エアコンの掃除、素人がどこまでやっていいの?どこからプロにまかせたらいい?
2024/07/18
エアコンは定期的に掃除したほうがいい、と言われていますが、一方でエアコン掃除はプロに任せたほうがいい、という意見もあります。一般の人はどこまで自分で掃除しても大丈夫なのでしょうか?ハウスクリーニングのスタッフとして働く掃除のプロ、土井恵子さんに聞いてみました。
フィルターの掃除は定期的に“自分で”やって!
「エアコン掃除はプロにまかせたほうがいいのですが、まったく掃除をしなくていいかというとそうでもないんです」と土井さんは話します。では、具体的にどこまで自分でやってもいいのでしょうか。
「フィルターの掃除などは定期的にご自身でやることをおすすめします」とのこと。エアコンに限らず、マメに掃除をしておくことは、汚れがひどくならないため、ぜひやったほうがいいようです。マメに掃除をすれば、1回1回の掃除はとても楽になります。
しかし「内部のクリーニングはプロに任せたほうがいいですね。エアコンというのはいろいろな種類があって、その機種に合わせた掃除方法が必要です。ですから、そこはプロに任せてください」とのこと。
エアコンは、外カバーの下にフィルター、その下にフィン。さらにその内部にはファンがあります。素人が掃除していいのはフィルター部分のみになります。
というわけで、素人がやっていい部分の掃除の手順を説明していきましょう。
エアコンの掃除をする前の準備
土井さんによれば、エアコン掃除は準備が大事だそうです。まず、エアコンのスイッチを切り、コンセント抜きます。
エアコンの下に古新聞などを敷いておきましょう。また、エアコンはたいてい高い場所に設置してありますので、脚立や安定感のある椅子を使います。
またできればゴム手袋、マスクも装着しましょう。ホコリなどを吸うと健康を害するおそれがあるからです。エアコンの掃除に限らず、掃除をする時はマスクやゴム手袋はするように心がけましょう。
フィルターは外す前にも掃除機をかけます
エアコンは機種によって構造が大きく異なるので、フィルターとひとくちにいってもいろいろなタイプがあります。ただ、ほとんどのフィルターは利用者自身で掃除できるので、説明書などを見て、取り外しに挑戦してみましょう。
ただし、いきなりフィルターを取り外すのはNGとのこと。ホコリがたまっているフィルターですから、取り外す前に掃除機をかけておくのが正解です。このひと手間で、フィルターを外す際に舞い上がるホコリの量が少なくなります。
また、忙しいときはフィルターを外さず、表面に直接掃除機をかけるだけでもずいぶん違うそうです。
掃除機をかけたら、ゆっくりとフィルターを外し、新聞紙などの上に置きましょう。そして、さらに掃除機でホコリを吸い取っていきます。
水洗いをしても大丈夫ですが、注意点があります!
フィルターは水洗いをしても大丈夫です。
さほど汚れていない場合は使わなくなった歯ブラシなどでやさしくこすってください。フィルターは破損しやすいので力強くこするのはNG。ひどい汚れが付着している場合は食器用の合成洗剤を薄めた液に1時間程度つけ置いておくといいそうです。
フィルターの掃除もこまめに行えば、さほど汚れがつかないので、2週間に1度位はやっておきたいところです。
ただし、水洗いした場合はしっかり乾燥させること。濡れたまま装着するのは絶対にNGです。水分はカビの発生やエアコンの故障の原因になりますので、必ずよく乾かしてから装着してください。
市販のエアコンクリーナーは、フィルター用のものがおすすめ
ホームセンターなどではエアコン用のクリーナーとしてスプレー式のものが売られています。これらのものを使って掃除して大丈夫なのでしょうか。
プロによれば「エアコンクリーナーには、フィルター用、フィン用、ファン用があります。フィルターは取り外しのできる部分のこと。フィルターを取り外すと見えている金属部分がフィンで、さらにその奥にファンがあります。つまりこのふたつはエアコン内部ということになります。クリーナーは一般に販売されているものですから利用NGというわけではないのですが、“素人でも安全に使える”という意味で言えば、フィルター用の利用に留めるのがいいでしょう」とのこと。
前述したように水洗いしても汚れが残っている場合、使ってみるのもいいかもしれません。
まとめ
なぜ、素人のエアコン掃除はフィルターまでかというと、それ以上の内部を掃除しようとすると、故障するかもしれないからです。
自分で掃除をしてエアコンが故障した場合は、自費で修理をしなければなりません。エアコンはプロにとっても難しい掃除。まれですが、プロでも失敗することがあるそうです。しかし、ちゃんとした業者は保険に入っているため、故障しても無料で修理をしてくれます。ですから、一概にプロにまかせるということではなく、優良のプロにお願いすることです。業者を選ぶ時には、掃除で故障した場合の保険に入っているかどうかを聞いてみてもいいでしょう。
◆教えてくれたのは・・・土井恵子さん
アパートやマンションの原状回復工事、在宅ハウスクリーニングを請け負う会社に長年勤務したのち独立。現在はフリーでハウスクリーニングの業務に携わっている。
◆取材・文/増田剛己
WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『歩考力』(ナショナル出版)、『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎新書)などがある。