初めてのファミリーキャンプ、成功させる秘訣は?
2018/10/05
小さい子どもと一緒の場合、自然の中で過ごすキャンプは不安がいっぱい。楽しいキャンプの思い出をつくるためには、下調べと準備が必要です。親子で初めてのファミリーキャンプを成功させる秘訣を、アウトドアナビゲーターの渡部郁子さんに教えてもらいました。
子どもと一緒にキャンプ、どんな準備をすればいい?
親になると、自分はアウトドアに興味がなくても、子どもにアウトドアを体験させたいと思うもの。さまざまな現場で取材するなかで、子どもが生まれてからアウトドアに興味を持った、子どもがキャンプに行きたがるから何度か行くうちにキャンプが好きになった、というファミリーによく出会います。子どもと一緒にキャンプに出掛けたくなったら、どんな準備をしたらいいのか、確認してみましょう。
子どもとのキャンプに最適な季節はいつ?
キャンプ場を探すときは、場所と季節に注意しましょう。夏は標高の高い場所にある高原キャンプ場がおすすめ。盛夏でも朝晩は比較的涼しく、寝苦しさに悩まされる心配がありません。また、川や湖など水辺で遊べるキャンプ場は、夏に選んだほうが思いっきり遊べます。
標高があまり高くない場所、近場のキャンプ場、あるいは家の庭などは、気候的に過ごしやすい春か秋がおすすめです。小さいお子さんを連れてのキャンプなら、過ごしやすい季節に、近くのキャンプ場を探してみるのがよいかもしれません。
子どもと楽しむキャンプ場の選び方
初めてのキャンプは、なるべく道具がそろっていてすべてレンタルできるような、手ぶらプランのあるキャンプ場がおすすめです。設備がそろっている所は、水回りもキレイなことが多いです。
入浴設備や近くに温泉があるキャンプ場なら、大いに遊んで泥んこになっても安心です。最近は、おむつ替えベッドを用意しているキャンプ場も増えているので、乳幼児と一緒にキャンプに行く際は確認してみましょう。
子どもと初めてのキャンプで準備するもの
自分で道具をそろえるなら、まずは寝袋から。キャンプ場では、コテージでベッドがある場合もシーツや寝袋を持参する必要がある所が多いです。手ぶらプランのあるキャンプ場なら、寝袋もすべてレンタルできるので、まずは寝袋の使い勝手を試してみてください。次回から自分の寝袋を用意しても遅くありません。そのほかヘッドライトや小さなライトは、あると便利です。
初めてのキャンプ前に「テントはどれを買ったらいいですか?」とよく質問をいただきますが、それはちょっと待ってください! いきなりテントを買うよりも、まずはレンタルでテント泊を試してみるのがいいでしょう。そのためにも、キャンプ場にどんなテントがあるかを確認しておきましょう。
子どもとの初めてのキャンプで持参するもの
すべてレンタル、手ぶらでキャンプ場に行くなら、持参するものは服とタオルです。特に防寒着。アウトドアでは、日中と夜の気温差があるので、重ね着できるような服を多めに持っていくことが有効です。アウトドアでは服を大胆に汚したり、水にぬれたりすることが多々あるので、子どもの着替えは、下着も含めて1組は必ず多めに持参しましょう。
子どもとのアウトドア料理はどう楽しむ?
料理を作るためには、グリルの準備が必要です。手ぶらプランのあるキャンプ場なら、グリルの用意もすべておまかせ。その場合、料理のセットもオーダーできることが多いので、追加であったほうがよさそうな食べ物だけ持参しましょう。
例えば、焼き肉セットしかない場合に子ども用ソーセージを準備していくとか、デザートのフルーツやマシュマロ、食後のコーヒーセットなどを持参することで、食の楽しみが広がります。
グリルも食事も自分で用意する場合は、炭や着火剤、手袋やトング、食材を運ぶクーラーボックス、調理具、食器、カトラリーなど、何が必要か書き出して、もれなく持参するように気をつけましょう。
子どもとのアクティビティは下調べが重要
キャンプ場や周辺で体験できるアクティビティは事前に調べておきましょう。畑が併設され収穫を体験できるキャンプ場もあれば、湖でカヤックやSUP(スタンドアップパドルボード)の体験が可能なキャンプ場もあります。子ども向けに特化したキャンプ場なら、アスレチックや、雨の日でも楽しめる木工体験などのアクティビティが充実している所も。
グランピングで人気の「伊勢志摩エバーグレイズ」には、カヌーつきのキャンプサイトがあります。水辺のテントサイトから、いつでも専用カヌーでこぎ出すことができるぜいたくなキャンプサイトです。同じくグランピングをテーマにした「PICA Fujiyama(ピカフジヤマ)」は、透明ドーム型テントの中に、天体望遠鏡が設置されています。夜になると満天の星を天体望遠鏡で観察できるのが魅力です。
子どものトラブル対応はどうする?
アウトドアでは多少のケガがつきものですが、川で滑って転んだり、走って転んで岩にぶつけたりすると、思わぬ大けがにつながることもあります。ケガを防ぐために、服装に気をつけたり、危険な場所を子どもと一緒に確認したりしながら、基本的には子どもから目を離さないように注意しましょう。
ただし、「危ないから」といって行動を極端に制限するのはあまりにもったいない。絆創膏やガーゼ、包帯など簡単な救急セットは持参し、思いっきり遊べるよう見守ってあげましょう。
フェスでキャンプデビューもアリ!
親子向けのキャンプフェスが増えてきました。しかも、キャンプグッズの貸し出しつきプランなどがあり、キャンプ初心者におすすめです。
フェスの場合、チケットの購入が必要ですが、さまざまなコンテンツやアクティビティを楽しめる魅力があります。そして、飲食出店がありますので、料理を作る手間がかかりません。
キャンプでは、料理も楽しみのひとつであることは間違いありませんが、料理の時間を少し短縮して思いっきり遊ぶ時間が確保できるという点もまた魅力です。イベントが好き、音楽が好きというかたには、フェスでキャンプデビューがおすすめです。
◆監修・執筆/渡部郁子
アウトドアナビゲーター、温泉ソムリエ。JFNラジオ「JOYFUL LIFE」ほか、山と温泉と音楽をテーマに「人生を豊かにする情報」をさまざまなメディアで発信中。子どもにやさしい温泉や山、フェス情報など、子どもと一緒に楽しむアウトドアスタイルを提案している。