その使い方で大丈夫?間違えやすい日本語「浮足立つ」の本当の意味とは
2020/07/01
みなさんは、いつも使っている日本語の意味を正しく理解できていますか?
よく意味を調べないまま使っていると、とんでもない勘違いをしているかもしれません。
たくさんの人が意味を間違えている言葉が、実はいろいろあるのです。
意味を間違えやすい日本語の言葉について、国語科教員免許を持つサンキュ!STYLEライターのdanngoさんが解説します。
「浮足立つ」の使い方、どちらが正しい?
今回は、「浮足立つ(うきあしだつ)」という言葉の使い方について考えてみましょう。
次の2つの例のうち、どちらが正しい使い方だと思いますか?
A.クリスマスを前にして、街の人々は浮足立っている。
B.被害状況を目の当たりにした彼は、浮足立った。
正解は……
答えはBでした!
「浮足立つ」のもともとの意味は、「恐怖や不安により落ち着かなくなる」ということです。「浮足」というのは、かかとを地面につけずそわそわした感じで歩く様子をあらわしています。
一般的には、「楽しい気分になる」という意味で使われていますが、これは間違い。
「うきうきする」「心が浮き立つ」といった表現と混同したのだと思われます。また、似たような言葉に「色めき立つ」がありますが、こちらは「興奮や緊張で落ち着かなくなる」ということで、良い状況にも悪い状況にも使えます。
いかがでしたか?正しい意味で使えていたでしょうか。
世代間で理解度に差があることも多いので、年の離れた人に手紙を書く時などは特に気をつけたいところです。
とはいえ、長い歴史の中で言葉の意味が少しずつ変わっていくのは自然なこと。勘違いされている意味も、「最近では」「俗に」という言葉を添えて辞書で紹介されることが増えてきています。
正しい意味をふまえたうえで、間違った意味も受け入れていく柔軟さがあってもいいかもしれませんね。
◆記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライターdanngo
国語科教員免許と漢検準一級を持つ、アラフォーの専業主婦。二児の母で、子育て関連の記事を書くのが得意です。本を読むのが大好きですが、一度読み始めると家事がおろそかになってしまうのが悩み。子どもの遊び相手をすると本気になりすぎて怒られ、家事は手抜きになる一方です。甘いもの、日本の古いものをこよなく愛しています。