「刺身」の冷凍方法は?上手な保存のコツやおすすめの活用レシピを紹介
2022/12/21
刺身を冷凍するとき、どのようなことに気を付けたらいいのか知りたくありませんか。本記事では、柵や切り身の刺身をおいしく冷凍するコツについて解説します。また、解凍方法やアレンジレシピについても紹介していきます。刺身の保存方法について知りたい人は参考にしてください。
刺身の保存方法とは?
購入した刺身は、チルド室で保存することをおすすめします。冷蔵庫よりも温度の低いチルド室で保存することで、刺身の品質を保つことができます。
多くの冷蔵庫の庫内温度は3~6℃であるのに対して、チルド室は約0℃と冷蔵庫よりも低い温度に設定されているのです。
そのため、刺身を保存するなら冷蔵庫よりチルド室が向いているといえるでしょう。
しかし、刺身は生もののため、あまり日持ちはしません。特に切り身の場合は消費期限が当日となっているものがほとんどです。
冷蔵保存するならチルド室に入れ、食べきれない場合は鮮度が落ちてしまう前に冷凍保存することをおすすめします。
冷凍刺身の保存期間は?
冷凍した刺身の保存期間の目安は、1週間程度となっています。これは解凍後、生で食べることを考えた場合の目安です。
しかし、冷凍前の刺身の状態によってはそこまで日持ちしない可能性もあります。解凍後は刺身の状態をしっかり確認することが大切です。
解凍した刺身にぬめりがないか、においはないか、変色やパサつきがないかなどをチェックしてから食べるようにしましょう。
また、加熱して食べる場合は1カ月ほど保存することができます。1週間以内に食べられない場合は加熱料理の材料として使うといいでしょう。
刺身を冷凍保存する方法は2つ
刺身の冷凍方法は2種類あります。どちらの方法で保存するかは、冷凍したい刺身の形状によって決めましょう。
店舗で販売されている刺身の多くは、このような形状です。
・柵(さく):ブロック状になっているもの
・切り身:一口サイズにスライスされているもの
このうち、切り身よりも柵の方が冷凍に向いています。しかし、切り身も工夫して冷凍することで味が落ちるのを防ぎ、おいしく冷凍することができます。
ここでは、刺身の冷凍方法について具体的な手順をご紹介します。保存したい刺身の形状に合わせて冷凍方法を選んでください。
柵のまま冷凍する
刺身を冷凍する場合は、なるべく柵の状態で冷凍するのがおすすめです。切り身よりも空気に触れる面を減らすことができるため、味の低下を防ぐことができます。
切り身の場合、包丁によって切った刺身に雑菌が付着していたり、断面が多く空気に触れやすいため味が悪くなったりする可能性があるでしょう。また、柵よりもサイズが小さいため、乾燥しやすいことも味の低下の原因となります。
刺身を冷凍するポイントは次の2つです。
・新鮮なうちになるべく早く凍らせること
・味が落ちないよう、なるべく空気に触れさせないこと
これらを意識すると、おいしく冷凍することができます。ここからは、柵のまま刺身を冷凍する方法について説明します。
手順1:キッチンペーパーでドリップを処理する
まずは魚をキッチンペーパーで包み、ドリップを取り除きましょう。ドリップとは魚から出る余分な水分のことです。たんぱく質が流れ出たものであるため赤く見えますが、血ではありません。
このドリップは臭みの原因となるため、キッチンペーパーでしっかり取り除くことが大切です。
しかし、ドリップを取るのに夢中になって魚を強く押さえすぎないように気を付けましょう。指の体温で魚の身の温度が上がってしまうと、刺身が傷んでしまう原因となるためです。
生魚を扱うときは手際よく行うようにすることが、おいしく食べるコツとなります。
手順2:食品用ラップで包む
刺身のドリップを取り除いたら、食品用ラップで包みましょう。
ポイントは、空気に触れさせないようにピッタリ包むことです。空気に触れてしまうと、傷むのが早くなってしまうのです。
