元塾講師が教える「子どもが学びたいモード」に入った時こそ、勉強のベストタイミング!
2020/10/31
こんにちは。元塾講師・学校教師のサンキュ!STYLEライターのdanngoです。
新型コロナウイルスの影響で、学習の遅れを心配されている方も多いかと思いますが、「勉強しなさい」と口うるさく言うばかりではかえってモチベーションを下げてしまいます。
元塾講師の私が考える、子どもが意欲的に学ぶタイミングとサポート方法をお教えします。
子どもが自分から学ぼうとするのは、興味を持っているとき
考えてみれば当たり前のことかもしれませんが、子どもは興味のあることなら主体的に学ぼうとします。
これは大人でも同じですよね。
とくに幼いうちは、世界が知らないものであふれているわけですから、いろいろなことに興味を持つはずです。
でも子どもが何かに興味を持っているとき、大人にはそれに関心を持たなかったり、逆に問題行動のように感じてしまう場合もあります。
散歩に出かけて、12時までに広場に行ってお弁当を……などという計画があっても、子どもはしょっちゅう立ち止まります。
目に入る花や鳥や虫が気になって仕方がないのでしょう。
そんなとき、イライラして「ほらもう行くよ!」とせきたてていないでしょうか。
絶対に急がなくてはならないのでなければ、しばらく待ってみてほしいと思います。
子どもが「学びたいモード」に入りかけているからです。
質問したときがベストタイミング!
「これは何?」「どうして○○なの?」こういった言葉が発せられたら、それは学びたい気持ちが高まったサインです。
先回りして質問前にあれこれと説明したくなる場合もあるでしょうが、できれば子どもが聞いてくるまで待ってみてください。
興味を持ってから質問するまでの短い間に、子どもはなにかしらの観察や考察をしていることがあるからです。
いろいろ見たり考えたりしているときに話されたら、気が散ってしまいますよね。
質問されたときは、面倒がらずにわかる範囲で答えてあげましょう。
「よく見つけたね」「面白いところに気がついたね」などと、質問したことをほめるのもおすすめです。
「そんなこといちいち聞かないの」などと文句を言っては、せっかく考えて質問したのにかわいそうですね。
質問することを悪いことだと感じさせてしまうと、そのうち質問をしなくなり、わからないことがわからないままになってしまいます。
いそがしいときやどうしてもわからないときは、「あとでいっしょに調べてみようね」で構いません。
図鑑や事典、インターネットで調べればほとんどのことはわかります。
口約束で終わらせないよう気をつけてください。
先日、子どもたちとお月見をしたときの話です。
明るく輝く中秋の名月に、子どもたちは大興奮。
ひとしきり家族で月を眺めました。
その後、娘が一言。
「月には本当にウサギが住んでいるの?」
私は笑いながら、「そうだね、昔はそう思われていたよ。でも本当はいないんだ。月の表面にでこぼこがあって、暗い部分がウサギの姿に見えるんだね」などと説明しました。
するとさらに娘が「なんででこぼこがあるの?」と。
「隕石が落ちたからだよ。地球にも隕石は落ちるけれど、空気にぶつかって燃えたり、海に沈んだりして大きな穴はできにくい。穴ができても雨や風で削られる。でも月には空気も水もないからね」
娘は「そうなんだ」と言った後、またお月見に興じていました。
6歳の娘でも、根気よく説明すればたいていのことはわかるのです。
勉強は、積み重ね
私たちの子どもの頃は、勉強というと机に座って教科書や参考書を広げてやるものでした。
内容も、大事なことを基本から系統立てて学ぶことが多かったのではないでしょうか。
現在、学習は「体験を通して主体的に学ぶ」という方向にシフトしてきています。
例えば、太陽の動きを勉強する場合も「影遊び」という身近なテーマから入り、発展させていくといった具合です。
普段の生活の中に、学びのテーマはたくさん転がっています。
ひとつひとつは小さなものかもしれませんが、積み重ねていけば大きなものになっていくことでしょう。
子どもの知的好奇心の芽を摘まずに、上手に伸ばしていってほしいなと思います。
◆記事を書いたのは・・・danngo
中高国語科教員免許を持つ、活字中毒気味のアラフォー。高学歴・高血糖・高齢出産の三高ライター。「家事は化学、子育ては文学」を信条としている。
※ご紹介した内容は個人の感想です。