プロから聞いた失敗しない「サンドイッチ」のつくり方
2024/07/09
同じメニューなのに、家とお店では味が全然違う……というのは日常的によくあること。しかしその味の違い、じつはちょっとした“ひと工夫”で埋まるかもしれません。
グルメライターとしても活躍する増田剛己さんに、プロの料理人の取材を通じて得た、店の味に近づける“ひと工夫”を紹介してもらいます。今回のテーマは「サンドイッチ」!
喫茶店マスターが教える、おいしい「サンドイッチ」の秘訣とは?
パンさえあれば、手元にある材料でサッとつくれる「サンドイッチ」。すぐに食べてもいいし、お弁当や帰りの遅い家族向けの食事としても便利。一方で、失敗することが多い料理でもあります。
今回は、「サンドイッチ」をメニューにする喫茶店のマスターから聞いた、失敗しない「サンドイッチ」のつくり方をご紹介します。
まずは、具材はなにがいいのか聞いてみました。「なんでもいいよ。むしろいろいろな具材にチャレンジしてほしいね」とのこと。冷蔵庫に入っているものならなんでもOKだそうです。
そういえば、筆者も塩さばの食べ残しを「サンドイッチ」にしたら、とてもおいしかった記憶があります。おいしさのコツを聞くと「そりゃね、おいしいパンを使うことだよ」とのこと。まあ、このあたりはご自分の好きなパンを使ってください。
失敗しないコツ1:軽くトーストしておく
「サンドイッチ」で失敗する最大の原因は、水気です。とくにお弁当など、時間をおいて食べる場合、パンが水分を吸ってふにゃふにゃになってしまうとおいしくありません。
それを回避するには、パンを軽くトーストして、水分を飛ばしてしまえばOK。焼き目がつかない程度にトーストしましょう。ただし、ふわふわのパンの食感が好きというかたや、すぐに食べる場合は、必ずしもトーストする必要はないので、この工程は省いてもかまいません。
今回、いくつかの喫茶店のマスターにお話を聞きましたが、トーストする派、しない派それぞれいらっしゃいました。
失敗しないコツ2:隙間なくバターやマヨネーズを塗る
これはどのお店のマスターも言っていましたが、パンの具材をはさむ側には隙間なくバター、マーガリン、マヨネーズなどを塗るのが重要だそうです。こうすることで、具材の水分がパンに移るのを防ぐわけです。スライスチーズなどを置くのもいいですが、その場合も隙間をつくらないようにしてください。
ちなみに、バター、マーガリン、マヨネーズ、どれを塗るのがおすすめなのかも気になりますよね?そこで、マスターたちにどれがいいか聞いた結果……「好きなものを塗ればいいんですよ」とのこと。「サンドイッチ」はそんな自由さがいいんでしょうね。
失敗しないコツ3:具材の水分をよく取り除く
野菜を洗ったあとは、キッチンペーパーなどで水分をふき取りましょう。野菜の水切りを使うと、簡単に水が切れます。トマトなどは、真ん中のタネ部分は取り除くといいようです。
あるマスターは「自宅でつくる場合、野菜はたっぷり入れたほうがいいですよ。原価のことがあるので、お店ではそんなにたくさん入れられませんけど」と教えてくれました。ぜひ、野菜多めでいきましょう!
失敗しないコツ4:ラップで巻いてから切れば失敗なし
「サンドイッチ」で多い失敗の代表が、切り分けるときに、具材などがはみ出してしまうこと。でもラップに包んで切れば、そんな失敗もないそうです。とくに具材をたっぷり入れた「サンドイッチ」は、この方法でうまく切れます。切ったら、そのままお弁当に入れてもいいし、アルミホイルに包んでもいいですね。
失敗しないコツ5:調理時は素手でふれない
失敗しないコツとは少し違うかもしれませんが、「サンドイッチ」づくりでは衛生面も注意しておきたいところ。具材などを乗せるには手を使ったほうが楽ですが、素手でそのままさわるのはNG。
手は、念入りに洗っても雑菌が残っている場合があります。そこで、使い捨てのポリエチレン手袋などを使いましょう。手が汚れることもありませんし、菌がつく心配もありません。使い捨てだから、処分も楽ちんです。
水分に気をつければ、なにをはさむかは自由!
マスターが言うには、「サンドイッチ」のいいところは「水気が出るもの以外ほぼなんでも具材になるところ」だそうです。珍しい具材では、バターを塗ったパンにのりをはさんだものなど。実際、そんな「サンドイッチ」を出す喫茶店もあります。好きな具材をたっぷり入れた「サンドイッチ」を、ぜひつくってみてくださいね。
監修・文/増田剛己
WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『歩考力』(ナショナル出版)、『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎新書)などがある。