また、ピッタリ包んでおくことで、水分が飛ぶことも防ぎます。水分が飛ぶと刺身がパサついて食感が悪くなってしまうほか、冷凍焼けを起こす原因にもなります。
おいしく冷凍するために、食品用ラップはしっかりと包みましょう。
手順3:アルミホイルで包む
食品用ラップで包んだ刺身を、さらにアルミホイルで包みます。これは、刺身をなるべく早く凍らせるために行います。
アルミホイルは熱や冷気の伝導率が高いです。食品用ラップだけ巻いて冷凍庫に入れるよりも、アルミホイルで巻いてから冷凍した方が凍るまでの時間を早めることができます。
なるべく短時間で凍らせることが、おいしさをキープするコツです。空気に触れないようにきちんと包みましょう。
手順4:ジッパー付きの冷凍用保存袋に入れる
アルミホイルで包んだら、ジッパー付きの冷凍用保存袋しょう。
このとき、なるべく空気を抜くようにすることがポイントです。真空状態に近づけることで、刺身が空気に触れにくくなり、味の低下を防ぐことができます。
しっかりと空気を抜いたら、冷凍庫に入れて保存しましょう。
漬けにして冷凍する
柵の方が冷凍に向いていると説明しましたが、どうしても切り身の刺身を冷凍したいと思うこともあるでしょう。切り身の刺身は漬けにして冷凍することをおすすめします。
漬けであれば味が落ちにくいだけでなく、保存と同時に味付けをすることができるため、解凍後にすぐ食べられるという点がメリットです。さらに、調味液に漬けることで刺身が空気に触れにくくなり、乾燥を防ぐこともできます。
切り身の刺身を冷凍したい場合は、購入後早めに冷凍することを意識しましょう。切り身は柵よりも鮮度が落ちやすいためです。食べきれないとわかったらすぐに冷凍し、味の劣化を防ぎましょう。
では、切り身の冷凍方法について説明します。
手順1:塩を振ってドリップ処理をする
切り身をバットなどに広げ、塩を振って10分ほどおいておきましょう。塩を振ることで、余分な水分が抜けるため味が染みやすくなり、身も締まるため食感がよくなります。
その後、切り身から出たドリップをキッチンペーパーでふき取りましょう。この水分には臭みがあるため、これを取り除くことで味の低下を防ぐことができます。
冷凍前にひと手間を加えることが、切り身の刺身をおいしく冷凍するコツです。
手順2:ジッパー付きの冷凍用保存袋に切り身と漬けの調味料を入れる
切り身の下ごしらえが終わったら、ジッパー付きの冷凍用保存袋に入れましょう。ここに、漬けの調味料を一緒に入れていきます。
漬け調味料の分量(刺身160g分)
・醤油:大さじ1
・酒:大さじ2
・みりん:大さじ2
調味料はそのままジッパー付きの冷凍用保存袋に入れてもいいですが、気になる方はみりんや酒を加熱してから使用しましょう。
みりんや酒を小鍋に入れ、火にかけてひと煮立ちさせることでアルコールを飛ばすことができます。また、味わいもまろやかになります。冷ましてから醤油と合わせ、ジッパー付きの冷凍用保存袋に入れましょう。
全ての材料を入れ終わったら、空気を抜いて袋の口をしっかり閉じます。
手順3:バットやトレイの上で急速冷凍をする
切り身と調味料を入れたジッパー付きの冷凍用保存袋をトレイにのせ、平らにして冷凍します。柵の刺身を冷凍するときと同様に、なるべく早く凍らせることがおいしく冷凍するコツです。
そのため、使うトレイはアルミやステンレスなどの金属製のものがいいでしょう。冷気の伝導が早い金属製のトレイにのせることで、素早く切り身を冷凍することができます。
刺身の解凍方法
せっかく正しい方法で冷凍しても、間違った方法で解凍してしまうと味が落ちてしまいます。刺身を解凍するときは、氷水や塩水を使い、短時間で解凍しましょう。
常温での解凍や、電子レンジを使った解凍方法はおすすめしません。刺身の温度が上がりすぎると傷んでしまう原因となり、衛生上よくないためです。
ここからは解凍方法について説明します。おいしく安全に食べるためにも、手順を確認しておきましょう。
柵を解凍するとき
