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「秋刀魚(さんま)」の冷凍方法は?上手な保存のコツやおいしい活用レシピを紹介

2023/02/01

さんまは旬であればさらに脂がのっていておいしいですが、冷凍保存できるでしょうか。本記事では、さんまのおいしさを保ったまま冷凍・解凍する方法、冷凍したさんまを活用できるレシピを紹介します。さんまをおいしく冷凍する方法について知りたい方は、参考にしてください。

いろいろな保存方法が使えて便利なさんまの冷凍ストック

さんまは冷凍することで長期保存できます。いろいろな冷凍方法があるため、解凍後の食べ方や調理法などに合わせて保存でき便利です。安い時期にまとめて購入し、冷凍しておいても良いでしょう。

一般的に魚は痛みやすいため、家庭で冷凍する場合は買ってきたその日、鮮度が良いうちに冷凍することでおいしく保存できると言われています。

9~10月に三陸沖から房州沖で獲れるさんまは脂がのっている最高品です。鮮度がいいものは、皮に張りがあり背の青味がきれいなもの、身が硬くふっくらとしているものなどの特徴があります。

さんまには「下処理するかどうか」や「調理してからか生のままか」などにより、大きく分けて4つの冷凍保存方法があります。

それぞれの方法にメリットとデメリットがあるため、解凍後にどのように調理するかを考慮して冷凍方法を選ぶと良いでしょう。

【おすすめ!】下処理せずに冷凍保存する方法

通常、冷凍せずに調理する際は、内臓を取るなどの下処理をしますが、乾燥や冷凍焼けの原因になるため下処理をしない方がおすすめです。

身を傷つけずに済むため、新鮮なさんまであれば日持ちします。内臓を取る手間がかからないため、より手軽に冷凍できる方法でしょう。

デメリットとしては、内臓を取らずに冷凍することで血が身の方へ回ってしまい味が落ちることが挙げられます。

1:うろこを取り冷水でよく洗って水分を拭き取る

買ってくるさんまは「うろこ」がほとんどないことが多いですが、残っている場合は取り除きます。皮を傷つけてしまうと洗ったときに水っぽくなったり、焼いた際に身が崩れやすくなったりするため、強くこすらず包丁の先でやさしく撫でる程度にしましょう。

うろこが付いていないことを確認したら冷水で洗います。よく洗ったらキッチンペーパーで水分をしっかりと拭き取りましょう。

2:塩を振り出てきた水分を拭き取る

次に、さんまの両面にひとつまみ程度(または一尾あたり小さじ3分の1程度)の塩を振ります。5分以上(時間に余裕があれば15~20分程度)おいておき、表面にポツポツと水分が浮いてきたらキッチンペーパーで拭き取りましょう。

この塩は味付けをするためではなく、余分な水分や臭みを出すことで、解凍時のドリップを減らし旨味をキープする目的があります。このひと手間で、皮がパリパリになるというメリットもあるので必ず行いましょう。

30cmくらいの高さから振ることで均一に塩をかけられます。全体にかかったあと、軽くなじませるために指で塗り込みましょう。さんまの身はお腹のところに厚みがあるため、この部分に多めに振るのがコツです。

3:一尾ずつ食品用ラップに包む

水分を拭き取ったさんまを一尾ずつ食品用ラップに包みます。空気が入ると腐敗の原因にもなるため、できるだけぴったりと包みましょう。冷凍焼けを防ぐためには、食品用ラップを二重にするという方法もあります。

冷凍焼けは、酸素とさんまの脂が反応して酸化することを言います。酷くなると酸化臭がし始め、味が落ちることもあるため、脂がのっているさんまは特に注意しましょう。

4:ジッパー付きの保存袋に入れ冷凍庫へ

一尾ずつ食品用ラップに包んだら、冷凍用保存袋にまとめて入れて密閉します。このときもしっかりと空気を抜きましょう。さんまを食品用ラップに包んだだけで冷凍してしまうと、空気に触れてしまい乾燥や酸化の原因になるだけでなく、ほかの食品に匂い移りする心配もあります。

さんまをおいしく冷凍するコツは急速冷凍することです。保存袋に入れる際は重ならないように並べ、平らにすることで冷却効率が上がります。

また、急速冷凍機能が付いている冷凍庫の場合は積極的に活用しましょう。急速冷凍機能がない場合は、アルミやステンレス製のトレーにのせて冷凍庫に入れるだけでも冷凍時間が早くなります。

下処理して冷凍保存する方法

内臓を取るなどの下処理をしてから冷凍することで、解凍後の調理の時短にもなります。

さらに、三枚おろしやぶつ切りなど、調理方法によってカットしておけば、蒲焼やフライ、ショウガ煮や竜田揚げなど、すぐに調理に使えるため便利です。料理に合わせてカットすると良いでしょう。

1:うろこを取り背骨を切る

前述の要領で、うろこが付いていた場合は包丁で撫でるようにやさしく取り除き、さんまの背から包丁を入れて背骨を切ります。切り込む場所は、エラの上あたりを目安にしましょう。

