実家の片づけは『親目線』で!「捨てて」ではなく「どれが大事?」「選ぶならどれ?」

2023/07/08

40代からは心がラクになる手放し方で家をすっきりさせましょう。捨てやすくしまったり、ゴミになっても心が痛まないモノを使ったり。スーパー主婦直伝、実家の片づけに効果がある言葉も教えてもらいました。

NHK「あさイチ」など各媒体で"スーパー主婦"として活躍。講演や各家庭への片づけ訪問も行う。『今やるのが、い...

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あとあと手間だから捨てやすくしまう

家にモノが入ってきたら、出す=捨てるときのことを考えて収納すると後がラク。「それだけで処分を面倒に感じる気持ちが軽くなり、捨てやすくなります」。

年賀状は背にテープを貼るだけにして、ファイルには入れない

年賀状をポケットファイルに1枚ずつ入れると、出すのが面倒で捨てづらいので、まとめて背にテープを貼るだけに。保管は3年分のみです。

ゴミ箱に「収集日」も貼ったら夫が進んでゴミ出しするように

ゴミ箱に分別シールを貼るときは、「何曜日に出すゴミか」がわかるよう曜日も記入。「これだと"パッと見"でゴミ収集日がわかるので、家族も協力しやすいんです」。

おもちゃの大きな箱は、ラベルだけ切り取って早々に処分

ラベルだけ切って貼る

「おもちゃの外箱ってやたら派手で大きい」。そこで手持ちの缶や箱に中身を移し替え、蓋に外箱のラベルの一部だけペタリ。「これだとわかりやすくて孫も進んで片づけます」。

ゴミになっても心が痛まないモノを使う

「処分するとき、かさばって捨てづらいモノや環境に負荷をかけるモノは避けます」。何かが必要になったら「今家にあるものを再利用できない?」から考えて。

プラ素材より、なるべく自然素材のモノを愛用

「身の回りから脱プラスチック、と思い、自然素材のモノを選ぶようにしています」。食器洗いスポンジは庭で育てたヘチマ、歯ブラシは柄が竹のモノを愛用。

収納グッズは「あるモノ」をとことん活用。やたら買わない

場所を仕切る収納グッズは新しく買わず、今あるモノを組み合わせて工夫。「中身を厳選すれば収納は必ず余るんです。便利だからと安易に買い足しません」。

牛乳パックは仕切りに再利用すると便利!

浅めの引き出しを仕切るとき便利なのが牛乳パック。洗って乾かしたら上部の注ぎ口を切り落とし、縦の1辺を切って開いて底は斜めにカット。これを2つ用意。内側が表になるように折ったら2つを重ね、引き出しの長さに合う位置でホチキス留めしたら完成。

今"からできることを少しずつ――親も子も苦しくならない実家の片づけ方

切なくて、悩ましい。親亡きあとの実家片づけ。
数年前に90歳の父と87歳の母を続けて亡くした井田さん。両親の晩年、実家に帰省するたび片づけを手伝っていたそうですが「今思えば『これはもういらないんじゃないの?』と言うのではなく、モノを見ながらもっと思い出話を聞いて、その価値を認めてあげればよかったと思うんです」。
そんな経験も踏まえ「実家の片づけは急かさず、親のプライドを傷つけないように親目線でやることが大切」と井田さん。「といっても関係が近いだけにむずかしいんですよね、親と娘の片づけって」。

亡き父の書斎

晩年まで広島で平和活動をしていた父の大切な資料や手紙が詰まった本棚。ベッドのすぐ横なので「地震が心配でした」。

亡き母が遺した衣類や布

母の押し入れには衣類のほか「何かに使えるかも」と布小物がぎっしり。母亡きあと、井田さんが受け入れ先を探した。

※写真提供/井田さん

実家の片づけに効果がある言葉3

1 どれが一番、大事?

親世代は「捨てる=粗末にする」が主流の価値観でした。「捨てて」とうながすと切なくさみしい気持ちに。それより「このなかで大事なのは何?」「どれが一番大事?」と聞いてみましょう。「教えて」「選ぶならどれ?」と相手を理解したい気持ちで寄り添って。

2 出すの大変だから少し片づけようか

「このままだと重くてお母さんが大変だから」「腰をかがめて引っ張り出すのはお父さんが大変だから」と親を主語にして、親目線で片づけの必要性を伝えるのが◎。「私が片づけてほしいから」と自分目線の言い方は避けましょう。

3 このままだと危ないからどうにかしよう

シニアにとって何より大事なのは「安全でけがをしないこと」。「床に物が積まれていると、ぶつかって転んで危ないから」「お父さんがけがをしないように片づけたい」など"安全"が理由の声かけをしたら、父も積極的に片づけてくれるようになりました。

<教えてくれた人>
整理収納アドバイザー 井田典子さん
NHK「あさイチ」など各媒体で"スーパー主婦"として活躍。講演や各家庭への片づけ訪問も行う。『今やるのが、いちばんハヤイ!人生が整う「小片づけ」』(主婦と生活社)など著書多数。

参照:『サンキュ!』2023年7月号「大人の断捨離(R)のススメ」より。掲載している情報は2023年5月現在のものです。撮影/林ひろし 構成/竹下美穂子 取材・文/宇野津暢子 編集/サンキュ!編集部

 
 

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