凍らせた柵の刺身は、塩水と氷水を使って解凍します。解凍にかかる時間は1時間ほどです。解凍しているときにもドリップが出てくるため、キッチンペーパーで取り除きます。ドリップをふき取ることでおいしく解凍することができるでしょう。
海水より少し薄い塩水で洗い水気を取る
凍った柵を塩水で洗います。この水は海水よりも少し薄い塩水にしましょう。
塩分濃度が濃いと、刺身が塩っぽくなってしまいます。海水の塩分濃度は約3%となっているため、これよりも少し薄めの塩水で刺身を洗うといいでしょう。
洗った刺身はキッチンペーパーで水気をふき取ります。
キッチンペーパーに包みジッパー付きの冷凍用保存袋の中に入れて氷水に浸す
水気をふき取ったら、新しいキッチンペーパーで包んでからジッパー付きの冷凍用保存袋に入れましょう。
柵をキッチンペーパーで巻くことで、解凍時に出た余分な水分がキッチンペーパーに移ります。余分な水分の中に臭み成分も流れ出るため、おいしく解凍することができます。
キッチンペーパーで包んだ柵を入れたジッパー付きの冷凍用保存袋を氷水に入れ、1時間ほど置いておくと解凍できるでしょう。
また、解凍した刺身は必ず一度に使い切るようにしてください。再冷凍は衛生上おすすめできません。
漬けにした切り身を解凍するとき
漬けにした切り身は、ジッパー付きの冷凍用保存袋のまま解凍しましょう。柵よりも小さいため、より早く解凍することが可能です。
切り身が傷むのを防ぐために、氷水で解凍します。水温が10℃を超えないようにすることがポイントです。
それでは、詳しい手順をご紹介します。
ジッパー付きの冷凍用保存袋のまま氷水に入れて解凍する
漬けにした切り身は、ジッパー付きの冷凍用保存袋のまま氷水に入れて解凍しましょう。氷水を使うことで、低温のまま解凍することができます。
5~10分ほどで調味液が溶けるため、刺身を取り出すことができます。清潔な菜箸などを使って切り身を取り出しましょう。
また、解凍した刺身の再冷凍はおすすめできないため、一度に食べる分だけ解凍しましょう。
冷凍した刺身の活用レシピ3つ
冷凍した刺身は、解凍後そのまま食べるだけでなく料理に活用するのもおすすめです。刺身用の魚は骨が取り除かれているため、調理がしやすく食べやすいというメリットがあります。
ここではおすすめのレシピを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1:あじのカレーソテー
粉チーズやカレー粉、あじを使った、お子さんでも食べやすい料理です。味付け後に調理してから冷凍しておけば、解凍してすぐに食べることができます。
柔らかくてジューシーな料理で、作り置きに向いているレシピです。冷凍保存が可能な期間は3週間ほどが目安となっています。
2:刺身用アジで作る簡単つみれ汁
解凍したアジの刺身に調味料を加え、たたくことによって絶品自家製つみれを作ることができます。簡単においしいつみれ汁が楽しめるレシピです。調理時間も15分ほどとなっているため、日頃忙しい人にもおすすめとなっています。
3:マグロの漬け丼
漬けて冷凍しておいたマグロがあれば、簡単においしいマグロの漬け丼を作ることができます。ご飯の上に解凍したマグロをのせ、好みの薬味をそえていただきましょう。
白いご飯でもおいしいですが、ひと手間を加えて酢飯にすると、より本格的な味わいが楽しめます。
刺身の保存は冷凍を活用しよう
刺身の冷凍保存の方法について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
刺身は冷蔵ではあまり日持ちしません。たくさん買ってしまって食べきれないこともあるのではないでしょうか。
そのようなときは、本記事で紹介した方法で冷凍して保存しましょう。食べきれないとわかったら早めに冷凍してしまうことで、おいしさをキープすることができます。
また、冷凍保存をすることで、日持ちするだけでなく料理の時短にもつながります。食材を無駄にしないためにも、冷凍保存をしておいしく刺身を楽しみましょう。