このあとの手順で必要となるため、頭を切り落とさないように注意してください。ゆっくりと包丁を入れ背骨が切れた感触があったところで止めます。

2:腹に切り込みを入れる

次に、さんまの腹側にある穴(肛門)の少し手前辺りに包丁の先で切り込みを入れます。1cmほど切れば十分でしょう。

さんまの内臓は背骨にくっついており、背骨は頭とつながっているため、この作業をすることで内臓が取りやすくなります。

3:内臓を引っ張り出す

さんまの頭と尻尾を持ち、両サイドに向けてゆっくりと引いていきます。このときのコツは、内臓と頭が繋がっていることを意識し、ゆっくりと引っ張ることです。頭を少し下に傾けると抜きやすくなります。

この方法で内臓を抜くと、まな板が汚れにくく後処理も楽です。

独特な風味と苦味があるさんまの内臓はおつまみなどとしても好まれているため、捨てるのがもったいないという場合は、別に調理して食べても良いでしょう。塩をふってグリルなどで焼けば、わた焼きとして味わえます。

4:用途によりさらに切り分ける

頭と内臓を取り除いた状態で冷凍保存もできますが、カットしてから冷凍することでさらに便利になります。カットする場合は三枚おろしやぶつ切り、そぎ切りなど、解凍後の調理方法に合わせると良いでしょう。

三枚おろしとは、頭と内臓を取り除いた魚を、右身、左身、中骨の3つに切り分ける切り方です。骨を取り除くため、ムニエルやソテーなどに使うと食べやすくなります。

5:冷水でよく洗い水分を拭き取る

下処理やカットが終わったら、冷水でよく洗いキッチンペーパーで水分をしっかりと拭き取ります。

カットせずに冷凍する場合は、身の中にも水を流し入れて洗いましょう。血が残っていると腐敗の原因になるため、流れ出る水が透明になるまでよく洗います。血を指で無理にかき出すと傷がつくため注意してください。

洗い終わったら中の水が残らないように軽く振って水を切り、キッチンペーパーで水気をしっかりと拭き取ります。

6:塩を振り出てきた水分を拭き取る

下処理せず冷凍する方法と同じように、下処理した場合も塩を振って余分な水分を抜きます。やり方も同様で、全体に一つまみ程の塩を振り、軽くなじませてから5分程度おいておきます。表面に浮いてきた水分をキッチンペーパーで拭き取れば完了です。

下処理しカットしたさんまも、このひと手間を加えることで解凍時に出るドリップが減り、おいしさをキープして冷凍・解凍できます。

全体にまんべんなく振ることがポイントです。塩が湿気で固まっている場合は、乾煎りすると水分が飛んで使いやすくなります。

7:一尾または一切れずつ食品用ラップに包む

一尾まるごと、またはカットしたさんまを一切れずつ食品用ラップに包みます。乾燥や酸化を防ぐため、空気が入らないようにぴったりと包んでください。冷凍焼けや乾燥が気になる場合は、食品用ラップを二重にすると良いでしょう。

カットして一切れずつ食品用ラップしておけば、少量ずつ食べたいときやお弁当用にも便利です。

8:ジッパー付きの保存袋に入れ冷凍庫へ

一尾まるごと、またはカットしたさんまを食品用ラップに包んだら、重ならないようにジッパー付き保存袋に入れて密閉し冷凍庫へ入れます。 冷凍焼けや乾燥、空気による酸化を防ぐために、保存袋に入れたらしっかりと空気を抜きましょう。

急速冷凍することがおいしさを保つコツです。急速冷凍機能や金属製のトレーを活用して、すばやく凍らせましょう。

水ごと冷凍保存する方法

水に入れてそのまま冷凍する「氷漬け冷凍」で、さんまをおいしく保存できます。この方法で冷凍すると、食材の乾燥や冷凍焼け、解凍時のドリップを防げるため、ぜひ試してみましょう。

冷凍によって乾燥すると食べた際のパサつきが気になったり、長期間冷凍していると食材から出た水分が霜になったりしていまいます。氷漬け冷凍では、食材の周囲を氷が保護してくれるため、食材が乾燥することはなくなります。

