韓国映画を年間50本観る主婦による『パラサイト』ポン・ジュノ監督作品オススメベスト3!

2021/01/12

皆さん、こんにちは!STYLEライターJUMIJUMIです。私は韓国に留学経験があり韓国大好き歴15年!韓国ドラマ・映画を字幕なしで楽しんでいます。

おうち時間が増えた今、以前よりドラマや映画を楽しんでいるという方も多いと思います。
そこで今回は【韓国の鬼才ポン・ジュノ監督作品】オススメベスト3をお届けします!

ポン・ジュノ監督と言えば、もはや説明不要!2019年公開の『パラサイト 半地下の家族』がカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを、そしてアカデミー賞では作品賞を始め複数の部門を受賞し世界でもその鬼才ぶりが認められました。

日本でも先日、地上波で初放送されたので再び注目を集めています。『パラサイト』以外も気になる!という方はぜひ参考にしてみてください。

第3位:『海にかかる霧』

海にかかる霧(字幕版)

2014年公開。

この作品は2001年に実際に起きた事件を基にポン・ジュノが脚本とプロデュースを手掛け、監督はシム・ソンボが務めています。

不漁に悩み追い込まれたチョンジン号の船長は中国からの不法移民の密入国を手伝うという
危険な仕事に手を出してしまいます。密航者たちを船に乗せた翌日、運悪く海洋警察の巡視船が現れます。密航者たちを魚倉に隠してなんとかその場を凌ぎますが、ここから予想もしない事態に陥っていきます……チョンジン号は無事に港に帰れるのでしょうか。

これが実際に起きた事件を基にしていると思うと、とても衝撃的で胸が苦しくなります。かなり濃い目の演出が効いているので、私には直視できないシーンが多々あったのですが極限状態が続く予想できない展開であっと言う間の2時間でした!追い詰められた人間はここまでしてしまうのか。そんな切なさや狂気を味わえる重めの作品です。

主人公を演じるのは元・東方神起のパク・ユチョン。映画初主演となったこの作品で、多くの新人男優賞を受賞しました。優しく誠実な青年を演じていますが特に後半は格闘シーンも多めです!その優しさと強さのギャップがとても魅力的でした。

第2位:『母なる証明』

母なる証明(字幕版)

原題は「마더(マザー)」、2009年の作品です。

知的障害のある息子と母親の絆を描いた物語。ある日、町内で女子高生の遺体が発見され、殺人容疑で息子トジュンは連行されます。トジュンが犯人だと決めつける警察と不利益になる曖昧な証言をしてしまうトジュン。息子の濡れ衣を晴らすため、母は危険も顧みず事件の真相を追っていきます。息子への無限の愛が真実を明らかにした時、そこに見えてくるものとは……。

母を演じるのは「韓国のお母さん」と呼ばれるベテラン女優キム・ヘジャ。かわいらしいお母さんのイメージから一変。狂気に満ちてゆく母親の姿に鳥肌が立ちます。息子トジュンを演じるのは「韓国のキムタク」!第一次韓流ブーム立役者の1人ウォンビンです。そして『パラサイト』で豪邸の家政婦を演じたイ・ジョンウンも出演しています。ぜひ見つけてみてください!

母親が子どもを愛し守ろうとするのは当然です。しかしその深い愛情は時に、あまりにも簡単に危険な領域に足を踏み入れさせてしまいます。私も子どもをもつ母親。正しい愛の形を考えさせられる作品です。

第1位:『グエムル 漢江の怪物』

グエムル-漢江の怪物-(字幕版)

「グエムル」とは韓国語で「怪物」です。

漢江(ハンガン)はソウルを流れる実際にある川。市民の憩いの場となっています。有毒薬品の流出で生まれた謎の生物グエムルがある日突然漢江に現れ、人々を襲い始めます。騒動の中で娘をグエムルに連れ去られたカンドゥ。家族と共に娘の救出に乗り出します!

カンドゥを演じるのはポン・ジュノ映画には欠かせないソン・ガンホ。『パラサイト』で半地下一家の父を演じました。情けなく頼りないですが、娘を助けるため一生懸命な姿が胸を熱くします。そしてこの作品の注目ポイントは何と言ってもグエムルです!2006年の作品とは思えないリアルさで、生々しく不気味に動き回ります!

私が初めてこの作品を観たのは随分前ですが、改めて観て驚きました。未知の生物が突然現れ、人々の暮らしは一変。病原菌が広まらないよう町には消毒剤が散布され感染の疑いがある人は隔離を余儀なくされます。人々はマスクをし、飛沫感染を恐れ始めます。今の現状とかなり重なっているのです。ポン・ジュノ監督作品の中では比較的、あまり深く考えずにハラハラドキドキできるアクション映画だと思います。

ポン・ジュノ監督作品、私はこう思う。

ポン・ジュノ監督作品はその時代を映し出す大きなテーマを中心に物語が進みます。『パラサイト』は現代にも根強く残る格差社会が、『グエムル』では環境汚染や米軍問題が、『母なる証明』は母子の絆のほかに、障害をもつ人への偏見などが描かれています。ですがそのテーマを全面に押し出してくるいわゆる「社会派映画」とは違うところがポン・ジュノ監督作品の魅力。

テーマに沿った上で、いかに観客をハラハラドキドキさせるか!いかに楽しませ記憶に残すか!エンターテイメント性を大事にしているから各国の映画界で認められるのだと思います。

あくまでも私の感想ですがどれも「誰もが認める名作」とは言い難いです。観た後に感動したり前向きな感想が残る作品より言葉で表現できない感情や胸が苦しくなるようなモヤモヤが残る……そんな作品が多いからです。

目を覆いたくなる暴力的な描写が多いのも事実。そのような内容が苦手な方やお子さんと一緒に観る時はご注意ください。しかしそういった点もすべて含め、様々な要素で多くの人の記憶に刻まれる。それこそがポン・ジュノ監督作品の特徴であり最大の魅力だと私は思います。

いかがでしたか?『パラサイト』だけではない、よりディープなポン・ジュノワールドへ!あなたも足を踏み入れておうち時間を充実させてみませんか?

◆この記事を書いたのは・・JUMIJUMI
薬膳コーディネーター。障害のある娘の体調管理に役立てるため資格を取得。ご家庭で簡単に取り入れられるような薬膳料理やライフスタイルを提案。韓国留学経験を活かし韓国ドラマを解説したり、韓国料理や文化を紹介するのが大好き。特技はラタンハンドクラフト。

※ご紹介した内容は個人の感想です。

 
 

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