フランスの家庭でほとんど目にすることがないものとは!?
2022/07/23
フランスでは人と集まるといったら誰かのお家。
日本のように、飲み屋でカラオケでレストランでという集合の仕方ではなく、圧倒的にホームパーティーの数が多いのです。だから必然的に他人の家にお邪魔して隅から隅まで「お宅拝見」をさせてもらう機会が増えるのですが、フランス人のお家って「なんだかみんなかっこいい」。
今回は、パリジェンヌのおうちの秘密に迫ります。
フランスの家庭でほとんど目にすることがないものとは?!
決して「片付いていてきれい」というわけではなく、雑然としていたりモノが非常に多かったりする家でも、パリのおうちは、なんだか生活臭がせずかっこいい。この「なんだかかっこいい」にはどうやらいくつか理由がありそうで、それは1度では書ききれないのでこの連載で、どんどんご紹介していきたいと思っています。
パリに住み始めてすでに16年も経ったとはいえ、「ザ・日本人」の私。フランス人のお家はかっこよく見えがちだという『憧れの外国人を見るフィルター』を通して観察していることは、大いに自覚しているとしても、パリには「生活感あふれる」というワードからは遠く離れた素敵なおうちが多いです。
このかっこよさ、なんとか少しでもマネしてモノにしたいなあなんて思いながら、フランス人のお家に招かれるたびに、しげし~げと眺めていますが、前述の「生活感あふれる」感をなくしている一つの大きな要因、それはフランス人のお家では、
「部屋の中でゴミ箱を目にすることがない」ということのような気がします。
フランス人は、リビングなど目につくところにゴミ箱を置くことをすごく嫌います。たしかに、今まで遊びにいったどの家を思い出しても、写真を見返してみても、自分たちがくつろぐ空間にゴミ箱ってほとんど見たことがない!
日本だったらソファの横に、テーブルの下にと一部屋にいくつかゴミ箱が置いてあったりしますよね。あれがないのです。
「面倒くさい」より見た目が大事?!
では、フランスではゴミが出たらどうするのかというと、ゴミ箱のある場所まで行って捨てるのです。キッチンやバスルームなどには、もちろんゴミ箱があるので、そこに行って。キッチンなどに勝手にズカズカ入っていく関係でないお家では、「ゴミ箱どこですか?」と聞くと受け取って捨ててくれたりするのです。
キッチンやバスルームにあるゴミ箱も、中身が見えるタイプではなく、蓋があって中身が見えないようになっていたり、シンクの扉を開けたところに設置されていてゴミ箱自体が見えないようになっていたりと。そのおかげで、あまり「生活感」を感じさせません。
ゴミをポンと投げて入れられる距離にゴミ箱がないなんて、「めちゃめちゃ面倒くさい!」と思いますよね?でもこれが、案外慣れてしまうと全然大丈夫。人とおしゃべりしながらゴミ箱があるところまで捨てに行ったり、自然とゴミ箱に自分が向かっていくという行動をしていることに気づきます。
それよりも、ゴミ箱の中に捨てられている紙くずやティッシュの丸まったものなどが目に見える範囲にないこと。これこそが「生活臭がせずなんとなくかっこいい」のポイントの一つなんだと実感するようになるのです。
ゴミ箱の一工夫で生活感をググッと減らす!
我が家でもゴミ箱はキッチンとバスルーム以外はできる限り見えない場所に隠すようになりました。「ザ・日本人」の我が家は完全にゴミ箱をなくすというところまでは行き着いていませんが、デスクの下の見えないところに蓋つきの小さな箱を置いてゴミ箱にしたり、今までは中身が見えるタイプのものを使っていたバスルームやキッチンのゴミ箱も蓋つきに変えたり…。できる範囲でマネをしています。
「スーパーの袋を手の届く範囲にかけて簡易ゴミ箱を作ってしまう」なんて完全アウトですよ(笑)!(今までなんどもやっていましたが、おフランス流ゴミ箱の考え方を学んでからは大反省して絶対にしないようになりました。)
すぐにでも始められる「ゴミをできる限り見せないようにする」作戦、みなさんもぜひ取り入れてみてください!散らかり方も、モノの多さも変わらないのに、生活感がググッと減ります。
Have a try!
□家の中のゴミ箱をできる限り減らしてみる
□リビングやベッドルームなどくつろぎ空間は中身の見えないゴミ箱にしてみる
□キッチンのゴミ箱をシンクの下に入れるor蓋つきにしてみる
撮影・取材・文/とのまりこ
パリ在住16年フォトエッセイスト。『ほぼ日刊イトイ新聞』などウェブでの連載の他『パリのお散歩ガイド』(翔泳社)など著書多数。フランス雑貨のお店『ぼわっと』を構えパリと東京を行ったり来たりしながら2歳になる男の子「寝ないモンスター」の子育てに奮闘中。