1:ジッパー付きの保存袋にさんまを数匹まるごと入れる

まず、ジッパー付き保存袋にさんまを数匹まるごと入れます。

この方法で冷凍する際は、頭や内臓を取り除かないでください。水に浸かることで切り口からふやけてしまい、鮮度を落とす原因になります。

2:さんまを入れたジッパー付きの保存袋に水を入れる

さんまを入れたジッパー付き保存袋に水を注ぎます。目安はさんまの周囲を覆うくらい、満杯に入れてください。さんまの一部が水面から出ないように気をつけましょう。

3:ジッパー付き保存袋の口をしっかり閉じて冷凍庫へ

水が漏れないように注意しながら、ジッパー付き保存袋の口をしっかり閉じて冷凍庫へ入れます。

急速冷凍するために、平らにして金属製のトレーにのせると良いでしょう。完全に凍ったあとは立てて保存できます。

調理済みの状態で冷凍保存する方法

さんまは生のままだけではなく、調理後の状態で冷凍保存することも可能です。冷凍するまでに手間がかかりますが、解凍しすぐに食べられるようになります。

また、調味液が染み込んでいるため、生の状態で冷凍するよりも酸化や冷凍焼けしにくく、生のまま冷凍するのと比べて長期保存も可能になります。

下処理したさんまを調理したら、ジッパー付きの保存袋や密閉できる容器に入れて冷凍保存しましょう。

冷凍したさんまの解凍方法

ここからはさんまの解凍方法を、一尾ずつ冷凍した場合と切り身の状態で冷凍した場合に分けて解説します。それぞれの冷凍方法に適した解凍方法を使うことで、おいしさを保ったまま解凍できます。

一尾ずつ冷凍したさんまの解凍方法

一尾ずつ冷凍したさんまは、流水で半解凍することでおいしく解凍できます。

流水解凍する際はさんまを食品用ラップに包んだままさらに袋に入れ、15分か20分程度流水にあてながら表面が柔らかくなる程度まで解凍します。半解凍状態になったら、さんまから食品用ラップを外しキッチンペーパーで表面の水分を拭き取りましょう。

血液も固まっているため、この段階で内臓を取り除くことでまな板も汚れにくくなります。

水ごと冷凍したさんまの解凍方法

水ごと凍らせたさんまの場合は、袋のまま流水に浸して手早く解凍します。自然解凍では酸化が進んでしまい、電子レンジ解凍ではムラができやすくなってしまいますが、流水解凍であれば変色や臭い、ドリップを抑えておいしく解凍できます。

解凍時間は2~3時間ほどでしょう。様子を見ながら、少し芯がある程度で水から引き上げます。前述したように内臓を取り出す場合は、この段階で取り出すことで血液が固まっているため扱いやすくなります。

解凍後の調理も酸化が進まないうちに、手早く行うのがおすすめです。

切り身の状態で冷凍したさんまの解凍方法

切り身の状態で冷凍したさんまは、冷蔵庫で自然解凍するのがおすすめです。流水解凍でも可能ですが、食品用ラップの中に水が入ってしまうと身がふやけてしまうため、おいしさが損なわれてしまいます。

冷蔵庫に冷凍した切り身のさんまを移し、6時間ほどおいておきます。ゆっくりと解凍することでドリップが出にくく、旨味をキープしたまま解凍できます。

冷凍したさんまの保存期間は?

焼き魚の
marucyan/gettyimages

冷凍したさんまの保存期間は、3週間程度が目安です。冷凍方法や、冷凍前の鮮度などの影響もあるため、多少の違いはあります。

また、おいしさを重視するのであれば10日以内に食べるのがおすすめです。

冷凍したさんまの活用レシピ

ここからは、冷凍したさんまの活用レシピを紹介します。冷凍したさんまを活用すれば、より簡単にレシピを楽しめるでしょう。

定番の塩焼き以外でもさんまを楽しみたいという人は、以下のレシピを活用して調理してみましょう。

さんまのかば焼き

出典:白ごはん.com

かば焼はご飯と相性の良い味付けですが、さんまで作ることでさらに食べやすくなります。好みでピーマンやしいたけなどの野菜を一緒に炒めても、おいしいおかずになるでしょう。

かば焼きのタレはシンプルで作り方も簡単なため、覚えておくといろいろな料理に応用できます。また、内臓を取りカットしたさんまを使えば時短になり便利です。

さんまご飯

出典:E・レシピ

華やかな一品のさんまご飯は、炊飯器でできるのも嬉しいポイントです。さんまはグリルで両面こんがりと焼いておくことで風味豊かになります。脂がのった旬のさんまを使うとショウガとの相性が良く、さっぱり食べられます。

薬味などは好みでアレンジしても良いでしょう。炊飯器以外にも、土鍋を使ったり、塩焼きしたさんまを混ぜ込んだりなどのアイデアもあります。

さんまのアヒージョ

出典:E・レシピ

見た目もおしゃれなさんまのアヒージョは、ワインに合うおつまみにもなります。

アヒージョはスペインの定番料理で、オリーブオイルやにんにくで食材を煮込む料理のことです。塩や鷹の爪などを使ったシンプルな味付けが特徴で、海鮮の具材やトマト、キノコなどがよく使われます。

好みの具材を加えてアレンジしても良いでしょう。

さんまの保存は冷凍を活用しよう

この記事ではさんまをおいしく冷凍・解凍する方法を解説しました。さんまを冷凍する方法はいくつかあるため、解凍後の用途によって選ぶと便利です。ドリップを防ぎ旨味の流出を防ぐことで、おいしく冷凍・解凍しましょう。

下処理をしてから冷凍した場合は、解凍後にそのまま調理に加えられるため時短になります。冷凍したさんまを用いて活用レシピを楽しむのもおすすめです。

新鮮なうちに冷凍保存を活用し、さんまをおいしくいただきましょう。

参考にしたサイト

 
 

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