日まではヤフオク!で「マックハッピーデー チャリティーオークション」を実施。28日は「マックハッピーデー」として、全国のマクドナルドでハッピーセットを1つ買うと、50円がドナルド・マクドナルド・ハウスに寄付されます。
当日ハッピーセットを買うと、「マックハッピーデーハンドビル」(上記写真)がもらえるとのことなので、お子さんと一緒に自分たちにできるチャリティについて話したり考えたりするきっかけにしてみてはいかがでしょうか?