親子で行くなら秋がオススメ!親子秋登山の楽しみかた・注意点

2019/09/03

「子どもと一緒に登山に行ってみたい、そんな親子にオススメする季節は秋です」と、話すのはアウトドアナビゲータの渡部郁子さん。

子どもでも無理なく登れる低山は、夏だと少々暑すぎることがあり、春は残雪が心配。冬は雪が降ることを考慮するなら、残るは秋となるそうです。

秋は何をするにもいい季節。運動の秋、芸術の秋、食欲の秋、もちろん登山の秋にもおすすめ。この秋、親子で登山デビューをするためのポイントを解説してもらいました。

秋登山の魅力・楽しみ方

秋は運動するのにちょうどいい季節。筆者の場合、秋が来ると登山したくてうずうずしてきますが、同じように「うずうずする人」は多いようで、非常に山が混みあう時期でもあります。特に紅葉のシーズンは、年間で一番人気の季節。

子どもと登山に出掛けるなら、あまり混雑しない紅葉前の時期や平日を選び、なるべく紅葉のシーズンを避ける計画を立てるようにしましょう。もちろん、紅葉を見に行くのはとても貴重な体験。ただし、混雑を覚悟して、それ相応の準備をして出かけましょう。

落ち葉や木の実を楽しんで、予定変更も柔軟に

小さな女の子が落ち葉で遊んで
Hakase_/gettyimages

落ち葉や木の実が登山道を埋め尽くす季節。ふかふかの落ち葉のじゅうたんは、子どもにとって楽しいアトラクションの一つになるはずです。いろいろな葉っぱを見つけながら、急がずゆっくり登山を楽しんでください。

どんぐりをたくさん見つけることができるのも、この季節ならではの楽しみのポイント。ときには、子どもが落ち葉やどんぐりに心を奪われて山頂にたどり着けないこともあると思います。そんなときは、予定を変更して一緒に楽しめる”時間と心の余裕”が必要です。

秋の親子登山におすすめのコース

秋に歩きたい、親子登山におすすめのコースを紹介します。

おすすめ1:筑波山(茨城県)

男体山と女体山、2つの峰を持つ山で、日本百名山の中で一番標高が低い山として知られています。ロープウェーやケーブルカーがあり、だれでも気軽に山頂を目指せること、巨岩、奇岩などがあり、登山だけでない楽しみもあることから人気があります。

おすすめ2:北横岳(長野県)

北八ヶ岳に位置する標高2,480mの山。ロープウェーで一気に1,771m地点まで、約7分で登ることができます。坪庭と呼ばれる庭園があり、溶岩台地に低木や高山植物が点々とはえる独特の景観が人気です。

おすすめ3:長坂山と赤目四十八滝(三重県)

美しい滝が連なる渓谷として全国に知られる赤目四十八滝渓谷。滝を見ながら歩く渓谷トレッキングコースのほかに、西側にそびえる長坂山への登山道が整備され、山歩きと渓流散歩をセットで楽しめます。数多くの滝のほか、渓谷の入り口には、この地に住むオオサンショウウオやイモリを飼育展示している「日本サンショウウオセンター」があり、見どころ満載です。

おすすめ4:油山(福岡県)

油山市民の森公園の中にあり、約1時間で気軽に登頂できます。ラクダ杉やメロンパン岩などのユーモラスな見どころを探しながら楽しめます。帰りに、近隣の油山牧場もーもーらんどに立ち寄って、おいしいソフトクリームを味わいましょう。

秋登山の注意点は?

気温も落ち着き、登山するのに最適な秋ですが、この季節ならではの注意点もあります。標高が低い山だからと油断せず、注意事項を確認ししっかりと準備をして臨みましょう。

秋の山は天候に注意

山の天気は変わりやすいと言われますが、秋の山の天気はさらに注意が必要です。夏に比べて涼しく歩ける一方で、朝晩は急激に冷え込む季節。体温調整が可能なウェアや着替えを用意し、体調管理には十分注意して登山に望みましょう。

雨にぬれて体温を奪われることは、命の危険につながります。大人も子どもも、雨に濡れない防水対策をしっかりと準備しましょう。

また、防寒、防水対策加えて、途中でスケジュールを変えられるような行程も考えておきましょう。小さな子どもがいるときは、汗をかいたときや濡れたときのための着替えを忘れずに。荷物は多めに持ち運び、体力的に余裕のあるコースを選んで早めに戻ることを心がけましょう。

早めの行動・下山を心がける

秋は、日照時間がどんどん短くなる季節でもあります。気づけばあっという間に暗くなってしまうので、登山に出掛ける際は、早めのスケジュールを組み、早めに行動することが重要です。

ちなみに筆者は秋に限らず、つねに午後3時には山を下りる予定を立てて行動しています。夏の間はもう少し遅くなっても心配ありませんが、秋になれば木々に囲まれた登山道は、午後3時でもかなり薄暗くなるもの。

なお、午後3時には山を下りるとしても、ライトを持参することをお忘れなく。登山中は、いつも何が起こるかわからないことを想定して、食料は多めに持ち歩るき、暗くなったときの最低限の備えとして、ライトは必須です。

キノコ狩りなどで登山道をはずれない

秋はキノコ狩りの季節でもあります。登山者の中には、キノコ狩りを楽しんでいる人もいるかもしれません。そういった人たちの真似をして、キノコを探してむやみに登山道を外れないように気をつけてください。毎年、キノコ狩りで登山道を外れ、足を踏み外して転落したり、道に迷ったりする事故が多く発生しています。

登山の方は、決して登山道を外れないこと。これは山の植生を守るうえでも、とても大事なことです。

秋登山は動物にも注意

秋の登山は、動物にも注意が必要です。秋は、クマが活動的になると言われています。冬眠前に食料を探すクマに出会わないため、クマ鈴を用意するなどの準備をしましょう。また、秋はスズメバチが最も攻撃的になる季節でもあります。蜂を刺激するのは、黒い服や香水、整髪料などの香りと言われていますので、なるべく香料は控えるようにしましょう。


◆監修・執筆/渡部郁子
アウトドアナビゲーター、温泉ソムリエ。JFNラジオ「JOYFUL LIFE」ほか、山と温泉と音楽をテーマに「人生を豊かにする情報」をさまざまなメディアで発信中。子どもにやさしい温泉や山、フェス情報など、子どもと一緒に楽しむアウトドアスタイルを提案している。

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