【連載】熟れすぎMANGO VOL.111
2017/09/26
「「夫婦」を楽しむちはるのスーパーポジティブY談」をお届けします。
おフェロおばちゃん
「ちはるさんって、おフェロ顔ですよねぇ」近所の立ち飲み屋で最近良く会う20代の女子にまじまじと顔を覗き込まれ、突然言われた。「お、おフェ◯顔って!あんたったらいきなり下ネタ~」引きつり笑いで返す私。「やだ、違います。おフェロ顔、知らないんですか」ふぇ…知らない。なんだそりゃ?「え、そう言われると上手く説明できなぁい。雰囲気で可愛いと思ったら普通におフェロって使ってるから、あんま意味とか考えてなかったです。ちょっとググってみてくださいよぉ」そう言って、私の携帯を指差している。まったく、近ごろの若いもんは! ちょっとイラついたけど、気になるので、言われるがまま調べてみることに。
なんでも『おフェロ』というのは、オシャレ+フェロモンの造語なのだそう。可愛いだけでもなく、セクシーなだけでもない、両者の良いとこ取りな「おフェロ女子」が近ごろのトレンドらしい。「へぇ。オシャレの『お』とフェロモンの『フェロ』なんですねぇ」ホロ酔いの娘っ子は私の携帯を覗き込んで妙に感心している。自分で言い出したくせにッ!でも、そんなおフェロ顔なんて言われて、結構うれしい。芸能人でいうと、石原さとみさんや佐々木希ちゃん、そしてモデルの森絵梨佳ちゃんがおフェロ顔の代表なのだそう。つやのある健康的なお肌と、火照りを感じさせる頬、そして色気のある濡れたポッテリ唇が「おフェロ」の決め手らしい。「ヨシッ、一杯おごっちゃる!」いい気分になってホロ酔い娘を振り返ったら、かなりのおフェロ顔をしている。ああ、酔っぱらった女は大抵おフェロ顔になるんだね(笑)。
私は普段、ほとんどスッピンだ。理由はメイクが下手だから。若い時から、お化粧は仕事の時にメイクさんに任せるもの、という感じだったからだと思う。今でも、アイラインを自分で上手に引くことが出来ない。あと、デパートのお化粧品売り場の雰囲気が苦手。何を買ったらいいのか毎回アセアセしてしまう。やっと買っても、結局あまり使わないので洗面所の一角に古い化粧品がたんまりと溜まってしまうのだ。もはや、いつ買ったのかも分からなくなってしまったファンデーションやアイシャドウ達が、私をますますメイクから遠ざけるのだ。
しかし、スキンケアは昔から好きだった。メイクを人に任せることが多かった分、スッピンのお肌を出来るだけキレイに整えておくことが当たり前だと思っていた。化粧水に乳液といった基礎化粧品は、近所のドラッグストアで手軽に買えるものが多い。その方がたっぷりと贅沢に使える。じゃぶじゃぶと使いまくれる基礎化粧品は私にとって愛着がわくものだ。そのおかげなのか、普段スッピンでいることに今でもあまり抵抗がない。シミやくすみを隠す魔法のパウダーより、お肌がぷるんと喜ぶ潤いの魔法をかけたいと思うのだ。
スキンケアは怠けていないわよ!と言いたい私なのだが、なにぶん歳には勝てない。どうしたって、くすみやたるみも目立ってくる。そこで、今年の誕生日からエステ貯金をはじめた。ただの五百円貯金なのだけど。10枚前後を貯めれば60分の美顔コースを一回受けられる。最低でも月に一回はこれを使ってエステに行くようになった。月に一度でもお肌のプロに見てもらうと随分と変わるものだ。自分の肌質やケアすべきポイントも良く分かるようになった。正直、エステは藤原紀香さんのようなセレブが行くもの、と決めつけあまり興味がなかった。でも、初回の体験コースなどにすると、通常料金よりも激安で受けられるサロンも多い。自分に合うところが見つかるまで、月に一度のエステ巡りもなかなか楽しいものだ。
いくつになっても、自分みがきを楽しんで、いかしたおフェロおばちゃんでいたいなぁ。
文/ちはる
ちはる テレビ、CF、著書の企画、 プロデュースなどで活躍中。2012年、14歳年下の旦那くんと再婚。 目黒でカフェ「チャム・アパートメント」を経営。